
月面に国旗を立てるアームストロングとオルドリン
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それから観測ステーション(EASEP)を設置し、写真を撮り、月面のサンプリングを行った。合計21.kgの岩石や土壌が収集された。
観測ステーションは、2枚の太陽電池パネル(昼間のみ作動)、地球へのデータ送信と地球の指令を受信するアンテナと通信機、月震活動や月の地殻および内部の物理特性を測定する受動式月震計、塵の堆積と放射線による太陽電池の損傷度合いを測定する月塵検出器で構成されていた。 |

観測ステーションの設置開始
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この観測ステーションからやや離れた所に、電力を必要としない月レーザー光線反射鏡(LRRR)を設置した。
それから月面歩行に移り、着陸船から約100mほど離れた所までを往復した。歩行距離は合計250mに達した。 |

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この間、月面の土壌と太陽風のサンプルを採取して、1時間41分の月面歩行を終えた。先ず、オルドリンが着陸船に戻り、12分後にアームストロング船長が戻った。(7月21日午前5時11分)この後、二人は7時間を休息と着陸船の点検に充てた。
着陸から21時間36分後の7月21日午後5時54分(UTC)、着陸船イーグルの上昇部は月面を離れ、午後9時34分、周回する指令・機械船コロンビアにドッキングした。この上昇部は、7月22日午前零時1分(UTC)に月の軌道に投棄された。 |

上昇するイーグル
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7月22日午前4時54分、コロンビアは主エンジンに点火して、地球への遷移軌道に乗った。中間軌道修正を終え、7月24日午後4時13分(UTC)、機械船から分離された指令船は地球帰還の途についた。7月24日午後4時50分35秒(UTC)、米国東部夏時間の午後12時50分35秒、コロンビアは、米国海軍の回収船USSホーネットが待機するウエーク島の南南西約500kmの太平洋上に着水した。
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南太平洋上に着水したコロンビア |
アポロ11号のミッションで、月面の光の反射率は平均72%、吸収率は92.8%で、吸収された光は熱に変わり、月面を暖めていることがわかった。また、月面に設置された太陽風・光分光計により、月のガスは水素分子、ヘリウム、ネオンおよびアルゴンで構成されていることも明らかになった。また、LRRRを使った観測は、地球からレーザー光線を発射させてLRRRに当て地球に戻ってくるまでの往復時間で地球と月の間の正確な距離を算出するためのものであった。この観測は1969年から1989年まで続けられた。その結果、月は毎年地球から3.8cmずつ遠ざかっていることがわかった。
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