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「君の今回の報酬は振り込んだからこれが詳細だ。確認してくれ。」

前に会ったことがあるような帽子をかぶった男の人が告げる。

「レイは大丈夫なんですか?」

「ああ、ファーストチルドレンだね。大丈夫みたいだよ。会っていくかい?」

「いいんですか?なら案内よろしくお願いします。」

「あ、いや、道順を教えるから自分でいってくれ。俺も忙しいから。」

「はあ、わかりました。」

かなり怪しいけど、まあ、気にすることもないだろう。
教えてもらった道順に進む。
この部屋だな。

「お邪魔します。」

「あら?シンジ君、こんなところで何してるの?」

部屋に入ると赤木さんがいて、なぜこんなところに?という顔をしている。

「レイのおみまいです。僕がこんなところにいるのはおかしいんですか?」

「ええ、ネルフ本部は一般人が自由に行動していいところではないからよ。」

納得。

「じゃあ、ネルフ内では僕専用の監視君をつけてもいいですよ。それよりレイはどうなんですか?死にました?」

「碇君?」

あらら、赤木さんで見えなかった。

「あ、生きてたんだね。よかったね。エヴァの頭に喰らってたから、死んだかも、とか思っちゃってたよ。」

「大丈夫。ありがとう。」

ありがとうっていわれることをしてないんだけど・・・・・・・

「ほら、シンジ君、案内をつけるから早く出て行ってね。」

はいはいそうさせていただきましょう。

「はい、じゃあまたね。早く退院できるといいね。」

赤木さんがいつの間にやら用意した案内の人に引率されて僕はネルフ本部を後にした。
それにしても帽子の人って何者?
ちょっと時間がたつと記憶から薄れていくんだけど・・・・・・





『申し訳ございません。』

「わかりました。では、入手できたら電話ください。」

電話を切る。
前に注文をした銀がまだ用意できていないらしい。
全く、困ったものだ。
その後少しして避難警報が鳴った。
あらあら、避難しなくちゃ。
シェルターに向かおうとドアのノブに手をかけたときに電話が鳴った。
忙しいのになあ。
でも、電話にちゃんと出る。

「はい、間違い電話だったら嫌がらせしますよ?」

心温まる対応♪
いや、だって、かけてくる人って限られてるしさ。
なぜか自分に言い訳をする僕、わけわからん。

『間違い電話じゃないわよ。シンジ君、使徒が来たの、大至急ネルフ本部に来て。向かいをそっちに向かわせてるけどちょっと時間がかかりそうなのだからこっちに向かい始めておいて。いい?』

早口に言われても聞き取りにくいです。
聞き取っちゃってますけど。

「気分悪いので今回はパスさせていただきます。それでは。」

そして電話をきる。

(光速度、万有引力、プランク定数、取得。自己領域展開)

向かいの人と鉢合わせというのはごめんだし、監視を抜けないといけないから世界の時間を遅らせる。
時間が全然進まない世界で僕だけが普通に動ける。
その状態で外にでて飛び降りる。
自己領域は時間を変えるというわけではなく重力も少なくしているためマンションから飛び降りても全然OKだったりもする。
そのままシェルターに入り、避難民を装うっていうか避難民なんだけどね。
たまに自分でも忘れてしまうので常に確認しとかないとね。

(自己領域終了)

「また怪物がきたんだな。」

「もう引越ししようかな。」

「いつまで続くのかな?」

「・・・・・・・怪物・・・・・正義・・・・ロボット・・・・戦う美少女・・・・・モエ・・・・俺が正義だああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」

そんな会話が聞こえてくる。
みんな不安なんだなあ。
一部違うみたいだけど・・・・・・・・いや、そんな力いっぱい叫ばなくても・・・・
数時間の時間が過ぎ避難命令が解けた。
レイはまだ戦えないだろうから・・・・あ、ネルフならするか。
アスカとレイはうまくやったみたいだね。
僕は悠々と自宅に戻った。





