九年母の木

抱卵のツバメの番睦まじく
蒸籠の湯気噴き上げて柏餅
慰霊祭愛の詩届けつつじ添う
水溜り天も地もあるかとの国
不揃いの柏餅にも母の味
山間に緞帳のように藤の花
生命の化石の里や若葉風
柏餅羽釜の火たきし祖母想う
過去帳の横に供ゆる柏餅
母の手の温もりありし柏餅
餅見えぬほど広き葉や柏餅
退職の恩師に送る新茶かな
百歳を生きて病室バラの花
柏餅作り終えたる掌の火照り
風吹けば小梅音して降りにけり
濃淡の山々清し老いの会
訪ねたしふんわり牡丹咲きし寺
かとの世もいちびり居るか群れ乱し
母の手の皺思い出す柏餅
薫風やうたた寝している厠にも

第二七九回
 大沢句会
       令和四年九月一日
兼題「鬼灯」「当季雑詠」
 高田?先生句
ほほずきをくるる童女の片ゑくぼ
鬼灯の鳴ること姉に教はりし
土の香や虫の声湧く雨上がり
コスモスの色揺れやまず風やまず
春野道妻に花の名問ひながら
 会員句
テーブルに鬼灯忘れ孫帰る
繰り返す疫と戦争はたたがみ
おもちゃ箱ひっくり返したよな野分跡

悪童は今は亡き人地蔵盆
夏休み課題の日記あと二日
鬼灯の大束抱え友が来た
草の戸や二百十日の小豆飯
鬼灯やふるさとの山恋しかり
頬に受く風に初秋の気配あり
鬼灯を供へ息災感謝する
稲の秋野辺を見守る石仏
三恵子
純 子
弘 枝

三恵子
三恵子
三恵子
純 子
純 子
弘 枝
弘 枝
弘 枝
第二八〇回大沢句会ご案内
大沢地域福祉センター会議室
令和四年十月六日(木)一時三十分
兼題「豆引く」「当季雑詠」