025 富士山 2008.07.19-20
恒例 山頂記念写真
00
6月、
友人okaからメールが届いた。
「7月に富士山に登る」
毎年8月末に一緒に百名山には登ってるが、
今年はどうやらピッチを上げて登るようや。
もちろんOKの返事をして当日を待った。
01
7月18日金曜日。
いつもより少し早く仕事を終え、
ウチに帰って用意を整え、
滋賀県草津市の友人の家まで電車で移動。
23時半に友人宅に到着、
仮眠を取って19日3時出発した。
先日開通した新名神〜東名阪〜湾岸〜東名と乗り継いで、
御殿場インターで降り、
コンビニで食料・水を補給した。
演習場がある影響か、
利用者に自衛隊の方が多い印象を受けた。
02
富士山麓の自衛隊演習場の間を抜け、
御殿場口の新5合目登山口に到着。
雲は掛かっているがまずまずの天気。
早速着替えて7時50分出発。
御殿場口は新5合目とは言うものの、
他の登山口よりも標高は約1400mと低く、
実質2合ほどしかないので、
2000m以上も登る事になる。
まあ行程が長くなる反面、
登山客はやや少なめで、
混雑する富士登山の中では割合快適に進めるという、
okaの配慮やった。
03
今回も、
小3のJr.小1の姫のokaファミリーと一緒。
山小屋泊なので、
oka嫁は来ないと思っていたが、
意外にも一緒に登るとの事。
八ヶ岳の赤岳鉱泉の快適な個室しか知らない彼女には、
今回の山小屋はカルチャーショックになるやろうな・・・
とにかく総勢5人での富士登山がスタートした。
04
左手に双子山(Jr.はおっぱい山といっていた)を見て、
9時8分に2合5勺に到着。
(腕時計の高度1800m,標高との誤差−200m程)
ここから少しずつ勾配がきつくなる。
御殿場口の登山路は、
富士駅伝で有名なコース。
だからランニング姿で普通に走る方がチラホラ見える。
ザックに装備満載で歩く自分達の横を、
何も持たずに走っていく方がいるのは何とも奇妙な光景や。
05
登山道はジグザグを繰り返す単調な道で、
木も無く草も少ないので景色はずっと変わらない。
(高度が上がると見通しは良くなるけど)
時々雲が上がってきて中に入ると涼しいけど、
晴れていたらいくら高地とはいえかなり暑かった。
10時45分、
5合目(高度計2445m)で休憩。
睡眠不足か疲れてきたけど、
この辺りから上の方に小屋がチラチラ見え始めたので、
何とかそこまで頑張って歩こうと気持ちを奮い立たせた。
06
11時38分(高度計2670m)6合目到着。
地図にある小屋は崩壊していて廃墟になっていた。
少し休憩して上に見える小屋を目指す。
疲れてペースが落ちてきたが、
姫のペースがもっと落ちて、
皆に付いて来れなくなってきた。
okaが姫に付いて歩き、
嫁とJr.が先行して進んで行った。
自分はもう眠くて意識が朦朧となりながら、
1歩ずつ足を動かすだけやった。
07
12時半ころ7合目(高度計2840m)日の出館到着。
小屋は閉鎖。
姫とokaを待つ間、
横になって10分ほど仮眠。
暑いが疲れが勝ち眠りに落ちた。
気が付くとokaが到着。
姫は高山病に掛かった見たいや。
日影で横になり、
酸素タブレットを食べさせると少し楽になった様や。
休憩を兼ねてここで昼食にする。
予想以上に暑かったので、
ラーメンが結構重かった。
08
13時15分まで休憩して出発。
7合4勺の小屋も崩壊、
ジグザグに高度を稼いで13時35分、
7合5勺(高度計2915m)の砂走館到着。
初めてのオープンしている小屋やった。
木のベンチがあったので、
okaと姫を待つ間、
横になって少し仮眠。
大分楽になった。
今日泊まる赤岩8合館は真上に見えたけど、
あり得ないくらいジグザグに道が続いていた。
砂走館位までは黒っぽい地面やったけど、
ここから上は土が赤くなっていた。
草もほとんど生えてない。
09
この辺り(3000m付近)まで上がると空気もかなり薄く、
頭痛が続くようになった。
下山すれば直るんやけど、
今日は1泊するのでずっとこの痛みを引きずることになる。
酸素タブレットを飲んで紛らわせながら歩く。
土曜日なので登山者は多いが下山者は少ない。
すれ違う人はランナーが多く、
切羽詰っているせいか、
すれ違い際に挨拶をしても、
返事が無い人が多い。
寂しい限りやけど、
走っている人にそんな余裕はないんやろうな。
他の山ではこんなのは滅多にあらへんけど・・・
10
14時30分、
何とか宿泊予定の赤岩8合館に到着。
(高度計3080m,標高3300m)
山小屋の前 山の勾配がきつい
元気なら山頂往復するつもりでokaは考えていたけど、
姫の体調を考えて今日は断念、
こっちも眠いので助かった。
小屋に入る前にまずビール。
普段なら格別に美味いはずが、
高地では何故かビールがマズイ!
