わ ら 畳 床歴史 品質

  わら畳床
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歴 史

古くは古事記や日本書紀に畳の記述がすでにあって、 その頃は、わら又はいぐさの様なもので編んだ筵(むしろ)か茣蓙(ござ)のようなもの らしく、畳床といぐさ表を組み合わせたのは奈良時代か平安時代といわれています。

はじめは神社仏閣などの敷物として使われていたようで、後に公家、武家屋敷と広がって行き、一般 庶民の家に畳が用いられるようになったのは江戸時代に入ってからといわれている。


左側に組んだ藁を、機械で締め付けながら縫っていく。
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わら畳床の縫いつけは、現在すべて機械に依っています。
昔は、わらを5〜6寸の厚みに畳一畳分の大きさに組み、 それを細かく縫いつけ、一寸6分程度になるまで何回かに分けて締め付けていました。

わら床に関しては、二十数年来、稲作の機械化が徐々に進み、稲刈りの折りに稲藁を細かく切り刻んで しまうため、主原料であるワラそのものが少なくなってきて生産に支障をきたしています。

畳床業界では、間に発砲スチロールを挟んだわらサンド畳床の開発などで、ワラの使用を少なくして ワラ不足を凌いできました。

わら畳床(以下わら床)の製造が追っつかなくなりかけた住宅ブームの頃、韓国、台湾などから わら床が入って来るようになりました。輸入物は値段も安く、主材料のわらは多く使ってあり、 少々荒っぽいが丈夫であった。

そして、国内産わら床の生産は徐々に減少して行き、また、輸入畳床も住宅ブームの下火とともに減少してきました。
そこへ、軽くて扱いやすい、全くわらを使用しない建材畳床 の出現により、わら床は多大な影響を受け、需要は坂道を転げるように減っていき、 国内産はまだしも、輸入わら床は全くと言っていいほど姿を消してしまいました。

現在、国内産わら床は、原材料のワラがますます減少していく中、かろうじて生産しています。 もっとも需要と供給のバランスはうまく(?)保たれているようですが。

品 質

わら床の品質は、前年に収穫された稲わらの質によってかなり左右されます。
 秋に刈り取られた稲は一度稲木掛けにして天日に干し、脱穀した後に更につぼき(わらを野積み) にして寒風にさらして乾かします。春になるまでに取り入れますが、よほど乾いていない限り すぐには使えません。できるだけ梅雨が過ぎてから使うようにします。それまでは前々年に 収穫された稲わらを使います。
 わらの質は、害虫や刈り取りされる前後の天候に依ります。米の収穫の善し悪しに比例するようです。


稲木掛け



つぼき

等級縫い目 送り幅重量
一級床五段配 六分〜七分(2p)35s前後
二級床五段配 七分半〜八分半(2.5p)33s前後
三級床三段配 一寸前後(3p)30s前後
等外品三段配 一寸前後(3p)30s前後

畳床に縫う前にわらを組んで並べるのを配すると言います。 五段配は、わらを縦、横交互に五段、三段配は三段に組んで配します。
等外品は三段配の真ん中のわらを減らしてして、代わりに芥(切りわら)を多く入れます。
芥はどの等級の床にもいくらかは入れねばなりませんが、量が少しずつ違ってきます。 (高級品ほど少ない)
わらも芥もムラなく丁寧に配するのが基本ですが下級品になるほど雑になるようです。また職人の 手によってもかなり品質は変わってきます。
畳床の裏は、現在P.Pシートが主流で、防虫加工の有無ぐらいで、 品質とはあまり関係がないようです。

特注品として湿気に強い棕櫚を貼り付けることもある。

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