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 平成17年1月4日(火曜日)
正月3が日を終わり今日は早や新年も4日目。今年は息子と娘一家が帰ってきて久しぶりに賑やかな正月だった。娘のところは子供が2人いるので夫婦と総勢4名である。うちの年寄り家族3名とあわせて8名が揃ったことになる。小さな孫二人が加わると俄然家内は賑やかになる。普段が年寄り3人の静かな生活なので余計にそれを感じるのかもしれない。昔子供が小さかった頃は我が家でもこんなに賑やかだったのだろうか。遠い昔のことなのでよく覚えていないが、娘夫婦の生活を見ていて子育てとはエネルギーが必要なものだとつくづく感じた。これも年をとったという証拠か。

 1月10日(月曜日)成人の日
今年の正月は客があったので初詣も行きそびれてしまった。そこで今日遅ればせながら比較的近所にある神社に参詣した。時期が遅いので参詣する人も少ないのではと思っていた。私たちは電車で行ったのだが、この神社は駅から30分ほど歩かなければならない。駅を降りて参詣道を歩くのだが人影はまばらである。あまり人ごみは好きではない方なのでよい按配だと喜んでいた。ところが神社に近づくにつれて参詣者の数が増える。車による参拝者が多いようだ。駅から往復1時間の徒歩による参詣はどうやら敬遠されているようである。神社に着くと結構な人出である。考えてみると、この神社はこの近くでは一願成就の神様として知られた神社である。受験シーズンを控えて受験する子供やその親達で賑わっていたのである。我が家でも子供たちが受験適齢期であった、一昔前まではよく参詣に訪れたものであった。

 1月11日(火曜日)
数日前の新聞に中国で13億人目の赤ちゃんが誕生したと伝えられていた。以前から中国は人口の急激な増加を抑えるため厳格な
「一人っ子政策」が実施されている。このためここしばらくは労働人口の減少による障害は無いものの、徐々に高齢化がすすみ2025年ごろには、高齢化社会がすすむ我が国に似た人口構成となるのでは、と報じられている。中国の国際競争力は豊富で安い労働力に
その源泉がある。将来その労働力にかげりが出ると、国際競争力は大きく影響を受ける。今のところ中国政府は「一人っ子政策」を堅持する模様だが、今後の人口政策は注目に値する。

 1月15日(土曜日)
私は毎朝雨が降らない限り、目が覚めると外に出て体操をする。体操といってもラジオ体操を多少自己流にアレンジしたもので、人様にお見せできるような代物ではない。これを約30分程度かけて行う。加齢によるせいか朝起きると身体が硬くなっていて節々が痛む。この硬直した身体を体操することによって揉み解そうと思ってやっている。気のせいか体操をすると身体の調子も良いようだ。健康の自己管理の一環として退職後これまで(2年強)ずっと続けている。私は働いていた頃から朝目覚めるのは早い。夏は午前5時前後、夜明けの遅いこの頃でも5時半頃には体操を始める。その私の体操を始める頃毎朝野良猫(この頃では自由猫というそうだが)に餌配りをしているお婆さんを見かける。このお婆さんは暑かろうと寒かろうと日曜日でも祭日でも毎日餌配りを続けている。私の体操する場所と少し離れているので声をかけたことはまだ無いが、自転車を押しながらあちこち餌配りをしているようだ。猫たちも良く知っていてお婆さんが来る時間になるとどこからともなく集まってくる。そしてお婆さんの自転車の音がすると、尻尾をまっすぐ立てた甘えた姿勢でお婆さんを迎えに行く。このお婆さんは腰は曲がり白髪頭でどう見ても80歳は超えていると思うのだが、後何年この仕事が続けられることか。厳寒を迎えたこの頃ついそれが気になる。

 1月16日(日曜日)
我が国はバブル崩壊後の不況克服のため、有効といわれているあらゆる経済対策を試みてきた。まず最初は金融政策として金利の矢継ぎ早な引き下げ、それでも効果が薄いと知るとそれに加えて財政政策として国債増発により国、地方をを問わず公共投資の大幅な追加を行った。。通常であればこれだけの対策を講じれば景気は少しは浮揚するはずである。ところがバブル崩壊という未曾有の経済不況はこれぐらいのことでは立ち直れなかった。金利はこれ以上は下げられないという0%近くまで下げ、金利引下げが事実上困難になったので今度は金融の量的緩和で対処しようとした。ところが金融緩和で金融機関の間では資金があふれているのに、金融機関はバブル崩壊後多額の不良債権が発生したため、新たな不良債権発生を恐れて必要なところに資金を回さなくなった。いわゆる金融仲介機能の不全といわれる状況である。一方財政政策も赤字国債の増発に次ぐ増発のため、これ以上の追加発行は将来に重大な禍根を残すところまで追い詰められた。戦後我が国が体験したことも無いこの不況は、その対処方法をめぐって政界、経済界はいうに及ばず経済学の専門家も巻き込んで議論されたが有効な対策が容易に見つからなかった。結局最後に残された方法は金利は0%据え置き、金融の量的緩和の継続、景気対策としての公共投資の縮小、官民の構造改革の実行などとなった。まさに背水の陣の対策である。幸いこの不況の中でも輸出は比較的堅調であったので、これを突破口として企業は過剰といわれた債務返済にあわせ、雇用の大幅なリストラを行って徐々に企業体質を健全なものにしていった。不良債権の多さから金融システムの不安を囁かれた金融機関も金融当局の監督の下、必死に不良債権の縮小に勤め、その達成が困難なものについては国費による穴埋めまでが行われた。こうして民間企業は弱小企業は淘汰され、残った企業は健全な体質に生まれ変わりつつある。民間企業は過剰債務は解消され、人員もリストラで適正になりつつある。後に残ったのは官の構造改革である。過去の景気対策のため国債残高は危機的水準にある。これをいかにして解消するか。財政赤字解消は官のリストラにもかかっている。業務の効率化、小さな政府実現を目指して一層の努力が望まれる。

 1月18日(火曜日)
昨日は阪神淡路大震災発生10周年にあたる節目の日であった。毎年1月17日の記念日には震災で大きな被害を受けた地域を歩いて、その復興状況を見、あわせて被災当時の状況を偲ぶのだが今年はあいにく天候が悪くそれを翌日に延期した。今日は朝から青空がのぞき雨の心配はまずなさそうだ。ここ何年かはJRの鷹取で下車して須磨区から、神戸市内で震災被害のもっとも大きかった長田区を通り中央区の三宮へ向かうコースをたどっていた。今年はコースを少し変更してこれも被害が大きかった灘区の六甲道から三宮を目指して歩いてみた。JRの六甲道から三宮間はもっとも鉄道被害の大きかった地区で、たしかJRで最後まで復旧が遅れた駅が六甲道だったと記憶している。震災当時駅前に12階建てぐらいの高層市営住宅があり、竣工直後に被災しまだ未入居のまま無残な姿をさらしていたのをおぼえている。今日見ると震災当時の面影はほとんど無く街の様子もすっかり変わっていた。震災前この地区は古い木造住宅が密集していたが、今見ると鉄筋コンクリート造りのビルや耐震構造の建物に代わっていた。10年一昔で何も無くても街の様子はかわる。まして町がほとんど破壊されてしまったのだから、元の姿を期待する方が無理なのだ。

