月経の意義とは月経が授精卵の選別している?

月経が存在する理由としてこれまでに3つの仮説が提唱されています。
第一は衛生説で、月経によって女性の膣や子宮内の衛生状態が保たれるという説。子宮内膜症では、卵巣に古い血液がたまると感染症を起しやすくなるのは事実で、血液に含まれる鉄分がバクテリアに好まれることなどが原因として考えられる。しかし、月経が膣内や子宮内を衛生的に保つという直接的根拠はない。閉経すれば衛生的でなくなるのかと疑問に思う。
第2は効率説で、受精卵の着床に備えるため肥厚した子宮内膜を再吸収するには大きな代謝コストがかかるため、捨ててしまった方が効率的という考え方である。しかし、効率説では、他の多くの生物に月経がないこと説明するのは難しい。
最も有力とされるのは第3の選別説で、遺伝的に不完全な受精卵が着床した場合に、子宮内膜を脱落させ月経を起すことにより選別するという仮説である。つまり、遺伝的に問題のある受精卵を淘汰できる仕組みとして備わったということである。旧世界ザル類の中でもヒトに近い種では、少産であり、出産、子育てのコストが高いため、大きな投資を行った子どもが子孫を残せないような固体であれば、大きな損失になる。こうした損失を避けるために、精子や受精卵の選別を容易にするために月経があると考えられている。

2017年05月26日