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太陽と月
太陽の大きさは月の400倍もありますが、地球からの距離が月の400倍の距離にあたるために、双方の視直径は殆ど同じになります。
月と太陽が重なる皆既日食が見られるのは、偶然を越えた奇跡と言えます。


朧月(おぼろづき)
ほのかに霞んで光の薄い月を指しますが、本来は春を意味する言葉です
他の季節では薄月などと呼びます。


月までの距離
月までの距離を歩いてゆくと約11年かかります。
自転車でおよそ3年、新幹線で走り続けても約80日。
音速のジェット機でも約13日、光の速度でも1.3秒も掛かってしまいます。


毎日眺める月や太陽も星空の中で動いていますが、月の見掛けの速度は太陽に比べて、およそ13倍も早く29日半の周期で太陽を追い越し、また追いついてきます。
月が太陽に追いついて同じ方向に見えるときを、朔(さく)といいます。
旧暦の1日(ついたち)で、新しい月の始まりという意味から新月と呼ばれます。
朔の時には、月は太陽と同じ方向にあるため、太陽と共に昇り日中一杯空にあり、太陽と共に沈みます。
天文学では月と太陽の黄経の差が0度になった時を朔と定義します。


後の月
旧暦の8月15日の月を中秋の名月と言いお月見をしますが、旧暦の9月13日にもお月見をする習慣があり、これを後の月(のちの月)と言います。
このお月見には栗や枝豆を供えることから、栗(くり)名月や豆(まめ)名月とも呼ばれます。
十三夜の月祭りは元来日本固有の風習(秋の収穫祭の一つとして)と考えられいて、十五夜のように中国から伝来したものではないと言われています。


月出没
毎日の月の出や没の時刻は平均で約50分ずつ遅れて行きます。
ところが、月の出や没の時刻を線でつなぎグラフを描いて行くと一定の曲線では無い事が分かります。
曲線がなだらかなときは、毎日の月の出や没があまり変わらないと言うことになります。
それは月が楕円軌道を回っており公転速度が一定ではないために、毎日の月の出や没の時刻は一様に変化して行かないと言うのが主な原因です。


皆既月食
満月のときに太陽、地球、月が一直線に並んだとき、地球の影は太陽とは反対側に伸びています。
その中を月が通過すると、月は地球の影に潜入します。これを「月食」と言います。
月が完全に地球の影の中に潜入するのが皆既月食で、このとき月は赤褐色になります。
月が完全に見えなくならないのは、地球の大気の層で拡散された太陽の光が月面を照らすためです。
いわば地球の夕焼けが月に映っていると考えれば分かりやすいでしょう。
月食はその時刻に月が見えるところなら世界中何処にいても見ることができます。


月の距離
月の平均距離は384,418kmで、地球の赤道部の半径(6,378.160km)の60.2710倍、太陽の平均距離の0.0025697倍にあたります。
しかし公転軌道は楕円形で、その離心率は0.0549もあるので月の距離には最遠と最近とができます。
毎月の最遠距離はそれほど違いませんが、最近距離は大きく変化しています。


旧暦
太陽太陰暦の事を総称して旧暦と呼びます。
太陰暦では朔(新月)の日を毎月1日とします。
暦上の1か月は、朔の日から次の朔の前日までで、その長さは朔望月に等しく平均29.53日ですので、29日の暦月を小の月、30日の暦月を大の月と呼びました。
太陰暦に於ける1年は平均354.3671日となり1太陽年の365.2422日より11日不足しましたので、3年に1度程度の割合で13暦月とした閏年を設けていました。
現在の閏年は4年に1日に対し太陰暦では3年に30日と大変大きく、暦が季節からずれるのを防ぐため二十四節期を加えるようになりました。


輝面比
太陽光によって輝いて見える部分の全表面に対する比で、月面上の明暗境界線の両端を結ぶ直線に垂直で、月の直径に対する明るい部分の長さの比でもあります。
位相角をi、輝面比をkとすると以下の式で求められます。
k=1−((1+Cos i)/2)


位相角
通常2天体の相対位置の関係をあらわす角度のことを言います。
当サイトでは特に月と太陽、月と地球とを結ぶ直線がなす角を言います。
また惑星と太陽、惑星と地球とを結ぶ線がなす角を言うこともあります。


月の形
月は丸い形(球形)をしていると言われますが、実際には球形ではありません。
ラグビーボールのような楕円形でもありません。
楕円形に近い複雑な形をしています。
地球に向いている面は楕円に近く、側面から見ると楕円の一方は尖り、一方は丸みを帯びています。
最も分かりやすく捉えるには卵形と言うと理解しやすいでしょう。
月の裏側は楕円が尖り、表面側は丸みを帯びた楕円が出っ張っています。
これは地球による引力と公転による遠心力により変形したものと考えられています。


位相角
通常2天体の相対位置の関係をあらわす角度のことを言います。
当サイトでは特に月と太陽、月と地球とを結ぶ直線がなす角を言います。
また惑星と太陽、惑星と地球とを結ぶ線がなす角を言うこともあります。