現在の月

 月は惑星と同じく太陽の光を反射して光っており、太陽を向いた側だけが光っています。その光っている部分が私たちのいる所からどれくらい見えるかによって、見かけ上の形が違ってくるのです。光っている部分が地球から全く見えない時が新月で、逆に全部見えているときが満月、また半分だけ見えているときが半月(上弦の月や下弦の月)になります。月は、29.5日ほどの周期で満ち欠けを繰り返しながら地球をひとまわりしており、地球から見た太陽と月の位置関係が,このような月の形を決めているのです。

 例えば、月と太陽が同じ方向にあるときが新月で、その後太陽から離れるにつれ見える部分が増えていき、新月→三日月→上弦の月→満月という具合に形を変えていきます。満月の時、地球から見た月の位置は太陽と正反対になっています。満月の後、月はまた太陽に近づきながら細くなり、やがて次の新月を迎えるのです。


 「月齢」は、月の満ち欠けの状態を知るための目安になる数字で、新月から何日経過したかを表しています。新月を0として、翌日が1、翌々日が2、・・・と、1日に1ずつ数を増やしていきます。月齢の数値を見ることによって、月齢が7前後であれば上弦、15前後であれば満月、22前後であれば下弦、30に近い数字であれば次の新月が近い、ということを知ることができます。月の動きは複雑なため、厳密にいうと、月齢と満ち欠けの状態が完全には一致しないのですが、かなりよい目安になります。

 それでは、小数はなにを意味しているのでしょうか。

 実は、「新月」というのは太陽と月が同じ方向になった「瞬間」のことをいいます。例えば「9月の新月は17日の19時27分である」という言い方をします。それから何日経過したかが月齢の数値になりますので、この例でいうと、9月18日19時27分の月齢が「1」、9月19日19時27分の月齢が「2」、・・・と数えることになります。

 一方、ある日の月齢を表すときに、普通は「正午月齢」といって、その日の正午の月齢で代表させます。しかし、月齢を数え始めるのは新月の瞬間からですので、正午における月齢を計算しようとすると、24時間未満の端数が出てきてしまいます。1日を1としてその端数を表現するために、月齢の値に小数をつけるのです。

 先ほどの例で、9月18日の正午月齢がいくつになるのかを計算してみましょう。新月の瞬間である9月17日19時27分から9月18日の正午(12時0分)までは16時間33分が経過しています。24時間を1とすると、16時間33分は

  16時間33分 ÷ 24時間 = 0.689…

と計算されますので、小数第四位以下を四捨五入して、9月18日の正午月齢は0.690ということになります。以降、19日の正午月齢は1.690、20日は2.690・・・と1ずつ増えていきます。



月 齢 呼 び 方 月の形 昇 っ て く る 時 刻 見 え る 方 向
0.0 新月
朔(さく)
日の出と同時 見えない
2〜3 三日月 日の出の2〜3時間後 夕方の西の空
7.8 上弦の月 正午頃 日没頃の南の空
真夜中の西の空
13.8 満月
望(ぼう)
日没頃 日没頃の東の空
真夜中の南の空
明け方の西の空
22.4 下弦の月 真夜中 真夜中過ぎの東の空
明け方の南の空
26〜27 二十七日月
あとの三日月
日の出の2〜3時間前 明け方の東の空