 1月25日(火曜日)
今年はスギ花粉の飛散が近年になく多いという。私が花粉症に悩まされるようになってもう20年近くなる。それまでは全くアレルギーの症状が出たことがなかった。最初は単なる風邪だと思っていたのだが風邪にしては症状が長引く。内科医にも通院して薬ももらったのだが一向に良くならない。半年近く内科医に通ったのだが症状が改善しないので、耳鼻咽喉科に替わった。それで診断されたのがアレルギー性鼻炎であった。以後毎年春先になると花粉症に悩まされるようになった。一度花粉症になると症状の軽重の差はあれ完治することはない。体質が花粉症向きに変わってしまうようだ。いまや花粉症は国民病だ。私の身辺にも何人も見かける。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目の痒み、粘液分泌による喘息用症状など花粉症患者はこの時期大変苦しい。何か花粉症の特効薬が発売されたら多少高くても喜んで買うのだが。今後暫くは散歩が憂鬱だ。

 1月28日(金曜日)
今日の新聞に極く小さい扱いながら注目すべき記事が載っていた。日本経団連など経済界のシンクタンクである日本経済調査協議会が、財政破綻を回避するため、今後1,2年でデフレから脱却できなければ預貯金や現金に課税するマイナス金利政策を検討する必要があるとの提言を発表した。
デフレ克服の一時的措置として採用し、現預金から株式や不動産、耐久消費財などへのシフトを促す。金融資産に2%課税すれば30兆円、3%課税すれば45兆円の税収が見込めるという。

上記の記事を見て、まず感じたことは財政破綻の尻拭いを個人資産への新たな課税という徴収する側にとっては安易な方法によって処理してよいものか。その前に厳しく歳出を抑制する手段を講ずべきではないか。官の構造改革はいまだ緒に就いたばかりである。最近でも公務員の実体のない残業とか、民間では考えられない過剰な福利厚生費の支出、不適切な費用の請求など毎日のように市民を不愉快にさせるニュースが報じられている。これら官の支出を厳しくチェックし歳出を抑制すべきである。歳出を極限まで抑制してそれでも財政破綻を免れないというのであれば、増税の検討も止むを得ないと思われるが、安易に取りやすいところから取るという増税策は到底納得できない。次に、我が国の財政が新たな増税の原資が必要なほど逼迫しているのかということ。噂では個人の金融資産が課税対象になるのではという話は聞いたことがあり、現にこれに関する書籍も刊行されている。しかし私はそんなことは単なる噂として信じていなかった。今回権威ある経済界のシンクタンクがこういう提言を行うということは、ひょっとしたら近い将来これが実現する可能性があるということか。ただでさえ個人は今後所得税の増税や社会保険料の負担増に苦しむのに、新たになけなしの預貯金にまで課税されては何を頼りに生きていけばよいのか。

 1月29日(土曜日)
昨日の続き。 シンクタンクの提言には明記されていないが、これは個人の現金、預貯金を対象としたものと推量される。バブル崩壊後
政府部門は景気対策として過去に乱発した赤字国債に苦しみ財政は火の車。企業部門もバブルで抱えた過剰債務で四苦八苦の状態であった。ひとり家計部門だけは1400兆円に上る個人金融資産を抱えて健全であるといわれていた。今回の提言はこの金融資産をターゲットにしたもののようである。しかしこの個人金融資産も今後の状況を考えると決して万全のものではない。高齢化がすすむ我が国では年金の給付は益々削減される可能性があるし、税金や社会保険料の負担も重くなる。景気が回復しても企業は人件費の引き上げには慎重であり、したがって個人の所得も増えない。こんな中で将来の不安に備えて蓄えた預貯金に課税するのは酷である。
今ひとつ問題なのは、預貯金というものは過去に課税された所得の中から個人の努力により蓄積されたものである。これに課税するのは二重課税ではないか。更に言えば、どうしても課税するのであれば企業の預貯金も対象とすべきである。企業は国際競争力の関係から雇用を守るため、これまで増税の話は出ていない。これに課税せよというのは暴論といわれるだろう。しかし景気回復で企業も体力がついてきた。企業だけを聖域扱いにせず痛みはともに味わって欲しい。

 2月2日(水曜日)
今日の新聞に面白いことが書いてあった。我が国では個人金融資産が1400兆円もあるがその中で資産の運用にによって増加したと思われる分はわずか3%に過ぎない、しかし米国ではそれが30%に及ぶ。もしこれを米国並みに運用できれば今後我が国の高齢化がすすんでも生活レベルをあまり下げずに対応していけるのではないか。そのためには資産運用について国民に金融教育を進める必要がある。というような意味のことが書かれていた。我が国はこの10年ほとんど0金利で、預貯金に関する限り運用益と呼ばれるようなものは見込めない水準にあった。しかもバブル崩壊の影響も受けて、金融資産のほとんどが安全思考の預貯金に偏っていた。しかし今年4月から預貯金も、利息のつかない決済性預金を除いてすべてペイオフの対象になる。だから預貯金といえども安全資産ではなくなるわけだ。元本保証がなくて金利が限りなく0に近いのであれば預貯金の魅力はない。今後はリスクを極力回避しながら如何にして高いリターンを得るか、個人の資産運用能力が問われる時代になるだろう。

 2月3日(木曜日)
昨日の続き。 とは言うもののリスクを回避しながら高いリターンを得るのは大変難しい。日銀の資金の量的緩和政策により当座預金は常に30兆円から35兆円の残高を維持しなければならない。金融システム不安が取りざたされた頃は銀行は、これに備えて日銀の当座預金口座に多めの資金を準備していた。しかし不良債権問題が山を越えた現在銀行は、利息のつかない当座預金に多額の残高を置くのを嫌う。最近は日銀が資金供給のため買いオペをしても応札する金融機関が少なくなっている。つまり日銀の助けを借りなくても資金は十分調達できるということである。しかし日銀は政策として残高は維持しなければならず、その対応に苦慮している。現在は日銀が資金供給目標達成を苦慮するほど資金はだぶついている。むしろ過剰流動性といわれるような状態である。そんな中有り余る資金を如何にして有利に運用するか。プロの機関投資家や銀行にとっても頭の痛い問題である。まして素人の個人が効率的に資産を運用するとなると相当な努力が必要だと思われるのだが。

