out-door
hike

038 剱岳 2010.08.21


山頂にて 記念撮影

<前日の 037 立山 から続きます>

00
8月21日土曜日。
剣山荘にて、
3時半頃起床。
山小屋の朝は早い。
もう山頂に向かって出発している人もいる。
窓の外を見るとヘッドライトが上へと動いているのが分かる。

周りの半分くらいの方が起きているので、
気兼ねなくヘッドライトの明かりで身支度を整える。
脚はずいぶん休んだので、
少しは回復したと思う。
下山まで何とか耐えて欲しいと祈るように、
沈痛のクリームを塗っておいた。

01
4時15分、
剣山荘出発。
(高度計2,230m)
この先は難所続きなので、
友人okaの嫁はここで待機。
子供たちの荷物はoka嫁に預けて軽量化。

前日にもらっておいたお弁当をザックに入れ、
暗闇の中を進む。
10分も歩かないうちに勾配がきつくなり、
脚が重くなる。

目指す山頂の手前に、
一服剱、
前剱(ぜんけん・まえつるぎ)のピークを越えて行かないとアカン。
考えても仕方が無いので脚を前に進める。
ふと見ると、
白馬へ続く向こうの稜線が輝きだした。


思わず見とれる色合いです

夜明けが近い、
しばしその景色に魅入る。


光りが神々しい

一服剱の直下、
稜線越しに風が強くなるのを警戒して、
朝食。


こんな斜面で弁当を食べました

小屋の弁当は、
シャケ・梅干し・ウインナーなどなど、
シンプルだが美味かった。

02
一服剱を越え、
前剱を望む。
<標高2,618m>
どう見ても垂直の壁に、
人が列を作って登っている・・・
まさか今からあそこを登るんか!?

しかし、
慣れとは恐ろしいもので、
見えていた場所に到着すると、
思ったほど垂直やない。
手と足を使って体を上に運ぶ感じで前進。

勾配がキツイ分、
高度を稼ぐ事が出来る。
鎖場を幾つか越えて、
5時40分前剱到着。
<標高2,813m>(高度計2,585m)※以下同様


剱岳は目の前なんですが 遠い!

目の前に剱岳がそびえる。
切り立った壁を見てると、
登るところなどないんやないか?
と思えるが、
所々に人が見える。
あの壁に向かって行くしかないんやな・・・


岩に張り付く人を見ると怖くなります

03
ここから先は、
コースが狭く、
往路と復路が異なる箇所が幾つかあった。


子供と断崖 アンバランスな光景や


よじ登る という言葉がピッタリ

どちらも難所続きなので、
疲れを感じる暇もなく、
とにかく進むだけ。

地図のコースタイムを見ても、
距離は短いが所要時間が登り下りとも長い。
来てみて納得、
鎖を持って岩場を登ったり降りたりすれば、
時間もかかるはずや。

6時45分、
難所で有名な「カニのタテ這い」到着。


まっすぐ登ってるで・・・


どこを登るのか分かりにくい

どう見ても垂直。
取り付きを見ると、
鉄の棒が数本、
岩に打ち込まれている。

これを手掛かり・足がかりにして、
数メートルよじ登り、
そこから鎖を持ってさらに上へ進む。
なるべく下を見ない。
子供たちはしっかりと登っている。
一晩で復活出来るなんて、
若いって羨ましい限りや・・・

04
何とかクリアして、
上を見上げる。
すぐそこに見えているが、
間にある岩がなかなか近づかせてくれん。


もうちょっと!

あとは惰性で脚を動かし、
7時過ぎ、
剱岳山頂到着。
<2,999m>(2,745m)

頂上は割と広く、
祠と三角点。


話題の三角点

映画「剱岳〜点の記」を見た人が多く、
三角点を感慨深げになでて行く。
物語のなかの登頂ルートは今来た道の反対側、
通行禁止の看板が立っていた。

記念写真を撮り、
湯を沸かしてみそ汁とおにぎり休憩。
みそ汁の塩分と暖かさが沁みる!

山頂からの景色を見渡すと、
富山市街の向こうにうっすらと海、
白馬方面に爺が岳・鹿島槍・五竜と、
去年歩いたルート。
そのはるか先に、
富士山!


この写真では判別できないか・・・

さすが日本一の山や。

05
陽が高くなってきたので、
暑くなる前に下山。
と言っても岩場を手足でずり落ちる感じで進むので、
一気に下る事は出来ない。

下りの難所、
「カニのヨコ這い」到着。


直下の後 水平移動!