雲を見下ろすビールなのに・・・
泡が立ちすぎるのか、
苦味が目立つのか、
理由が分からんけど、
ビールがマズイのは確か。
(okaも同感らしい)
荷物を中に入れて一息つく。
缶チューハイを買おうと思ったら、
現品2個しかない。
最後の2本でokaとまた乾杯!
チューハイは変わらず美味かった。
11
赤岩8合館はこれまでに泊まった小屋の中では最小規模で、
共用スペースが皆無、
2段の就寝スペースプラス屋根裏にも布団が敷いてあった。
6X25m位の建物に140人が泊まるらしい。
予想通りoka嫁は、
プライベート空間ゼロの小屋の中に、
かなりショックを受けていた。
布団は3人で2枚、
5人なので1枚と3分の2が就寝スペースや。
隣は佐賀から来た3人の親子で、
ダイスケという子供は小3でJr.と同級生や。
インドア派の家族で、
小屋の中でずっと本を読んではって、
ダイスケは年齢に似合わずドクタースランプが好きな子供や。
(多分お父さんがマンガを持っているんやな)
布団の上でダイスケとJr.と姫が、
お菓子を食べ散らかして楽しそうに遊んでいたのが、
とても標高3300mとは思えない光景やった。
16時半ころカレーライスの夕食。
ダイスケも一緒に並んで食べた。
ビールを1本呑んで布団に横になったら爆睡で、
気が付くと21時の消灯前。
トイレ(外)に急いで行き、
もう一度横になると電気がいきなり消えた。
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20日。
目が冴えてあとはウツラウツラしながら、
4時前に周りが騒がしくなったので起床した。
ダイスケ一家は1時ごろ出発したらしく、
山頂へご来光を見に行ったんやろうな。
服を着込んで外へ出る。
かなり寒いが大丈夫やった。
東に向かって辛抱強く日の出を待った。
4時半ころ雲海がオレンジに光って、
太陽が顔を出した。
太陽が出た直後 雲海が光った
ご来光とokaファミリー
山小屋の窓に映る朝日
いつ見てもご来光は清清しいけど、
今回は何とも厳かな気持ちになった。
13
15分ほど眺めて小屋に戻る。
窓が多い小屋なので、
中へもご来光が良く入る。
朝飯の用意が出来たので、
朝日を浴びながら食べる事にした。
okaに聞いたら富士山の小屋で、
ご飯の朝食が食べられるところは珍しく、
菓子パンと牛乳が多いそうや。
美味しい味噌汁とご飯で、
今日登るエネルギーを補給した。
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6時10分、
小屋出発。
姫の具合が気になったが問題無さそう。
心配なので最初に酸素タブレットを飲んでもらう。
頂上まではジグザグに高度を上げてひたすら歩く。
まさに雲の上
登る人も多いけど、
ご来光を見て下ってくる人も多かった。
おかげですれ違いが頻繁に起こり、
進むのに時間がかかった気がする。
8合目の見晴館も崩壊していた。
9合目は標識が無く、
後どれくらいか迷いながら、
7時59分富士山火口縁の銀名水井戸に到着。
(高度計3500m)
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火口を辿って山頂の売店・郵便局・神社まで歩く。
さすがに凄い人で、
郵便局・神社には行列が出来ていた。
山頂神社 とにかく人が多い
とりあえず売店でバッジと手ぬぐいを購入。
記念バッジ
目指す剣が峰はまだ先なので、
もう少し歩く。
観測所の建物がある、
少し周りより高いところまで、
急な坂道をゆっくり登る。
富士山観測所のある剣が峰
観測所の下で長い行列が出来ていた。
聞くと山頂での記念撮影のための順番待ちとの事。
