ル ナ 21 号

ルノーホート2号
打ち上げ時期 1973年1月8日
軌道上の重量 4850kg

 ルナ21号のミッションの主な目的は、月面の撮影、月からの天体観測の可能性を探る月周囲の光度の状況調査、地球・月間の距離レーザー距離測定器による地球・月間の距離の測定、太陽の放射するX線の測定、月面物質の組成特性の調査であった。

 ルナ21号は、先ずSL−2/D−1−eロケットに搭載されて地球の待機軌道に打ち上げられた後、月の軌道に入った。1973年1月12日、探査機は周囲90X100kmの軌道に入り、13日と14日の2日間で近地点を上空16kmまで下げた。月を40回周回した後の1月15日、上空16kmで制動ロケットが点火し、自由落下に移った。750m上空でメイン推進機が点火し、上空22mまで降下した。この時点でメイン推進機は停止して二次推進機が点火した。月面から1.5mに達すると二次推進機のエンジンも停止した。着地はル・モニエール・クレーターの東、北緯25.85度東経30.45度の地点であった。この着陸機にはレーニンと旧ソ連の紋章のレリーフが積み込まれていた。

 1月16日、ランダーが着陸すると、月面移動車ルノホート2号が周囲の地表をテレビカメラに収め、ランダーのランプ(傾斜路)から月面に降り、ランダーと着陸地点を撮影した。その後ルナホート2号は18日まで活動を停止して充電して更に撮影を行い月面移動に移った。活動は昼間に時折太陽電池による充電を交えながら行われ、夜間は停止された。その保温は放射能で賄われた。

 ルノホート2号は、約4ヵ月間にわたり、丘陵地や谷間を含めて月面の37kmを走破して、86枚のパノラマ画像と8万枚のテレビ画像を電送してきた。この間に地表の構造調査、レーザーによる距離の測定やその他の調査も終了していた。しかし、ルノホート2号は5月半ばに故障し、6月半ばに至っても回復しなかった。

 ルノホート2号は、高さ1.5m重量840kgで、長さが約1.7m幅1.6mである。車台には、独自に動くサスペンション付きの8個の車輪、モーターおよびブレーキが取り付けられていた。速度は、時速1kmまでと2kmまでの二速に調節できた。搭載機器には、テレビカメラが4基、土壌構造の試験器、太陽X線装置、可視光と紫外線のレベルを測定する天体写真機、磁力計、光検出器、放射計およびコーナー・リフレクターが搭載されていた。ランダーとルノホート2号の重量は、合わせて181.4kgであった。



ルナ・シリーズ