太閤ざくら（薬樹院）

参道　恵光院

とても小さな花びらが

密集して垂れ下がる

坂本律院のさくらと、

濃いピンクの花びらが

氷菓子のように、

透けて砕け散るかのような

光の中の枝垂桜と。

(さくらの馬場）

滋賀院表門左

滋賀院門跡右

坂本の春は桜と椿に始まる

世界文化遺産の比叡山延暦寺への表参道を少し入と

、それでもこのあたりはひっそりと静まってひそかに

春を告げている。

クライマックスは日吉大社の祭り。

延暦十年、桓武天皇によって大比叡、小比叡二基の

神輿がつくられたことが始まりと言われている。

１２日夜には八王子山から二基のみこしが山を下り、

１３日には愛らしい稚児の花渡り、

その夜には神輿振りが行われ

また本祭りの１４日には、

七基の神輿の湖上渡御式が行われる。

宵山の12日夜、ワッショイわっしょいと言う息子ら

若者たちのひとつになった雄たけびは、

あたりの空気を震わせ、家の窓から

耳を済ませて聞く私の胸にも

言いようのない感動と寂しさを、

生暖かい空気とともに届けてきた。　

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