アポロ17号月着陸船
(チャレンジャー)
打ち上げ時期 1972年12月7日
軌道上の重量 16448.00kg

 最後の着陸船チャレンジャーは、ユージン A.サーナン船長とパイロットのハリソン A.シュミットを乗せて、12月11日午後7時54分(UTC)、「静かの海」の南東の縁、北緯20度18分、東経30度77分に着陸した。


月着陸船チャレンジャー

トーラス・リットローの巨石とシュミット宇宙飛行士


 この地点はトーラス山脈とリットロー・クレターに挟まれた暗い物質の堆積地であった。パイロットのシュミットはカリフォルニア工科大学出身の科学者で、ミッションに参加した初めての科学者となった。

 サーナンとシュミットの船外活動時間は22時間4分、LRVにより走行距離は30km、そして採集したサンプルも110.5kgと、いずれもこれまでのミッションの最高記録を達成した。

 12月11日午後11時54分から翌日の午前7時6分(UTC)まで、1回目の船外活動が行われ、観測ステーションの設置とLRVによる探査が行われた。2回目は、12月12日午後11時54分から13日午前7時5分(UTC)まで続けられた。この船外活動では、爆薬を使って月震を起こす実験が行われた。最後の船外活動は、12月13日午後10時25分から14日午前5時40分(UTC)まで行われた。

 船外活動を終えると、 二人の宇宙飛行士はチャレンジャーに取り付けられた記念銘板を披露した。曰く、“Here man completed his first exploration of the Moon, December 1972 A. D. May the spirit of peace in which he came be reflected in the lives of all mankind.”(西暦1972年12月、人類は初の月の探査を終了せり。願わくは、この地に来る礎となりし平和希求の心が、人類全てに反映されんことを)と。

 12月14日午後10時54分(UTC)、75時間の滞在後、最後のクルーは14人の宇宙飛行士が足跡を印した月面を離れ、12月15日午前1時10分(UTC)、ロナルド E.エバンスが待機する指令・機械船アメリカ(重量:30,320kg)に帰還した。



月面を離れるチャレンジャー

 チャレンジャーは投棄され、午前6時5分(UTC)、月面の北緯19度96分、東経30度50分の地点に落下した。かくして、2年5ヵ月にわたる歴史的な有人月探査の幕が下ろされた。



アポロ計画