008 恵那山 2000.08.27
000
午前3時、
下呂温泉卿飛騨川の河原。
昨日の御嶽登頂の疲れも取れぬまま起床。
というか、
騒がしくて眠れなかったのが正解か。
まだ眠そうにしているokaを起こして、
三度目の野天風呂に入る。
この時間帯が一番少ないと思ったら、
バイクツーリストが休憩がてら寄っているのか、
盛況やった。
側で酒盛りをしている男2人女1人がおった。
恥ずかしいのかその近くに湯船には誰も入っていない。
こっちは3回目やから恥ずかしくもない、
気にせずそこにつかった。
昼に比べてお湯はぬるかった。
001
名残惜しいがまだ暗い下呂温泉を出発。
途中コンビニで朝と昼の食料を調達して、
国道257号線を中津川方面に向かう。
ガイドブックを見れば、
サクっと簡単に登れそうで、
中央道の園原インターがすぐ側にあるので、
帰りも楽そうや。
(ここは名古屋方面からの出口と名古屋方面への入口しかないので注意)
当然我らは高速を通らず下道で目的地にむかった。
県道3号線でショートカットして国道256号線で長野県に入り、
阿智村に到着。
園原インターの下をくぐりスキー場と温泉宿を通過する。
とたんに道は狭くなり路面も悪くなった。
間違えたと思ったが、
途中の看板の林道名(大谷霧ヶ原線)が合っていたのでそのまま進んだ。
道があちこちで崩れ不安がつのる。
左上方に恵那山らしき山が見えたが、
道は無常にも右上を目指しているようや。
陵線を回りこみ向こうに行きかけたところに、
小さく「恵那山登山口」という看板を発見した。
どうやらここみたいや。
002
午前7時前、
看板をバックに写真を撮ろうとしたら、
誰かが側に「野○○」をしとるやんけ!
いくらトイレが山頂付近まで無いからって、
出発前から気分が悪いな・・・
見えんが左そばに「それ」はある
登山届の用紙も箱もないのでそのまま出発、
しばらくは快適な山道が続いた。
(やはり楽勝の山か?)
T字路につきあたり看板、
左・山頂
右・神坂口
目指していた神坂登山口[標高1569m]はまだ先にあったみたいや。
本ルートを歩いていると、
「山頂まで6km」
という看板があった。
昨日の御嶽が約4kmやったから、
距離は相当や。
まあアップダウンがなければ問題ないか・・・
まだ楽観していた。
003
ところが道は意外にも下り始めた。
それも階段状に急降下や。
高度を稼ぐどころか損してるで・・・
おまけに帰りの最後にここを登らなあかん・・・
7時25分鳥越峠[1550m](高度計1475m)到着。
出発地点より高度が下や。
ここは強清水方面への下山ルートへの分岐。
しばらく穏やかな山道が続いた。
と思ったら登って降りての繰り返しや・・・
歩けど歩けど木々の間からは山頂など見えん。
最悪や。
距離と行程、
どっちもかなりの難易度やで。
おまけに朝露で回りの草木はビショビショや、
これはえらいことになりそうや。
8時5分、
大判山山頂[1695m](1610m)着。
頂上までまだ3分の1ってところか。
写真を撮って気分転換しよか・・・と思ったら、
また「野○○」や。
参るわ。
・・・当然山頂は見えない。
004
どうも進行方向左の斜面ばかり歩いている気がする。
それもアップダウンしながら。
最初は気付かなかったが、
右斜面はあちこち崩落して危険な状態やった。
何ケ所か崩落でルートが変わってたんや。
見下ろすとぞっとした。
体力的にも今日は2日目やから、
登りもペースを極力落として歩いた。
景色も変わらず長い距離を歩く、
こんなに過酷なんは初めてや。
ここをまた戻ると思うと気が滅入ってくる。
気が付くと登りばかりになっていた。
なら、
頂上はすぐか?
と油断したら急登がいきなり現われた。
ロープ場まであるありさまで、
やっとの思いで陵線伝いの分岐[2110m](2065m)に到着。
この疲労感はヤバいな・・・
005
やっと穏やかな陵線をだらだら歩いて、
避難小屋に到着。
休憩は後にして山頂を目指す。
ほこらがいくつかある道を進むと、
つきあたりに大きなほこら(恵那神社)があり、
奥に広場・・・山頂や!!