 2月9日(水曜日)
ここしばらく円高の修正が続いている。一時は100円割れ寸前まで円高がすすんだが最近は105円台までドルが買われている。先日米国は昨年6月以来6回目のFF金利引き上げを決め、現在のFF金利は2.25%となった。米連邦準備理事会は流動性の緩和状態が続いているとして、今後も景気をにらみながら慎重に金利引き上げを進めると見られている。一方我が国は量的金融緩和政策により資金は供給過剰状態が続いている。この有り余る資金をリスクを回避しながら如何に有利に運用するか。現在の国内の金利情勢では
安全で高いリターンが期待できる運用先は皆無であろう。そこで我が国よりは高金利が見込める米国での資金運用を目指して、国内機関投資家が出動するのではないか。しかしここで懸念すべきドル安の背景にある双子の赤字については見通しはなんら代わっていない。6000億ドルに達すると見込まれる経常収支の赤字、過剰消費体質の米国ではこの体質を改善しない限り、少々の為替調整だけではこの赤字を削減することは難しいであろう。5000億ドルを超える財政赤字、先日ブッシュ大統領が発表した赤字削減策では不十分ではないかと早くも囁かれている。少々の高金利につられてドル投資をすると過去何度も痛い目にあっている円高ドル安による巨額の為替差損を蒙ることになるのではないだろうか。

 2月12日(土曜日)
暖冬と言われた今年、意外にも最近は寒い日が続く。散歩に出る朝はセーターを着てその上からジャンバーを羽織る。それでも最初のうちは寒いので手には軍手をはめる。20分も歩き続けると次第に温まる。吐く息は白いが寒さを感じなくなり、軍手もはずす。私の住む近くは都市部でもまだ自然が多く残っている。田や畑それに灌漑用の野池が点在する。近くに山は無い。この点在する野池に冬になると野鳥が飛来する。寒い時期周囲に緑は少ないので野池の野鳥を楽しみに散歩する。鳥の名はあまり知らないのだが、良く見かけるのは鴨、カイツブリ、さぎ、ユリカモメ、など。川鵜は少し大きい池に行くと見られる。集団で生活しておりもぐって器用に魚を捕る。図体は大きいのだが警戒心が強く、はるかに人影を見るとすぐ飛び立つ。近くに海もあるので海鵜も良く見かけるがよく似ていて区別がつかない。川鵜と海鵜は同じものではないかと思ったりもしてしまう。これから少しずつ暖かくなると、ヘラブナ釣りの釣り人を見かけるようになる。その釣りを見物するのも楽しみだ。

 2月13日(日曜日)
天気がよければ大体毎日散歩するのだが、毎日同じコースでは面白くないので日によってコースを変える。 それでも半月に1回か一月に1回かは同じコースをたどることになる。 今日は普段あまりたどった事の無いコースを取って見た。 すると驚いたことに以前はホテルがあった所に、ある新興宗教の拝殿が建っていた。 それまではその近くではあったが、あまり目立たない奥まった場所に集会所のようなものが有ったのは知っている。 それが今日見るとよく目立つ幹線道路の角地に、立派な鉄筋コンクリート作りの拝殿が建設されていた。 それ以外に信者の参拝のための駐車場が、目に付いただけでも4,5箇所は設けられている。 それが結構広い。 この周辺でこの宗教団体が確保している宗教施設は相当のものになる。 この宗教団体は本部は千葉県にありここは関西支部だそうだ。
最近の我が国は犯罪が多発し、しかも一昔前までは信じられないような凶暴で残虐な事件が相次いで発生している。 犯罪の犠牲者も社会的弱者である幼い子供とか、判断力の鈍った高齢者を狙ったものが数々見られる。 モラルの低下と言おうか、道徳の退廃と言おうか、とにかく見知らぬ人はむやみに信じてはいけないような世相である。 くわえてこれからの時代は一段と高齢化がすすみ生活の不安も大きい。 このような悩み多き時代に人々は何を頼りに生きてゆけばよいのか。 新興宗教が栄えるのは、世の悩みを宗教にすがることによって少しでも軽減したいという願いが形になって表れたものではないか。 とすれば世の中が乱れれば乱れるほど宗教が栄えることとなるのだが。

 2月15日(火曜日) 
あるIT企業の経営者に毎日2000通近くの迷惑メールが届くと言う。必要なものと不要なものを選別するのに大変労力を要するので結局、重要な用件は電話に切り替えたそうだ。(2/15付N新聞) こんな膨大な数ではないが私のような者のところにも結構迷惑メールは届く。アドレスを公開しているわけでもないのにどこで調べてくるのだろう。特に英語とかアラビア語のメールは全く見当がつかない。
日ごろよくメールを利用する人ほどこの被害が大きいとか。大学とか企業、研究機関などであまりにも迷惑メールが多いと業務に支障をきたす。結局冒頭の例のようにアナログの電話に切り替えるところも出てくるだろう。せっかくインターネットという便利なものがありながら、一部の不心得者のためにその機能が使えないのは大変残念である。

 2月20日(日曜日)
学力低下の問題からとうとう「ゆとり教育」を見直すようだ。そもそも「ゆとり教育」は1970年代校内暴力、不登校、いじめなど教育荒廃問題が発生したためその反省から、その原因が詰め込み教育にあるとして学力だけでなく人間性や、社会性など、心をはぐくむ教育も必要である。そのためには勉強だけでなく“ゆとり”のなかで子供たちに生きる力を育てることも大切である。として“ゆとり教育”が始まった。この理念は理解できる。しかし問題は学校教育の基本である学力向上、充実と言う本来の目標が片隅に追いやられ、いつのころからかもっと“ゆとり”をという“ゆとり教育”が教育の目的のように言われだしたことである。そして“ゆとり”のためには本来教えるべき教育内容を大幅にカットしても当然である、と言う論理が展開されだした。その総仕上げが2002年4月から実施された新学習指導要領である。これまで教えてきた教育内容を3割削減し、完全週休2日制に踏み切った。2002年といえば我が国がデフレ不況のさなかで苦しみもがいていた時期に当たる。国際競争力の観点からすれば学力向上こそ重視されるべきで、教育内容を3割削減するなど信じられない教育行政に、当初から反対論も多かった。また一般常識からしても将来の人口高齢化をにらんで、知財教育は最も重要な課題ではなかったろうか。しかし文部科学省はあへてこれを押し切った。そして3年、学力の低下が事実として証明されるとあわてて方向転換するという。将来の国の行方を左右する学校教育を学習指導要領とかいう、指導方針で一部の教育行政担当者に任せてよいものだろうか。

