トップに戻る        次(2)へ



大津市  山本毅也  

 2009年5月8日から15日にかけてウズベキスタンのシルクロードツアーに参加した。初めてのシルクロードは2002年8月、中国ウイグル自治区の州都ウルムチから天池、トルファン、敦煌、西安を廻った。これで病みつきになり、中国のさらに奥地に行ってみたくなり、3年後の2005年8月に最西端の都市カシュガルからタクラマカン砂漠と崑崙山脈に挟まれた西域南道をバスで走り、ホータンを経由してタクラマカン砂漠縦断道路を北上しクチャに抜けた。
その後シルクロードへの郷愁はさらに高まり、4年後の今年西安からローマに通ずるシルクロードのほぼ中間に位置し、かってソグド人らが築き興隆を極めた青の都サマルカンドがある中央アジアのウズベキスタンを訪れた。

ウズベキスタン及び周辺地図

 1991年に旧ソビエト連邦から独立したウズベキスタン共和国は人口2700万で、約80%がウズベク人。面積は日本の約1.2倍。シルダリア川とアムダリア川に挟まれた中央アジアの中心部分をなす流域、かってソグディアナ(ソグド人の土地)と呼ばれた部分がウズベキスタンの主要地域である。国土の大半がキジルクム砂漠に覆われているが、東部には天山山脈の枝脈が迫り、緑豊かなフェルガナ盆地がある。金やウラン等の鉱物資源や天然ガスに恵まれている。



■初日:5月8日 関空からウズベキスタン航空にて首都タシケントへ(泊)

 関空を13時に出発した飛行機は17時40分首都タシケントについた(時差4時間)。ウズベキスタン東部にあるタシケントはシルダリア川流域の交易都市として11世紀頃から栄えた。

機上からパミール高原を望む



■2日目:5月9日 タシケントから国内航空でウルゲンチへ、午後ヒヴァ見学(泊)

 翌朝7時の国内線で西750kmのアムダリア川沿いのウルゲンチに飛んだ(8時40分着)。そこから南東35kmのトルクメニスタン国境沿いにある世界文化遺産ヒヴァに到着した。ヒヴァの起源はアムダリア川の肥沃なデルタ地帯として紀元前からであるが、10〜16世紀にホレズム帝国の都、旧ウルゲンチ(今のトルクメニスタンのクフナ・ウルゲンチ)からアムダリア川の水系が変わったためにヒヴァに首都が移された。その後17世紀にかけてホレズム随一のイスラームの聖都となり、町は外敵の侵入を防ぐために外壁と内壁の二重の城壁で守った。内側の城壁で囲まれた内城イチャン・カラ(東西450mx南北650m)には各20箇所のモスク・メドレッセ(神学校)、6基のミナレット(塔)等多くの遺跡が現存し、1990年世界遺産に登録された。

以下、サンプル画像クリックで拡大画像が別枠で開きます。

イチャン・カラ(内城)の西門から直ぐ右側に未完成のカルタ・ミナル(短い塔)とムハンマド・アミン・ハーン・メドレッセ(中央アジアで最大の神学校、現在はホテルに利用)が建つ  原色の民族柄を着たウズベク美人
イチャン・カラ全景を望む
カササギが城壁の上を飛ぶ。
非常に多い



■3日目:5月10日 ヒヴァからトブラク・カラ、キジルクム砂漠経由ブハラへ(泊)

 アムダリア川一帯には紀元前1〜5世紀古代ホレズム文化が栄え、1000以上の都城が点在した。そのうちの一つヒヴァの北方80kmの都城トプラク・カラを訪れた。ここはシャー・ウシュ王朝が築いたものとされ500mX350mの長方形のレンガの城壁が残っている。
崩れた干しレンガに巣くう無数の家スズメ(House Sparrow)が見られたが日本で普通に見られるスズメ(Tree Sparrow)とは別種である。又離れた城壁に止まる青緑色のきれいな野鳥をかろうじてカメラに収めた。一方その後空に飛ぶ下面がオレンジ色の鳥を撮ったが、その時点ではこのふたつの鳥が同一種のルリホオハチクイ(Blue-cheeked Bee-eater)とは予想だにしなかった。帰国後「鳥遍路写真館」の谷英雄氏に問い合わせて初めて分かった。
午後450kmのキジルクム砂漠(赤い砂漠)を縦断して夜8時にブハラについた。
以前アンコールワットでも遺跡に巣くう多数のインドハッカ(Common Myna)を見たが、砂漠のあちこちでこの鳥が目についた。インドハッカは名前が示す通り、原産地はインドであるが、その後アジア各地に広がった。しかし日本には到達していない。

トプラク・カラの全景 崩れた城壁に無数の
イエスズメ
(House Sparrow)の巣
イエスズメ
拡大写真
ルリホオハチクイ
(Blue-cheeked Bee-eater)、
全長30cm
ルリホオハチクイ
飛翔写真、
裏羽根の橙色が印象的
インドハッカ(Common Myna)も
至る所で見かける
インドハッカ
拡大写真
キジルクム砂漠に虹がかかる



 トップに戻る        次(2)へ