#034
2004.11.27
湯の山温泉(三重県菰野町)〜風越峠〜水無
紅葉がまだ残る湯の山温泉
00
仕事で使わなくなった、
近鉄電車3日間乗り放題切符
(残り2日間有効のやつ)
をもらった。
久しぶりに東海自然歩道を歩くことにしたが、
前日(当日?)眠りについたんが午前2時半。
とにかく朝8時には起きることにした。
01
何とか午前8時起床。
天気も悪くないので、
湯の山温泉周辺で残っていた区間を、
片付けるつもりで四日市に向かった。
急行でのんびり行くつもりやったけど、
名張で特急と連絡しとったから、
ついつい乗ってしまった。
朝早く起きれんかったから、
ここで時間短縮は仕方ないか・・・
乗る前にうどんを1杯と、
特急に乗っている最中に、
コンビニで買ったパンとジュースで朝飯代わり。
お腹も落ち着いて11時半に四日市駅着。
湯の山温泉行きは15分程あとやから、
改札を出てバスターミナルで時間を調べた。
湯の山温泉へは交通手段がようさんあるけど、
終点の朝明口はキャンプ場があるけどバスは季節運行や。
たしかもう終了のはずやから、
最寄のバス停を調べとかんとな。
国道沿いにバスは走っていると判断、
電車に乗って湯の山温泉に向かった。
02
12時前に近鉄湯の山温泉駅着。
うまい具合にバスが止まっていたので乗り込む。
10分ほどで湯の山温泉に到着。
大半の乗客が御在所ロープウェイに向かったんで、
バスを残してロータリーは閑散となった。
バス停からロープウェイ乗り場まで、
旅館・ホテルが建ち並んでいるが、
賑わいが感じられん。
温泉街やのに何か寂しい。
とにかくこっちは目的が違うから、
どんどん山に向かって歩く。
奥に行くほど建物はあるが、
廃屋になっているヤツが多いことに気づいた。
「立入禁止」
「売物件」
玄関に落ち葉が溜まっているホテルを見ると、
何か切なくなってきた。
03
建物の合間を抜けて大石公園に到着。
紅葉がまだ残っているせいか、
車で来る観光客が多い。
ただ、
お土産物店もほとんどなく、
やはり寂びしさが漂っている。
公園の奥にルートがある、
意気込んで進もうと思ったら・・・
「通行禁止」の看板と、
目の前に崩落した道路があった。
崩落現場
横にブロックが積んであったんで、
行けそうやったけど、
ここは引き返すことにした。
04
御在所岳への裏登山道が、
自然歩道と交差しているところが途中にあったので、
そこから先に進めないか見に行った。
急な坂を登っていくと、
茶屋と神社(蒼滝神社)があった。
目の前をロープウェイが通って、
谷を挟んだ向こうの紅葉が綺麗やった。
ここからさっきの大石公園へ行くルートと、
御在所岳へ登るルートと、
蒼滝に下るルートがある。
蒼滝に下るルートにはやはり、
「通行禁止」
の看板が掛かってた。
通行禁止の看板
先は下りの階段が見えるだけで、
左にカーブしとって向こうは見えへん。
大石公園の方には看板はなかった。
こっちに進んでみる。
05
旅館街の10〜20m上の山中をくねくねと進む。
見たところ他に崩れたところはない。
そのうちさっきの崩落現場に着いた。
看板をくぐって2人の人がこっちに向かってきた。
一人は格好からしてハイカーやったが、
もう一人はコタツの天板みたいなのを担いでいるおばちゃんや。
途中に家が一軒あったから、
崩落後に避難してるんかな。
とにかく回り道しながらまた大石公園に来てもうた。
同じ道を歩くのはしゃくやから、
裏道を戻ることにして山沿いの細い道を歩く。
営業していない旅館・ホテルが多く、
紅葉で賑わっている様子は何処にもない。
細い道を辿って三岳寺に着いた。
三脚にカメラを固定して、
水盤に浮かぶ紅葉を撮っている男性が一人、
それ以外は誰もおらんかった。
縁結びの寺らしく、
結婚記念の記念植樹のプレートがやたらと目に付いた。
それがまた人気のない境内で違和感を出しまくっていた。
06
さて、
蒼滝までは行けんことは分かった。
ほんだら蒼滝から先はどうや?
確かバス道の途中に、
「蒼滝口」ってあった。
つまり車でも見に行ける道が他にあるっちゅう事や。
バスターミナルを過ぎさらに車道を歩く。
後ろから過ぎて行く車に気をつけながら、
赤や黄色の山を見ながら歩くと、
苦にはならん。
10分も歩かんうちに蒼滝口に着く。
国民宿舎を過ぎ、
人がほとんどおらん淡水魚センターの向こうに、
駐車場がようさんあった。
車は10台位停まっとった。
右手に自然歩道が山に吸い込まれるように続いていた。
先を急ぐならそっちやけど、
とにかく滝を見に行こう。
07
駐車場からさきは2m程の道が続き、
川を何度か渡って売店が1軒見えたと思ったら、
蒼滝が現れた。
蒼滝
横に崩落した自然歩道があった
思った滝より大きく落差もあったので、
しばらく滝をぼんやり眺めていた。
すでに13時50分。
予定より1時間以上オーバーしとる。
ここからが本チャンや。
駐車場に戻って自然歩道に入る。
いきなり崩落しとる。
看板はなかった。
看板はハイカーやなく観光客のためにあったんか?