  2月28日(月曜日)
今日はもう2月の終わり、いつの間にか月日はどんどん流れてゆく。昨年の暮れから読み始めた司馬遼太郎の「坂の上の雲」、文春文庫で8冊の長編であるがようやく読了した。徳川幕府が倒れ明治政府になって以降わずか50年足らずの間に、我が国は他の国が何百年もかかって取り入れた文明、文化を猛烈なスピードで吸収した。長い鎖国の夢から覚めた我が国は、たちまち列強の帝国主義的侵略の脅威に曝される。政治体制を整え、産業を興し、教育を改革し、軍備を充実させる。そのどれも不足の無いように同時に実行する。それが我が国に求められた厳しい課題となっていた。この小説では日清、日露戦争を通じて兄、秋山好古が陸軍、弟、秋山真之が海軍の将官として活躍する。この両兄弟の活躍を描きながら、この明治と言う時代の我が国の置かれた時代的背景や、革命とも呼ばれるべき大変革を成し遂げた偉人たちが次々に登場する。翻って現在の我が国を見ると平成の大不況はようやく収束したしたかに見えるが、まだかっての勢いには程遠い。このまま過去の栄光を引きずった老大国に成り果てるのか、再び活力を取り戻して成長軌道に乗ることが出来るのか。救世の偉人の出現を期待したい。

 3月4日(金曜日)
私は麺類が大好きである。とくに素麺とかうどん。麺類さえあれば3食とも米粒が無くても平気である。さすがにこの季節は寒いので
にゅうめんにするが、少し暖かくなると冷やし素麺にする。素麺だしは自分で作る。市販の素麺だしは甘味料が入っているので苦手である。お湯を沸かして出し昆布をいれ、かつをのだしを取る。そしてその中に少量の日本酒を加へあとは薄口醤油で味付けをする。私はもともと関西風の薄味は嫌いでしっかりした味付けを好む。だから私の作った食べ物(料理とは呼べない)は他人が食べるとほとんどの人が塩辛くてまずいと言う。でも食べるのは自分なのだから自分好みの味付けにする。薬味は定番の生姜、ねぎそれに季節によって茗荷やしその葉、ゆずなどをを加えることもある。今年もそろそろ冷やし素麺の季節が来る。それを考えただけで早くも口につばがたまる。

 3月8日(火曜日)
3月に入ってかえって厳しい寒さが続いたが、今日は朝から気持ちのいい快晴でようやく春の訪れを実感できた。寒くて曇った日は散歩していてももう一つ気分が冴えないが、今日のような良い天気の日は何となく気分も華やいでくる。そのせいか今日は普段より散歩する人が多かった。平日の午前中なので散歩で出会うのはほとんど年配者でそれも夫婦ずれが多い。今後は益々高齢者が増えるので自分の健康は自分で守る、出来るだけ周囲に迷惑をかけたくないと考える人も結構有るのではないだろうか。足腰を鍛えて体力の衰えを防ぐのに散歩は一番適していると思う。ただ困ったことに暖かくなると杉や檜の花粉が飛び出す。テレビの予報によると今日ぐらいから本格的に飛散するとか。花粉に弱い私には一番厄介な季節でもある。幸い今のところ症状は出ていないが今年は近年になく花粉の飛散が多いと聞いているので戦々恐々としている。

 3月11日(金曜日)
小泉首相が国会の答弁で外貨準備の運用について「投資先を分散させることも必要」と発言。これを受けて外国為替市場は1ヶ月ぶりの円高水準まで円が買われた、と報じている。我が国は8400億ドルの外貨準備を有する世界最大の外貨準備保有国。そのほとんどをドルで保有し米国国債で運用している。一方米国は6000億ドルを超える経常収支の赤字国、この赤字を埋めるため外国から資金調達してこなければならない。その最大の資金調達先がわが日本である。もしその日本が外貨準備の一部でも他国通貨で運用するとなるとその影響は相当大きいものと思われる。かって橋本内閣のとき橋本首相が「外貨準備の一部を他通貨で運用したい誘惑にかられる」と発言して外国為替市場に相当なショックを与えたことがある。最近でも韓国が外貨準備の一部を他通貨に切り替えると発表してドル安が進んだ。これまでアジア諸国はドル安が進むと自国の輸出に悪影響があるので自国通貨を売ってドル安を阻止した。しかし最近では米国の膨らむ経常収支の赤字を懸念して為替介入を積極的には行わなくなった。それがアジア通貨高ドル安の原因とも見られている。欧州から米国に向かっていたマネーは欧州に回帰している。今米国を支えているマネーは日本及びアジア諸国が担っていると言われる。我が国は外貨準備をあまりにもドルに傾けすぎた。米国もあまりに一国に債権を与えすぎた。こういう状況は両国に悪影響をもたらす。時機を見ながら徐々にそういう状況を解消する必要があるのではないか。

 3月18日(金曜日)
3月決算の我が国上場会社の純利益が2期続けて史上最高を更新するという。特に今3月期は経常利益に対する純利益の伸びが高いそうである。これまでに今後損失が見込まれる評価損とか引当損を前倒しで特別損失として計上しているので今3月期は特別損失の計上額が減少するためだそうだ。来期以降もこの状態が続くと言う。上場会社の決算の数字を見る限り、平成の不況は克服されたのではという気がする。しかし国の金融政策を見ると非常事態はいささかも軽減されていない。依然として実質ゼロ金利は続いているし、量的金融緩和も継続されている。経済の非常事態下での史上最高益更新という、いささか違和感を覚える状況にある。これまで企業はリストラや債務、資産の圧縮により体力を回復してきた。その間低金利政策による支払利息の軽減によっても大きな恩恵を受けている。一方家計は長年にわたる低金利政策のため、通常であれば得られる利息収入の大半を失なっている。結果として家計の富が企業に移転したこととなる。今後個人の増税、社会保険料の負担増が不可避であるならば、金利政策の修正も必須である。

 3月23日(水曜日)
今年は花粉の飛散が激しいとの予報が出ていたので用心していたのだが、3月15日を過ぎても花粉症の症状が出ないので安心していた。ここ一年ほど前から花粉症の体質改善にはヨーグルトを食べると効果があると聞いて毎日食べているし、中国原産のテン茶も良いと聞いてそのエキスを含んだサプリメントもこの1月から飲んでいる。その体質改善効果が出たのだと喜んでいた。先日彼岸のお墓参りで樹木の多い墓地を訪れた。ところがそれまで何ともなかったのにこの日を境に鼻水、くしゃみ、目の痒みが一挙に押し寄せてきた。
インターネットで花粉情報を検索してみると、当地は3月に入ると連日花粉の飛散が非常に多い状態が続いている。よくこれまで花粉症の症状が出なかったものだ。そうしてみると私の花粉症対策も多少は効果があったということか。しかし今年のように花粉の飛散が非常に多い状態が続くと(許容限度を超えると)症状が顕在化してくるのかもしれない。それ以後この2,3日日課の散歩も自粛している。