10時20分山頂[2189m](2065m)着。
木だらけの山頂
ベンチもあり人もいたのでここで昼食にした。
今日もラーメンや。
昨日の3000m級の御嶽と違いここは暑い。
ラーメンは結構つらかった。
すこし気分が悪くなった。
写真を撮るが、
山頂も草木が生い茂り、
周りはみえないので、
達成感もいま一つやった。
006
途中たくさんの人と擦れ違い、
避難小屋に戻る。
ここには道中唯一のトイレがある。
用をたして小休止。
裏の岩場に登って山頂をバックに写真を撮った。
実際ここが一番景色が良かった
しかし、
この道を引き返さなあかんのは気が重い。
11時10分、
出発したがやはりラーメンのせいか気分が悪かった。
腹をこわしても野○○だけは絶対せえへんと頑張った。
しばらくしてそれは治まったが、
予想外の苦戦のせいで、
手持ちの茶が心細い。
残りの水をokaと分けてお茶に混ぜるが少ないかも・・・
しかし歩かんと帰られん。
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余りにも距離があるので、
何処がどのあたりかも分からない。
不安を抱えて慎重に歩く。
okaはかなり先に行っているみたいやが、
ここは無事に帰るためにマイペースを守るのがええやろ。
なんせ帰りに登りがこれだけあるとは予想せんかったから、
体力も限界に近い。
何度も休んで12時45分大判山着。
やはり「野○○」はまだあった。
とにかく無理のないペースで気の遠くなるアップダウンを乗り越え、
13時15分鳥越峠着。
確かこの先は急登やったから長いめに休憩を取った。
予想以上の登りにぞっとしたが何とかT字路に。
若いアベックが弁当を食べていたが天気は明らかに下り坂、
崩れた林道が気になるので急いで進んだ。
ここからは快適やから苦もなく、
13時55分登山口到着。
着替えもそこそこにここから立ち去る。
雨は小雨で済んでじきに止んだ。
道も荒れてなく何もなく集落まで戻れた。
008
温泉宿はありそうやが、
入れそうなのがなかなかなく、
やっと川の向こうに見つけた。
「月川温泉」
効用はもうええから、
とにかく汗を流したかった。
さっぱりしたついでにロビーで土産を買い、
ついでに飲んだトマトジュースは格別やった。
高速のインターはすぐそこやから、
帰りは楽やった。
okaに運転してもらい、
睡眠不足のyukawaは仮眠させてもらった。
が、
気が付けば養老。
えらい熟睡してもうた・・・すまんoka。
■oka's comment<okaのコメント>
我々には、消耗した場合を想定した第二計画があった。
そう比較的クリアが楽な恵那山である。
消耗していたときのバックアップルートということで、
結局標高差の一番小さい神坂から楽に登ることに決めていた。
準備は万全のはずだった・・・しかし・・・
神坂をスタートして少し行ったの標識に「恵那山まで6km」。
−おいおい、それは間違いやろ。山道でせいぜい歩けるのは
1日10kmまでやで。これやったら往復12kmになるで−
しかしその表示は間違いなく正しかった。
標高差が少ないアドバンテージを見込んでいた我々を
あざ笑うかのようなDOWN−UPの繰り返し・・
へとへとになって着いた頂上には、黒井沢ルートの人が余裕の表情で
大勢くつろいでいた。黒井沢コースの方が短く楽だったかったのだろう。
しかし、こういうしんどい体験で経験値を上げていく、これが
正しき登山者(我々はこのカテゴリーには収まらないが)の道なのだ。
・・ということで、次回はどんな体験となるやら。
■access... (2000年現在)
□恵那山
中央道園原インター(名古屋より恵那山トンネル出てすぐ)よりヘブンズ園原スキー場を通り、
林道大谷霧ヶ原線を進む。
インターから20〜30分で登山口。
先に神坂登山口もあるが行ってないので状況不明。
今回使用した登山口は、
どうやらスキー場のリフト利用者のために作られたようで、
スキー場からの徒歩利用が可能と思われるが、
詳細は不明。
また、
反対側の黒井沢辺りから登ってくるハイカーのほうが、
圧倒的に多いので、
本ルートはそっちかも知れない。
そのへんはガイドマップを参照してほしい。
車でのアクセスは良いが、
歩きが長いので水・食料は十分用意したほうが良い。
□月川温泉「月川(げっせん)0265-44-2321」
園原インターより5分。
川の向こうにある。
露天風呂もあるが、
洗い場が少ない。
スキー帰りにも利用出来そう。
400円やったと思う。
re-mixed 070325