それとは違って、伝統木造においても見た目は同じで中身を変えることが出来る継ぎ手があります。
例えば、図5-4は組んでしまえば、見た目は同じに見えますが、「渡りアゴ」と「相欠ぎ」という二種類の継ぎ手です。 梁を組むことにおいて、渡りアゴは構造体を傷めるのを最小限にして、捻れにも対抗するすばらしい組み方なのですが、加工手間がかかるのと、機械加工に向いてないために現在は殆ど見かけません。 加工手間がかかるということは加工代金が高くつくということなのですが、これは今の木造では考慮されません。
この鉛筆栓を打ち込んでも、栓が繊維を持ち上げ、引くことはありません。 その前に繊維が破壊されて栓は横物を引けません。 鉛筆にけずれた面は丸いため、最初にあたった所は点となります。ですから、ボルトが木の繊維を割くのと同様に鉛筆栓もまた木の繊維を割いてしまうのです。 丸棒の栓と丸い穴の栓もありますが、これも、先程横ボルトでも説明したように、栓が繊維を引く前に、もしくは大きな力がかかった時に木が裂けます。