 4月3日(日曜日)
今年は桜の開花が昨年より遅いという。当地もようやく今日開花宣言がなされたようだ。見ごろは来週末10日前後とか。そういえば4月10日と桜は我が家にとって忘れられない思い出がある。丁度今から10年前の平成7年4月10日(この年の1月17日阪神淡路大震災が発生した)東京の日本武道館で息子の大学の入学式が行われた。こんな機会は一生に一度有るか無いかということで、一家を挙げてこの入学式に参列することとなった。今はもう寝たきりになった母もこの頃はまだ元気で、死に土産に孫の晴れ姿を見たいということで参加した。前日に上京して息子の狭いワンルームマンションに4人が泊まり、当日は地理不案内のため早めに起きて日本武道館を目指した。途中まごつくこともあったがどうにか定刻には会場に到着できた。すでに会場は新入学生、参列する父兄や来賓で一杯になっていた。入学式は総長の式辞があって滞りなく終了し、私たちも帰途についた。この日は日本武道館周辺も桜が満開で、この桜を背景に新入生の記念写真をとる姿もあちこちで目に付いた。私は特に帰路目にした千鳥が淵の満開の桜が印象に残っている。
あれから10年 唐詩に   年々歳々花相似たり  歳歳年々人同じからず 
という一節があるが、元気だった母も寝たきりになり、私も今は定年退職して老境にさしかかっている。 今年も桜の時期を迎えるが10年後の今日はどう変わっているのだろうか。桜の花を見るとつい感傷的になってしまう。

 4月6日(水曜日)
今週に入ってからウィルスに悩まされている。添付ファイル付きのメールが日に10通以上来る。ウイルス対策用のソフトを入れているので感染の恐れは無いが、毎回「ウイルス添付のメールが来たので処理しました」との表示が出るので憂鬱になる。今回のウイルスは
ワームでNet sky Pというそうだ。ネットで調べて見ると感染力は弱いとのこと。しかし感染はしなくてもこのままウイルスを送り続けられるのは大変迷惑なことである。最近のウイルスは感染すると感染したコンピュータが保有しているメールアドレス宛てに、ウイルス汚染のメールを片っ端から送りつけるそうで、悪意のある本当の発信者を突き止めるのは困難だとか。今しばらくは様子を見るがウイルスメールの送付が止まない場合は対策を考えなければいけない。

 4月13日(水曜日)
ウイルスメールはまだ継続している。あれから色々調べたり、対策を検討したりしているのだがなかなか有効な方法は見つからない。ウイルスチエックソフトメーカーのホームページを見ると、NetSkyPというウイルスは現在大流行の最中ということでHTML NetSkyPとワースト1を争っているようだ。接続するプロバイダーにも対処方法を尋ねたのだが、発信者が同じプロバイダーを使っていない限り対処の方法が無い。それも発信者宛てに警告の通知を届ける程度とか。そんなことでは毎日来る不特定多数のウイルスメールにはとても対応できない。プロバイダーでさへ対応できないものを、知識のほとんど無い個人が対処できるわけが無い。ということで現在無策のまま放置状態である。しかし考えてみるとウイルスメールというものは、ウイルス予防のソフトを入れてないとパソコンの正常な機能を破壊するものでパソコンが壊れた場合、器物損壊という犯罪が充分成立すると思うのだが。ウイルスメールでパソコンを台無しにされた被害者は沢山いると思うのだが、それを犯罪として被害届けを出したという話は聞かないし、ましてそれが検挙されたという話はなをさら聞かない。ネットに関する犯罪は次々に新手が登場する。最近ではフイッシングなどという新しい手口が世界的に流行しているとか。また
インターネットの秘匿性を利用して違法な集団行動を扇動したり、テロ行為を教唆したりと、重大な犯罪行為を助長する道具としてネットを使用するケースも多い。そのほか最近では中国の反日運動の扇動者が我が国の官公庁、とくに防衛庁とか警察庁のホームページをネット攻撃して閲覧できなくする、とかしたとか報じられている。国の治安を担うこれらの官公庁のホームページがいとも簡単にネット犯罪者に占拠されるとは何とも頼りない話である。いざというときにホームページを利用できないでどうするのか。非常のときこそこれらのホームページが必要なのに。今後はインターネットを使った犯罪は増えこそすれ減ることは考えられない。現状はネット犯罪者の後塵を拝するのみで検挙の実績はほとんど無いのではないか。特殊な犯罪なので捜査の困難さは理解できるが、それに甘んじていてはますます犯罪者につけいれられるばかりである。

 4月18日(月曜日)
中国の反日デモが鎮静化しない。今回のデモに限らず先のアジアカップにおけるサッカー試合の混乱、日本人留学生の寸劇に端を発した反日騒動などデモや騒動の参加者はほとんど20台の若者が多いと報じられている。1989年ケ小平氏の後を継いだ江沢民氏は改革解放政策を一段と推進したが、それに伴う貧富の格差、農村部と都市部の格差などが拡大し、共産党幹部の汚職など腐敗も目立ちだした。こうした内政の不平不満のエネルギーを内にとどまらせないため、江沢民氏が実施したのが反日民族教育である。1990年代この教育を受けた世代が今回の騒動の主役をつとめた。そういう意味で今回の騒動は起こるべくして起こったと言える。この間中国政府はかっての我が国の悪い面ばかりを強調した教育を行い、我が国が1979年から行っているODA(政府開発援助)についてはほとんど国民にその事実を知らせていなかった。我が国が中国に対して行ったODAは2003年度までに累計3兆3000億円にも達する。
中国のインターネットで一般消費者を対象にした調査で、日本からODAの供与を受けていることを知らなかった人が60%以上いたとか。中国は共産党の一党独裁による共産主義国家だから国民の人権は著しく抑圧されている。自分の政策遂行上都合の悪いことは国民に伝えないし、伝えさせない。しかし改革開放政策による市場経済化が進むと、いずれ国民は真実を知ることになる。抑圧された人権が回復したとき体制は維持できるのか、注目する必要がある。

 4月19日(火曜日)
今日は久しぶりに散歩がてらに神戸に映画を見に行った。JRの新長田で下車しそこから新開地まで歩く。いま新長田付近は10年前の阪神淡路大震災で空き地となった場所に建設中の建物をよく目にする。長田区は震災被害のもっとも深刻だったところでいまだに人口が震災前に戻っていないという。何も無い空き地が続くところを散歩するのは何となくむなしいが、復興の工事が進んでいるのを見るのはうれしい。目的の映画館までは徒歩で1時間20分程度はかかった。今日は朝から良い天気で少し歩くと汗ばむ。日陰を選んで歩いたのだが映画館についた頃には汗だくであった。この映画館には1ヶ月に1度程度の割合で通っている。洋画が主体だがたまには日本映画も上映する。今日は小津安二郎監督の「晩春」と「お茶漬けの味」を上映していた。どちらも昭和20年代の映画で白黒の画面であったがさすが小津作品だけあって見ごたえが有った。この映画の撮影された昭和24,5年ごろといえば私はまだ小学生の頃であったが、終戦後まだ間もないこととて食べるものも着るものも満足には手に入らず、今では想像もできないほど貧しい暮らしをおくっていたものだ。その頃の風景や生活が写しだされており懐かしさをこめてこの映画を見た。現在は物質的には格段に恵まれている。しかしその頃の人情や素朴さは今は見ることが出来ない。映画館は平日にもかかわらず大勢のお客さんが入っていた。私より年配の人も多く、中には杖をついて、奥さんに手を引かれながら見に来ているお客さんも有ったようだ。皆過ぎ去った遠い昔を懐かしみながら見ているのであろうか。