先が心配になってきた。
08
自然歩道の本ルートにはいったら、
気のせいか景色が良くなってきた。
赤も黄色も何か鮮やかや。
と思っていたら、
いきなり鈴鹿スカイラインに飛び出した。
(そっから車の音が回りに付きまとった)
あっちこっちに崩落があるなか、
スカイラインと平行にしばらく歩いていたら、
スカイラインの公衆便所の近くでルートは交差。
手前に休憩所(ベンチとテーブルだけやけど)
があったんでちょっと遅いが飯にした。
お湯を沸かしてカップラーメンを作り、
おにぎり2ケとウインナー1本を食う。
一人やと何か変?
少し肌寒いところでのラーメンは最高や。
残ったお湯でコーヒーを入れて、
ドライフルーツを少し食べて出発。
時間は15時!
早く歩かんと日が暮れる。
09
トンネルでスカイラインをくぐると、
福祉施設「希望荘」が建っていた。
最上階に大浴場があるらしく、
駐車場は車で一杯やった。
その駐車場を抜けると道はいきなり狭くなって、
気がつけば山道になっていた。
もう夕方やのに峠越えが残っている。
写真を撮ってる余裕もなく、
薄暗い道は高度を上げていく。
ここも土砂崩れの被害が見られ、
結構冷や汗をかかされた。
川に向かって道が平行に半分崩れかけている。
何処を歩けばええんか正直迷う。
一歩踏んだらそのまま崩れるんちゃうか?
しかしこれも台風の影響か?
川がなくなり視界が開けると、
15時30分風越峠着。
10
さて後は下りだけや。
久しぶりに激下りをやるか!
小走りに丸太階段を下る。
結構崩れてる。
横からさらわれた感じの所もある。
道がなくなって一瞬見失った所もある。
今年の台風は他にも被害を残してるんちゃうか?
(山の中で立ち往生はシャレならんで)
しかしスピードは落とさずに、
約20分で朝明(あさけ)川に到着。
ここには橋が無く、
踏み石を渡るので、
増水してたら迂回に1時間かかる。
昨日少し雨が降っていたんで、
水没が心配やった。
今日は幸運にも踏み石は沈んでなかった。
セルフタイマーで写真を撮って、
水無口のバス停に15時53分着。
11
公衆便所で一服して、
一応バス停を見る。
基礎から標識は抜かれて横たわっていた。
見ると1日1本すでに終わっていた。
(季節運行でいまは季節はずれやけどな)
仕方ないんで国道まで歩くことにした。
山の切れ目から四日市方面が一瞬望めて綺麗やった。
あとは単調な車道を歩く。
16時に朝明口バス停到着。
キャンプ場と自動販売機があり、
自然歩道はここで分岐している。
スポーツドリンクを1本購入してさらに細くなった県道を行く。
通る車は多いがやっぱりもの寂しい。
高度も下がって林を抜けると、
いきなり田んぼが開けて道がまっすぐ続いていた。
後ろを見ると歩いてきた山々がすごいボリュームで控えていた。
12
開けると急に風が強くなり、
日が暮れてきたせいもあって肌寒くなってきた。
とにかく明るい方へ歩いていくと、
16時55分、
千種集落に駐在所があった。
最寄のバス停を聞くと、
ここの三重交通バスは利用者が少ないんで廃止になり、
代わりに町営のコミュニティーバスが運行されているそうや。
この時間走ってるわけもなく、
菰野駅まで歩いたほうがええって言われた。
「兄ちゃんなら20分くらいでいけるで」
と道を教えてくれた。
日が暮れて真っ暗の道を車に追われながら歩く。
20分経ったがとっぷり日が暮れて周りは真っ暗。
普段車を利用している人に、
やはり徒歩の見当は難しいんやろう。
暗い県道をひたすら歩くと目の前が明るくなり、
やっと国道477号線に出る。
これまでの閑散に反して意外なほど渋滞している車を抜けて、
17時40分ようやく近鉄菰野駅着。
道中1台もバスは通らんかったが、
駅前には2台のバスが停まってた。
帰宅まであと2時間はかかるのに、
足はもう言うことをきかんようになっとった。
四日市で缶ビールを飲んでから考えよう。
13(追記)
2005年8月5日、
養老ルートを走破する途中に湯の山温泉に立ち寄った。
蒼滝周辺は復旧したので不通区間はこれで完了。
詳しくは養老ルートにて。
acccess
■湯の山温泉
近鉄四日市から湯の山温泉行きで20分で、
近鉄湯の山温泉駅着。
そこからバスで10分で湯の山温泉。
四日市までは大阪から近鉄特急で約2時間。
■朝明口
朝明ヒュッテ行きバスが廃止となった現在、
湯の山温泉(蒼滝)からやと、
県民の森を抜けて尾高高原に抜け、
そこから徒歩で田光(たびか)バス停方面に抜ける方が良い。
国道306号線沿いに、
四日市方面行きの三重交通のバス路線が残っているはずや。
(2004年11月現在)
四日市のバスターミナルから「福王山」行きのバスが出ていたので、
バスは走っている。
千種まではコミュニティーバスが走っているが、
時間・路線は未確認。
(1日4本程度やった)
point
2004年の台風の被害で、
あちこち崩落していたので、
復旧状態を役場に確認してからルート確保するのが安全。
今回ルートでは、
蒼滝神社〜蒼滝(徒歩約3分)が完全通行止。
その他スカイライン沿い・風越峠周辺にも、
結構危険な箇所があった。
無理して進むと戻ることも出来なくなるので、
慎重に判断して欲しい。
迂回路は足跡を辿るのが無難。
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