帰ってきた僕を葛城さんが迎えてくれた。

「おかえりなさい。遅かったのね?」

奥さんみたいなこと言わないでよ。
しかも浮気して帰ってきた夫を待ってましたと迎撃するような表情でさ。

「あのシェルターからだったらこのくらいでしょ?使徒迎撃お疲れ様。では僕はこれで。」

僕は自分の部屋に入ろうとする、が、葛城さんに止められてしまった。

「何か用ですか?」

「何か用?じゃないわよ!何考えてるの!!」

なぜ怒られるのか全然わからないんですけど?

「何怒ってるんですか?しわが増えて早くおばあちゃんになっちゃいますよ。」

ほんとに怒りっぽい人だなあ。

「あんたが来なかったせいでアスカは一人で出撃することになったのよ!」

「レイも出せばよかったじゃないですか。レイは元気そうだったし零号機が使えなくても初号機は使えたでしょ?ほら、エヴァの数がそろわないですし、僕がいなくてもいいじゃないですか。」

「理屈をいってんじゃないわよ!」

理屈以外に何を言えと?幻想だけを吠えてればいいの?
ん?待てよ・・・・・

「もしかして使徒に負けたんですか?その状況で避難命令解除したの?なんてとこだよネ〜ルフぅ〜〜〜〜!」

「ふざけないの!あんたをおびき寄せるために解除命令だしただけよ!」

「あの、結局何が言いたいんですか?」

ほんと、何を言いに来たんだろ?

「今すぐにネルフ本部にいくのよ!そして使徒を撃退しなさい!」

いらねえ。

「何か勘違いしてますよ。僕はあくまで依頼を受けて実行するだけです。依頼内容が嫌だったら受けないんですよ。僕は自己の判断で動くんです。エヴァのパイロットもそろってるし僕はもう必要ないでしょう?いつまでも僕になんかに頼らないでください。」

にらみ合う僕と葛城さん。
葛城さんが先に折れた。

「わかったわ。でも、今回は力を貸して、アスカがやられてレイも前の使徒でのダメージのせいで出撃できないの。あなたしか戦えないのよ。お願い。」

あらあら、仕方ないなあ。

「別にいいですけど、報酬は?」

あくまでも自分のために動きたいから報酬は不可欠なんだよね。
でも、今日は不機嫌なんですよね。

「いつもどおりで一億出すわ。」

「で?」

「で?って何よ?」

「他には?」

「これ以上たかろうっての?」

「はい、報酬が厄介になればもう僕に依頼をしなくなるでしょ?だから他のものも要求してるんです。」

そう、もう僕に頼らないでよ。

「・・・・・・・・シンジ君、実はあなたには監視をつけているわ。」

「知ってますよ。あの人たちですよね。」

指を差した先には人影。

「まあ、そうなんだけど、あなたの部屋には監視カメラとか盗聴器とか、それを撤収させるわ。それでどう?」

まあ、予想内ですね。

「あんまり影響は無いと思いますけど・・・・・・別にそれでいいですよ。交渉成立ですね。行きましょうか。」

「助かるわ。出撃している間に撤収をさせておくわね。」

そういって電話をかけて指示をだしている。
その後に葛城さんの誘導の下、ネルフ本部に行き初号機に搭乗した。
さてさてさて、今回はどんな敵なのかな?

「今回の使徒はどんな奴なんですか?わかっているデータをください。」

「シンジ君、今回の使徒が出す光を浴びるとパイロットに異常が出て意識を失うわ。気をつけて。」

赤木さんの説明。

「今回の使徒は口の中にコアがあるみたいなの。そして前みたいに二つに分離するわ。気をつけて!」

一人で二体を相手にするんですね。
初号機ならできないこともないだろうな。

(リンク開始)

「了解。出してください。」

「エヴァ初号機!発進!!」





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