 4月21日(木曜日)
4月4日から始まった添付ファイル付きのウイルスメールが今日で3日間1通も来ない。多いときは日に30通以上もあって発信者を記録するのが嫌になるほど来たのに、ある日を境に突然1通も来なくなった。これは何なんだろう。突然表れて突然消える。まさに神出鬼没である。正確には4月4日の月曜日から4月18日の月曜日までちょうど2週間、毎日最低でも10通以上のウイルスメールが届いた。
それも発信者は皆知らない者ばかり。なぜ突然こなくなったんだろう。私のほうは対処の方法が無くてただ傍観していただけなのに。1ヶ月を超えてウイルスメールが送り続けられたら,最悪の場合メールアドレスの変更も考えていた。一定の期間大量のウイルスメールを送りつける,そしてそれを突然やめる。そこに何か不気味な作為があるような気がするのだが。

 4月25日(月曜日)
わが兵庫県で空前の大列車事故が発生した。JR西日本発足後信楽高原鉄道事故をしのぎ、死者69名負傷者440余名で、なを増加する可能性があるという。JR福知山線は沿線に伊丹市、宝塚市、川西市、三田市などの住宅地を抱え朝夕のラッシュアワーは相当な混雑が認められる。事故の発生した午前9時20分前後はまだ朝の通勤時間帯で、つり革につかまる客も多く相当混雑していた模様。
ゴールデンウイークを目前に控えて楽しい夢を描いていた人も多かったはず。それがこの大事故で環境が一変した。予期せぬ事故で亡くなった方には心からお悔やみを申し上げたい。また多数の負傷した方々にもお見舞い申し上げます。今回の事故はまだ原因がはっきりしないが、現在伝えられている範囲では運転士が直前のトラブルでの遅れを取り戻そうとして速度を上げすぎたのでは、と報じられている。最近の列車の運行状況は、少しでも他社より早くというスピード優先主義で安全管理がお座なりになっているのではないかと思われる。列車を利用する客も少しでも早く目的地に到着したいとして、このスピード優先主義を容認していた可能性がある。今回の事故をきっかけに今後は安全優先主義を徹底して欲しいものだ。これは鉄道事業者、乗客双方に言えることである。

 4月29日(金曜日)みどりの日
今年も「石ふしぎ大発見展」がやってきた。毎年4月の終わりから5月の初めにかけてゴールデンウィークの3日間大阪で開催されている。
今年は第11回目を迎えた。関西の鉱物収集ファンや宝石マニア、化石に興味のある人などは毎年この日を待ち望んでいる。最近では一部のマニアだけでなく若い女性軍にも人気が有り、綺麗な宝石や貴石が比較的手軽な値段で入手できるのが受けている。10時開場予定なので9時半頃現地についたのだが写真でご覧の通りすでに長蛇の列。主催者がカウントを取っていたが400名を越えたと言っていた。













この写真は会場正面入り口付近、すでにお客さんであふれている。このブースはこの業界では有名な堀先生のお店。私もシプリンとかコスモクロアなど探していたので尋ねてみたが、あいにくこちらには携行していないとのこと。やはりこんなショーでも望みどおりのものが必ず手に入るとは限らない。














このお店は主に宝石のルースを扱っている。鉱物標本も時々扱うので私も世話になったことがある。若い女性層に人気がある。














このお店は化石類を展示している。化石は一般的に大きな標本が多い。個人で収集する場合保管の場所が問題。重量も気になる。そんな関係で若い人より年配者にファンが多い気がする。














今回のショーで比較的掘り出し物が多かったお店。(ただし私の主観的判断である)。珍しいピンクフローライトも思いのほかお手ごろ価格。ここでは何点かお世話になった。今回のショーでは140近くのブースがあったが,同じものでもお店によって随分価格に幅がある。だから目的物が見つかったからといってすぐ購入するのは考え物。ところが失敗談もある。今日あるお店で素晴らしい硫黄の結晶を見つけた。値段はそんなに高くなかったのだが、まだ他のお店の標本も見てからということで買わなかった。しばらくしてやはり気になるのでそのお店によって見たがすでに売り切れていた。逃げた魚は大きい。









こうして今年の私の大阪ショーは終わった。まだあと2日開催期間があるが今日一日広い会場をうろつきまわって疲れた。明日はとても来れそうも無い。それに軍資金も枯渇した。次の機会は秋の京都ショーである。

 5月2日(月曜日)
4月29日「石ふしぎ展」から帰って上記の展覧会レポートをまとめ、その日のうちにネットに公開した。翌日、入手した標本をデジカメに撮ってサイトの更新の準備をすべく、パソコンを起動したがネットに接続できない。パソコンの他の機能は正常なのでパソコンの故障ではない。最初はてっきりインターネットの通信障害だと思っていた。ゴールデンウイーク中はインターネットの利用者も増えるので後で接続しなおせばよいと考えていた。ところが何回接続してもつながらない。プロバイダーに電話で大規模通信障害情報を聞いたが該当が無かった。私はパソコンはほとんど初心者でこうなると原因が何か見当がつかない。翌日電話でプロバイダーに状況を説明して指示を仰いだ。さすがに担当者はプロでこちらの説明を聞いただけで原因はブロードバンドルーターにあると判断した。そこでルーターの配線をはずして直接光ケーブルの端末とパソコンを結びインターネットの設定をやりなおした。ここに書くと簡単なようだが私は初心者、担当者の電話による指示の内容が良く理解できない。配線をはずしたり、つなぎ直したり、パソコンの設定を変更したりと分からないことばかりである。とにかく右往左往しながら、これだけのことをするのに約1時間かかった。指示する人も私のような知識の無いものに説明するのは大変である。今回のことで自分のパソコンの知識の無さを痛感した。

