![]() |
もしも、ここに書いてある事が、あなたの役にたったなら、ぜひ感想・御意見をお聞かせ下さい。truss@hera.eonet.ne.jp | ||||||||||||||||||||||||||||
トップへもどる | 目次へもどる | ||||||||||||||||||||||||||||
1 木造とは? 木で建物を造るということと、木を利用して建物を造ることが混同されています。 今の建物は家を造る時に材料を木に選んだだけであって、 その構造は鉄でもコンクリートでもかまわないんだけど、 何かの都合(例えば、予算が合わないとか、お施主さんの希望など)でたまたま構造が木になったという図面が多く、 見積も鉄骨造の予定で設計したものが、予算縮小の為に木造での見積依頼が来ます。 少なくとも、伝統の木造は木を精一杯利用して建物を造って来ました。 設計図面からその構造が木造と判ります。 木造とは、 木で建物を造るのではなく、木の性質を利用して構造体を造ることであるはずです。 では、木を利用するとはどういうこのなのでしょうか? 2 木の性質・木の利用 木は繊維質であり、鉄やコンクリートは組織の塊です。 木には材料として力の方向性が存在するのです。 ストローを数十本束にしたところを想像して下さい。 両端の口をつっぱらせるとなかなか潰れないストローの束も横から押すと指で簡単にひしゃげる事が出来ます。 木も同じです。 維管束というストローの集合体と考えることが出来ます。 |
|||||||||||||||||||||||||||||
1本のストロー 両側から力を掛けてみる |
![]() |
||||||||||||||||||||||||||||
←つっばる | ![]() |
||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
ひしゃげる→ | ||||||||||||||||||||||||||||
ストローを束にしてて考えてみよう | |||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
|||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
|||||||||||||||||||||||||||||
束の小口に直角に力を掛けても ストローは突っ張って重りを支える ストローの束を横向きに重りを掛けたら ストローの束は歪む |
|||||||||||||||||||||||||||||
ストローの束に 先の尖った重りを載せたら ストローの束は割れてしまう。 |
|||||||||||||||||||||||||||||
木の木口に直角に力をかけると繊維は突っ張ります。 繊維に直角に力をかけると繊維は潰れます。 繊維を裂こうと思えば裂く事が出来ます。 木は鉄やコンクリートと違って柔らかく、めり込みがあります。 |
|||||||||||||||||||||||||||||
続きを読む | |||||||||||||||||||||||||||||
この繊維をどう利用するかの智恵が伝統の木造には使われていました。 鉄に代わる材料として木を選んだ時、この繊維を利用するという考えが設計には生かされなければなりません。 材料としての木は、鉄やコンクリートと比べて弱いので、同じ広さの空間を造るにしても、 木では設計の自由度が制限され、技術が必要です。構造が鉄でも木でもどちらでもいいような設計はないと思うのです。 |
|||||||||||||||||||||||||||||
木でも鉄でもどっちでもいいんだけど、木にしました。 ではなくて、木は木の‥鉄は鉄の使い方があります。 『木は突っ張り・鉄は引張りに使え』 |
|||||||||||||||||||||||||||||
前に戻る | 続きを読む | ||||||||||||||||||||||||||||
ページのトップへもどる |