これだけは仕方ないので並ぶ事にした。
山頂とはいえ晴天下で、
40分くらい待たされたのにはホンマ参った。
記念撮影に並ぶ・・・
観測所は2004年から無人化されたため、
今は誰も住んでいない。
レーダードームも基部しか残っていないので、
なんだかもの寂しく感じた。
ようやく順番が来て、
最高点を前にoka家族と一緒に1枚、
一人で1枚、
後ろに並んでいた方にシャッターを押していただいた。
さらに奥には観測所の一部が、
展望台になっていたので登ってみた。
雲が広がっていて綺麗やけど、
八ヶ岳も北岳も全然分からんかったのが残念や。
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売店に戻ってお茶を買い一服。
お酒は売り切れていた。
需要に供給が追いついていないんかなぁ。
Jr.と姫はお土産に、
富士山の小さなぬいぐるみ「ふじっぴー」を買っていた。
さて、
9時27分に名残惜しいが下山開始。
下りは子供たちがメッチャ早い。
小走りに急いでも追いつかないくらいや。
oka嫁とのんびり下ると10時8分赤岩8合館に到着。
トイレが混雑していたので、
さらに下の砂走館へ急ぐ。
10時30分砂走館到着。
少し休憩。
10時48分日の出館(閉鎖)前通過。
ここからは行きと道が違う。
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ここからはokaが行きたいと要望していた「大砂走り」や。
読んで字のごとく砂の斜面を走って下る下山専用路。
スネまで砂が埋まるので、
走ってもヒザや腰に負担がかかりにくい。
ここに来るまで半信半疑やったけど、
いざスタートしたら走れる走れる!
砂が程よくブレーキをかけるので、
止まれないほどスピードが出ることも無く、
それでも自分ではない位のピッチで走れるのが楽しい。
大砂走り とにかく走る!
一気に雲の高さまで下ってきて、
キリがかかったように周りが見えなくなったけど、
地面に張られたロープを目印に、
延々と走り続けた。
途中姫が一回転倒して、
右半分砂まみれになったけど、
何とか復活してまた走り出した。
11時32分、
2合5勺で登山路と交差し、
さらに砂場を走り続ける。
12時にようやく登山口直上の大石茶屋に到着。
霧雨の降る天気のなか、
行きの3分の1以下の時間で下山した事になる・・・
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あとは車に乗り込み、
裾野市へギョーザを食べに向かったが、
見つけることができず、
たまたま入った蕎麦屋が大当たり、
細いが腰のある美味いざるソバを食うことが出来た。
このまま帰る・・・と見せかけて、
連休はもう1日ある、
伊豆の修善寺に宿を取っているらしいので、
もう少し足を伸ばす事にした。
<続く>
one point
御殿場登山口
他に比べて標高が低く、
駐車場が新五合目となっているが、
本当は2合ちょっとの高さから登る。
ほとんどの登山客は、
富士宮口か吉田口から登ってくるので、
比較的空いている。
勾配も最初はゆるく、
徐々にきつくなるので、
初心者には登りやすいと言う方もいた。
人が少ない分山小屋が少なく、
大石茶屋から砂走館まで、
何も売っていないしトイレも無いので注意。
富士山とはいえ晴れればかなり暑かった。
Tシャツで登っても問題なかったが、
雲が上がると急に寒くなるので、
防寒対策は必要。
紫外線もかなりきついので、
日焼け止めは必須やね。
山頂は珍しく無風やったけど、
富士山頂は乱気流が起こる強風地帯。
ウインドブレーカーは持っていくほうがいい。
(update 080726)