 5月10日(火曜日)
上の話にはまだ続きがある。今日他の用事があってプロバイダーのホームページを見た。すると私の使っていたルーター他もう1機種のルーターでインターネットの接続障害が発生しました。申し訳ありませんでした。現在は復旧しております、と掲載されている。日付を見ると5月6日となっている。私のパソコンで障害が発生したのは4月30日。それ以後何件も接続障害の問い合わせがあったに違いない。私の障害に対する問い合わせに対し、担当者は初めからルーターの故障を疑い、ルーターを飛ばして光回線の端末から直接パソコンに接続するよう指示した。結果から見るとルーターの故障ではなかった。送り出しの側、つまりプロバイダーに原因があったのだ。それを知らない私は、てっきりルーターが壊れたのだと思って新しいルーターに買い換えた。以前のルーターのユーテリティーもパソコンから削除した。それに加えて、ルーターの設定が初心者の私には難しいので設定の作業は業者に依頼した。今頃になって、ご迷惑をお掛けしました。申し訳ありません。現在は復旧しております、と言われても困るのだが。利用者の経済的負担にどう対処するのか。

 5月12日(木曜日)
今日ブロードバンドルータの接続のため依頼していた業者がきた。ルータに付属していたマニュアルにしたがって、私が散々苦労した接続をわずか20分ほどで完了した。私はそばで見ていたが何をしているのかほとんど分からなかった。さすがにプロである。マニュアルなんか全然見ない。それどころかマニュアルではインストールしなければならないCDのユーティリティも省略してしまった。これで上手くゆくのだろうかと心配したのだが杞憂だった。それにしてもマニュアルとは何だろう。私は忠実にマニュアル通りに実行したのに(それも何回も繰り返したのに)結果的にインターネットに接続できなかった。忠実に実行しても結果の出ないマニュアルなんて用を成してないではないか。業者に話を聞くとマニュアル通りにならないことがしばしばあるという。ルータの設定ではマニュアルはほとんど役に立たないということか。パソコンで相当の応用知識が無い限りルータを買うと,設定は有料の専門家に任せることになる。とりあえずパソコン1台だけ設定を完了した。残り1台は役にも立たないマニュアルを見ながら設定に挑戦することにする。

 5月13日(金曜日)
残り1台のパソコンのルータ設定に挑戦するが、案の定マニュアル通りにやっても設定できない。知識の乏しい私なりにあちこち触りまくったのだがどうにもならない。これ以上いじりすぎると他の設定も変わってしまって、パソコンに支障をきたすのではと思って諦めた。
自分で出来ないのであればメーカーの電話による有料サポートに頼るしかない。メーカーの無料サポートはいつも立て込んでいて1回で電話がつながることはまず無い。今回も駄目だろうと思いながら電話した。ところが1回でつながった。平日の午前中ということと、有料ということが幸いしたのかもしれない。それに運も良かったのだろう。料金はカード決済で1件2,100円という。担当者の指示に従ってパソコンの操作をする。マニュアルとは全く違う方法である。パソコン操作に慣れない私は戸惑いながらも何とか担当者の指示通りに動くことが出来た。時間にして20分足らずだったと思う。みごとインターネットに接続できた。それにしてもマニュアルは全く役に立たない。
サポートの担当者も全然違う操作を指示する。有料のサポートを受けさせるため、マニュアルには故意に出鱈目を書いているのではと疑いたくなる。これでどうにか1件落着である。しかし今回の件の発端はプロバイダーの通信障害にある。インターネットに接続できなくなった私はてっきりルータの故障だと思って新しいルータを買い換えた。ルータの設定に関し有料の訪問サポートと、有料の電話サポートを受けた。その費用はすべてインターネット利用者である私が負担した。通信障害が発生したのは4月30日である。私はこの件を5月2日にプロバイダーに問い合わせた。担当者はルータを飛ばして回線端末から直接パソコンに接続するよう指示した。あとでプロバイダーのホームページを見ると5月6日付けでルータ2機種の通信障害発生が掲載されていた。5月2日に問い合わせた時点でこちらのメールアドレスも伝達してあるのだから、プロバイダーに誠意があれば通信障害の恐れがある旨連絡して欲しかった。そうすれば新しいルータを買う必要も無かったし、設定のため余計な費用も負担せず済んだ。原因はルータではなく送り出しの側、つまりプロバイダーにあった。その復旧費用をすべて利用者が負担するのはどうも納得がゆかない気持ちである。

 5月21日(土曜日)
日銀は金融の量的緩和を目指して、当座預金残高を常時30兆円から35兆円の枠内に納まるよう資金供給を続けている。ところが最近日銀が残高維持のため資金供給しようとしても金融機関は応札を辞退することが増えてきた。いわゆる札割れである。金融システムに不安があるときは、いざとゆうときのために金融機関は多めに日銀の当座預金口座に残高を置く。ところが最近は不良債権問題が山を越えて、金融システムの不安が遠のいた。このため金利のつかない当座預金に多額の残高を置くことを嫌う。札割れの多発する背景にはこういう事情がある。資金供給側の日銀がいくら資金供給の意思があっても、受け手の金融機関にその意欲が無ければ残高維持は難しい場合がある。それに備えて日銀は昨日(5月20日)金融政策決定会合で、一時的に当座預金残高の下限割れ容認を決定した。しかしこれは一時的、応急的なものであって決して金融の量的緩和政策を転換するものではないし、当座預金残高の枠を縮小させるものでもないということである。日銀が当座預金残高の枠にこだわるのは、これを縮小させると金融市場は金融引き締めへの政策転換と受け止め金利が上昇する。先に日銀はデフレが明確に収束したと確認できるまで金融の量的緩和政策は維持すると約束している。ここで金融市場が過敏に反応して金利が上昇すると、デフレの解消が益々遠のくのでそれを恐れてのことである。

 5月26日(木曜日)
米国は今月上旬原油価格の高騰など原材料価格の上昇から、インフレを警戒して昨年6月より8回目の政策金利引き上げを行った。
一方我が国は金利引き上げどころか、金融の量的緩和の縮小さへままならない。しかし大企業の一部には過剰債務の返済、過剰人件費の削減などリストラを完了し、企業体質を強化して前3月期の決算では史上最高益を更新したところも珍しくない。とくに資源関連の鉄鋼や、中国の輸出入拡大によリ恩恵を受ける海運はほとんだが最高益を更新している。ただこうした企業の利益が個人の所得にはまだほとんど反映されていない。このまま企業の利益が回復を続けると個人の所得にもやがて影響を及ぼす。個人の所得が増えると消費が回復する。縮小されつつあるとはいえ現在も続いているデフレ傾向は消費の拡大によって解消される。このデフレ傾向の解消が確認されるまで、我が国は金融の量的緩和を解除できない。換言すれば預金金利の上昇も期待できないということになる。