つま先が入る程の溝に脚を突っ込み、
横に渡った鎖を持って崖を横に移動する。

渋滞していると思ったら、
子供たち、
足場に足を掛けたら、
鎖に手が届かなかったらしい。
(少し遅れてたので後から聞きました)

片手で鎖をつかみ、
何とか渡ったらしいが、
後から考えたら怖い怖い・・・

06
その後も、
鎖・ハシゴが続き、
息をつく暇もなし。


綺麗な景色を楽しむ余裕無しでした

下りの急勾配は、
脚に負担が大きく、
どんどん彼らに置いて行かれました。
それでも無事下山する事が大事、
自分のペースで無理せず進みます。

前剱、
一服剱を乗り越え、
小屋が見えたと思ったら、
最後に鎖場!?
よくこんな所登ったもんや。

10時25分、
気を抜く間もなくフラフラで、
何とか剣山荘に戻りました。

07
体力を使い果たして戻ってきたけど、
ここは谷。
もう一度稜線を超えないと室堂には戻れない・・・
てな事を今は考えずに、
okaと缶チューハイで乾杯!
理屈ぬきで旨い。

小屋の前で早い昼食。
天気が良すぎて暑い。
小屋の水道で汲んできた水で、
体を冷やしながら、
パスタを食べる。
さすがにカップラーメンはこの暑さでは無理や。

08
食べると少し復活。
念のため脚に沈痛クリームを塗って、
帰路につきます。
稜線への直登は避け、
トラバースするように高度を稼ぎます。


勾配は緩いが疲れて進めませんでした・・・

復活した元気は一瞬で無くなり、
気がつけばokaファミリーから離れて行きます。
まあ、
後は帰るだけ、
無理に追いかけずに進むことにしました。
怪我をしない方が大事やからね。

雪渓で休憩。


この雪は有り難かった!

雪の上を抜ける風が涼しくて気持ちいい。
しばらく立っていたかったが、
帰らなければ・・・

仕方が無いので、
手拭いに雪を包み、
首に巻いてみた。
これがイイ!!
気分がすっきりしました。
(脚は重いままですが・・・)

09
徐々に登って行き、
稜線の剣御前小屋に13時到着。
(2,500m)

ようやく室堂が見えました!
・・・が、
メッチャ下。
しかも下ってから登るみたい。
まあ、
行くしかないな。

剣御前から雷鳥沢までは、
とにかく延々と下り。
自転車なら楽しいが、
歩きは膝にくる。

土曜日に下山するので、
登ってくる方がメッチャ多い。
行き交わすのに休めて丁度良かったが、
それでもokaファミリーに離され続けた。

追いつくのは諦めて、
マイペースで進む。
下れども下れども底は見えず。

岩場・草むら・木々の中と、
景色は変わって楽しいが、
何とも長い!
行きにこの道を通らんで良かった!
それぐらい長い下りでした。

10
やっと川が見えて雷鳥沢到着。
(2,035m)
okaたちは河原で待っててくれてました。
川の水をボトルに入れて飲む、
冷たくて生き返る!


普通に流れる水が冷たいのです


ここから動きたくなかった・・・

子供たちは、
首に巻いた手拭いを冷やしてくれて、
これがまた気持ちいい!
とにかく少しでも休んで回復しないと。
残ったお菓子と川の水で、
最後の燃料補給。
あと少し!

11
雷鳥平のキャンプ場を過ぎて、
雷鳥ヒュッテからは道が整備されていて、
意外なほどスムーズに歩けました。

地獄谷の硫黄の匂いにクラクラしつつ、
「温泉には入りたいけど・・・こんな所は怖すぎる」
お湯につかりながら酸欠になるで。


まさに非日常!

地獄谷からミクリヶ池への超長い階段をヘロヘロになって登ると、
あとは緩いアップダウンを室堂まで歩くだけ。
と、
途中に人だかり。
何やろ?
と良く見ると・・・雷鳥や!


赤丸部にいます

人の多いしかも晴れた日に見れるとは、
ラッキーやね。
観光客の方々も大喜びでした。

12
15時10分室堂到着。
<2,175m>(2,450m)


出発時のホテルが見えると一安心

後は立山駅まで帰るだけ、
混雑するバスに上手く乗れ、
予定通り帰れると思ったら、
まさかのケーブルカー待ち。

バスの輸送量に対して、
ケーブルカーの輸送量が少ないためこうなるんやな。
その間お土産を売りに来る事!
何か計算づくのような気がする。

40分ほど待って何とか乗りこみ、
車に戻ったら5時過ぎ。
すぐに出発してお土産買って、
温泉に入ったら7時!!!

あとは高速をひた走って、
SAで晩御飯をかきこんで、
何とか電車のある時間にoka宅に到着。
強硬軍の立山・剱岳ツアーは無事終了出来ました。

update 2010.10.02

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