パイオニア・
ビーナス2号

打ち上げ時期 1978年8月8日
軌道上の重量 母機:290kg
大型プローブ:315kg
小型プローブ:90kg/基


のマルチプローブ・ミッションは、 1基の大型プローブと3基の小型プローブとこれ等を収納する探査機本体(バス)で構成されている。 パイオニア・ビーナス1号同様、 アトラス5030Dセントール50ロケットにより打ち上げられた。 1978年11月16日に大型プローブが、 11月16日に小型プローブがそれぞれ発射されて金星の大気に突入した。

大型プローブは直径約1.5mで、直径73.2cmの科学機器が収納された球形の密閉耐圧器を内蔵している。 この耐圧器はプローブの先端のノーズ・コーン(円錐頭)を守る保護殻の内側に収納されている。 大型プローブは初速約115.5m/秒から減速した後、 高度47kmでパラシュートを展開し、金星の赤道に近い夜の領域を目指して金星の大気を降下した。 着陸前にパラシュートを分離し、西経30度、北緯4.4度に衝突した。衝突と同時に交信は途絶えた。大型プローブには、金星大気の組成を測定する中立質量分析計とガス・クロマトグラフ、 金星大気に流入する太陽風を測定する太陽風流動干渉計、 赤外線の放射分布を測定する赤外線干渉計、粒子の大きさと形を測定する大気粒子分光計、 雲の粒子を探査する比濁計および気温、圧力、速度センサーが搭載されている。

小型プローブはいずれも直径80cmで、 エアロシェル(防護殻)で覆われた耐圧性の球形の探査機である。但し、大型プローブのようにパラシュートは装備されていない。 小型プローブには、 金星大気の放射能エネルギー源と溜まり場の分布を測定する大気流動干渉計に加えて比濁計と温度、圧力、速度センサーが搭載されている。 1978年12月9日、3基の小型プローブはそれぞれの目標地点に硬着陸した。1号(ナイト・プローブ)は、金星の夜側(東経4度、北緯59.3度)に硬着陸した。 2号(ナイト・プローブ)は、金星の夜側(西経317度、南緯31.8度)に、3号(デイ・プローブ)は、金星の 昼側(東経56.7度、南緯28.7度)に硬着陸した。 ナイト・ プローブは、 金星の夜の領域に突入した。 小型のプローブの中では、3号だけが、衝突後も1時間以上無線信号を送り返してきた。

パイオニア・ビーナス2号の本体は直径2.5mの円筒形で、 金星大気の組成を調べる中立質量分析計とイオン質量分光計を搭載している。 耐熱シールドもパラシュートも装備されていなかったので、上空約115kmの上層大気だけを観測した。12月9日、金星の西経290.9度、南緯37.9度に硬着陸して燃え尽きた。




パイオニア・ビーナス・ミッション