 6月6日(月曜日)
最近の経済紙を見ると元の切り上げがいよいよ差迫った印象を受ける。米国は最大の貿易赤字相手国中国に対し、これまで幾度となくドルに事実上固定した元の為替レートを実勢に合わせた相場に移行させるよう要求してきた。しかし中国は将来は相場を見直す可能性を示唆しながらその時期を明示しない。かえって外国からの切り上げ圧力がある時期には切り上げを実行しない。中国が独自の判断で適切な時期に切り上げを行う、と最近では開き直りとも取れる発言を行っている。これに対し米国は一向に改善しないどころか増え続ける貿易赤字に痺れを切らし、上下院を問わず制裁を含めた力による政策により為替問題の解決を図る意図が見られる。かって我が国が大幅な貿易赤字を理由に、不公正貿易国として制裁を含む厳しい措置により大幅な円の切り上げに追い込まれた状況と似てきた。現在の中国は元切り上げを予測して、国外から大量の投機資金が流入し外貨準備が急増している。中国政府はこれら投機資金を放置すれば、元が高騰して為替相場が維持できなくなるので元を売ってドルを買っている。この売った元が市場に還流し過剰流動性を助長している。最近の不動産価格の高騰はこの過剰流動性がもたらしたバブルとの見方も有る。元の大幅な切り上げは中国にとって競争力の減退につながるが、現在の相場を維持するのも過剰流動性の面からバブルを招くとともにインフレの可能性も排除できない。
いずれにしても元は早い時期に切り上げが予想される。

 6月8日(水曜日)
財務省が7日実施した割引短期国債6ヶ月物の入札で、平均落札金利が初めて0%となったと報じられており、入札応募倍率も
1081.3倍と過去最高だったという。落札金利が0%ということは今後6ヶ月間収益なしで資金を運用することを意味する。それでもかまわないから運用を希望するという応募者の倍率が1000倍を越えるという。信じられない金余り現象である。入札の応募対象者は銀行や証券会社など金融機関である。資金を運用して収益をあげるべき金融機関が6ヶ月間ただで資金を運用するという。金融機関には如何に資金がだぶついているか、またたとえわずかでも収益のあげられる安全確実な資金の運用先が少ないかを如実に示しているようである。これに関連して銀行の貸出金利の低下も伝えられている。今年2月には1.32%と過去最低水準に低下した後、現在でも
1.4%台と低調だという。銀行は不良債権の処理には目途をつけたが、資金需要が低調なため今度は効率的な資金運用に四苦八苦しているようである。これも日銀の量的金融緩和政策の結果なのであろうか。

 6月13日(月曜日)
我が国の低金利はまだまだ当分は解消されそうに無い。ここ10年以上我が国は不況回復のため低金利政策を採り続けてきた。このため景気回復が徐々に浸透し、上場企業の一部には史上最高益を更新する所が目立ち始めた。しかし不況の元凶であるデフレの解消には至っていない。目下のところ我が国の金融政策はゼロ金利、金融の量的緩和の維持という非常事態をいまだに継続し、その解消の目途も立っていない。金融政策変更の順序としては量的緩和枠の段階的な縮小、それが完了した後に初めて金利の引き上げが論じられることとなろう。このまま景気が順調に回復し、それが中小企業にまで及べばやがてはその果実が従業員の所得にも反映されることになる。従業員の所得が増えると消費も増加し、それがデフレ解消につながる。我が国の大手金融機関は不良債権処理にほぼ目途をつけ、金融システム不安も遠のいたところから、新たにリスクを取って資金を運用する余裕も出てきたようだ。日銀の量的金融緩和政策により市場には余裕資金がだぶついている。これまで企業は資金に余裕が出来ると債務の返済に回してきた。設備投資もキャッシュフローの範囲内にとどめてきた。最近では景気の回復に伴い能力増強のための設備投資も出てきたようであるが、それはまだ少数に留まっている。したがって企業の資金需要はまだ弱い。資金需要が弱いのに資金がダブついている。この金は一体どこへ行くのだろう。一部ではそれが不動産投資に回っているという話もある。また長引く国内の低金利に痺れを切らした資金が海外の高金利国に流出しているという話も聞く。いずれにしても資金需要が低迷する中での過剰流動性は、我が国経済にどのような影響をもたらすか注目する必要がある。

 6月18日(土曜日)
今年は梅雨に入ってもなかなか雨が降らない。昨日久しぶりに雨が降ったが今日は朝から良い天気である。おかげで当地の農家は田植えが出来ないとやきもきしているようだ。こちらでは灌漑用のため池があちこちにあるがどこも随分水量が減っている。この分では梅雨が明けると水不足に悩まされそうだ。私は雨が降ると散歩は取りやめるがそれ以外は午前中毎日散歩を続けている。今年は梅雨の時期でも毎日散歩である。それについて気になるのが紫外線である。暑いので散歩の際は半そでのシャツしか着用していないが、露出している腕の陽の焼け具合が最近気になりだした。黒く陽に焼けるのは仕方が無いのだが、皮膚の老化というか劣化がひどい。皮膚の表面が触るとざらざらで弾力性や滑らかさが感じられない。小じわも目立つ。風呂上りにふだん長ズボンで保護された足の皮膚と比べてみるとその差は歴然としている。加齢による老化現象として片付けるにはあまりにも差が有りすぎる。若い頃無防備に陽に焼きすぎた影響が今出てきているのだろうか。それにしても過度の紫外線は人体によくないことを実感できる。そこで、本当に遅ればせながら紫外線防護の保護クリームが有ることを知った。もっと早くから知っていれば皮膚の劣化も少しは防げたのに。自分の健康が気になりだすのは年を取った証拠なのか。

 6月23日(木曜日)
散歩に出る前に紫外線防護のための保護クリームを腕に塗っている。今日で続けて4日になるが確かに紫外線防護には一定の効果はあるようだ。しかし皮膚にブツブツが出来て痒い。どうもかぶれるようだ。説明書を読むと痒みを感じたら使用を中止してください、とある。これではこのクリームは使えない。折角良いものを見つけたと喜んだのにヌカ喜びだった。また明日からは日陰を選んで散歩を続けなければならない。日陰が続いて散歩が出来る場所、付近にそんな場所があるだろうか。(新幹線の側道はこれに合致するがそれ以外にももう1箇所ぐらいは候補地を見つけなければならない)

 6月30日(木曜日)
最近また円安ドル高が進んでいる。米国は先月初め政策金利を引き上げた。その後一時景気の停滞懸念から金利の引き上げはこれで打ち止めか、との観測もあったが原油価格が60ドルを超えて史上最高値を更新する中、住宅価格の高騰が収まらない。米連邦準備理事会は住宅バブルの崩壊を懸念して今後も金利の引き上げを継続するとの見方が出ている。米国の消費者は住宅の資産価値の上昇分を先取りして消費に回している。もしバブルが崩壊して住宅価格が下落に転じれば米国景気にかなりのダメージを与える。そうならない為に連邦準備理事会は今後も金融引き締めを継続するという理屈である。現在のドル高は円だけでなく景気の低迷が続くユーロに対しても、今後利下げの懸念があるとして高くなっている。つまり現在は高金利に焦点が当たったドル高といえる。


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