九年母の木

抱卵のツバメの番睦まじく
蒸籠の湯気噴き上げて柏餅
慰霊祭愛の詩届けつつじ添う
水溜り天も地もあるかとの国
不揃いの柏餅にも母の味
山間に緞帳のように藤の花
生命の化石の里や若葉風
柏餅羽釜の火たきし祖母想う
過去帳の横に供ゆる柏餅
母の手の温もりありし柏餅
餅見えぬほど広き葉や柏餅
退職の恩師に送る新茶かな
百歳を生きて病室バラの花
柏餅作り終えたる掌の火照り
風吹けば小梅音して降りにけり
濃淡の山々清し老いの会
訪ねたしふんわり牡丹咲きし寺
かとの世もいちびり居るか群れ乱し
母の手の皺思い出す柏餅
薫風やうたた寝している厠にも

第二七六回
大沢句会
        令和四年六月二日
兼題「梅酒」「合歓の花」「当季雑詠」
 高田?先生句
梅干してこの家昼間誰も居ず
父遠忌父貯へし梅酒かな
近づいて仰ぎて見たる合歓の花
夕暮れに小雨となりし合歓の花
渓谷の闇は濃くなり合歓の花
 会員句
六月や尾瀬の木道歩きこと
合歓咲きて土橋の下で魚を捕る
マラソンを完走した君合歓の花
合歓の花日暮れていよいよ華やかに
蚕豆の粒の数だけ括れあり

三年も父の残せし梅酒かな
けふもまた升席に座す薄衣
もてなしに梅酒を満たす江戸切子
万緑を被ふて在す観世音
背負子に山百合挿して道降りる
幾年も蔵に古りたる梅酒かな
眠られぬ夜の梅酒に酔いにけり
三恵子
三恵子
純 子
弘 枝
弘 枝

三恵子
三恵子
純 子
純 子
純 子
弘 枝
弘 枝
 第二七七回大沢句会ご案内
大沢地域福祉センター会議室
令和四年七月八日(金)一時三十分
兼題「跣足」「鮎」「当季雑詠」