第7回目 H17.5.5  木ノ本から永原
 5月の連休は、家内は仕事、子供は野球。 黄砂の影響で家の周りのサッシや網戸も汚れているのが気がかりで、「掃除役でも務めるか。」と、3日は、一日がかりで家の回りやレンジの換気扇にガラス磨きと大掃除。4日は家族の蒲団干しと玉すだれ造りにいそしんでいたが、あまりにも快晴が続くのに情けない留守番役。たまらず、「明日、琵琶湖を歩いてくるわ。」と、話すと、「三日間も留守番役はかわいそうやね。行ったらエエョ。」とのありがたいお言葉が返ってきた。
 当日の朝、「今日は、子供もお弁当がいると言い出したので、お父さんは何か買ってくれる?」との言葉に「いいよ。」と、返事をしたが、「一ぐらいなら作れるので、しそで良い?」と妻の声。
 「一つやったら足りないし、もう買うから良いよ。」と返すと、「そない言わんと、そこらのパンも持って行ったら?」とやさしい言葉が戻ってきた。 まぁー、持って行ったら何処でも食べられし、せっかくの好意を無げにしなくても良いので、リックに積めて出発した。
 野洲駅8:57分発 長浜着9:32分  長浜発9:34 木ノ本着9:48分   
長浜駅で待っていた敦賀行きの列車に乗り込むと、「なんじゃ、こりゃ。」リックを持たれたリタイヤ組みの方々で満員。ご夫婦連れや、友達同士のグループ。 やはり、この天候の良さに家でくすぶってはいられないのだろう。 前回の三月、雨から雪にかわり難儀した事が思い出されたが、わずか2ヶ月、今日は絶好のハイキング日より、暑いぐらいで、手ぬぐいを頭に麦わら帽子をかぶって駅を出ると、いきなり白いテントが目に飛び込んできた。 「お弁当でも売っていないか。」と、立ち寄ると、美味しそうな竹の子入りのちらし寿があったので、これもリックの中へ! これで万全とスタートをきった。 
 20分ぐらい歩くと賎ケ岳リフトの大きな看板を見つけた。 このまま歩けばトンネルになるし、「さぁー、どうしよう。」と、しばらく思案したが、トンネルより山越えした方が景色もよいだろうし、今日は山歩きでもないので、「リフトを利用して体力の消耗を防ごう。」と、山越えに決定した。 「リフト乗り場へ」の案内看板を頼り歩いていると、駐車場は観光バスや自家用車で満杯状態。リフトの乗車口もアリの行列よう。 ようやく順番が回って来て、「ヨッコラショ。」と、座ったが、すわり心地が悪いので2,3回座り直すと体重が重いのか? ゆらゆら揺れる。 すかさず、後ろから大声で「リフトを揺らさないで下さい。」と注意の言葉が飛んできた。 
 3,40分あれば登れそうな山であるが、リフトは楽チン。 つい、足をブラブラしたくなるが、グッーと我慢する。 頂上駅から賎ケ岳頂上までは標高差60m程、一気に駆け上がると、余呉湖や琵琶湖の眺望がすばらしい。 晴天の日に出かけて良かったと、大きく深呼吸を2度3度吸い込むと、グッーとお腹が鳴り出し、少し早いが、先程買った竹の子入りのちらし寿司をパクつく。 こりこりと竹の子の歯触りが良い。




 いつまでも眺めていたい思いにかられたが、取りあえず、飯浦を目指して下山開始。30分ほど下ると、余呉への分かれ道に出たが、飯浦への道は使われている様子が無く、雑草は伸び放題で、間伐された木も倒れたままで、「くぐったり、越えたり、蜘蛛の巣が張ってあり。」と、荒れ放題で薄気味悪いので、自然と急ぎ足になる。 この当たりから、また、左足の膝がキューと痛くなる。 枯れ草が道を覆っており、小石を踏んだりして、足をくじくような感じなり、本当に歩く難い。  約1時間あまりかけて、ようやく飯浦のドライブインにたどり着いた。
 膝が痛くてしばし休息をとる。 湖辺からさわやかな風が吹き寄せるのが心地よい。 回りを見渡し、人目が無いのを確認し、ズボンを下ろして、ファイテンテープを痛い膝に貼り付ける。 ズボンを上げバンドを締め直す頃には、アレレー、キューと締め付けるような痛さが和らいでいくのが解る。 ほんと、不思議なテープである。痛さが薄れると不安も吹飛び、元気付けに持参したおにぎりをパクリ。 12時半に再スタート。
トンネルを避けて、藤ヶ崎への道を進む。 本日一番の景色の良い区間で、膝の痛さも吹っ飛び軽快に歩ける。 サイクリングを楽しむ方々もけっこうおられる。時たま、爆音もけたたましく、すっ飛んでいくライダーの群れ。 琵琶湖には種々の人々が集うが、すべての人々を受け入れてくれる。
 午前中の山の中から平地の岬巡り、陽射しが強く、一筋、二筋と汗が流れ出す。単調な道が疲れを増幅させる。 1時間あまり歩いて、岩熊の矢合神社に辿り着く。
 本日持参の菓子パンを食べ、これでリックの中は空っぽ。
 いよいよ、難関のトンネルを目指してラストスパート。 「懐中電灯を忘れた。」、「車の排気ガス、臭いやろうなぁ。」と、思案しながらトンネル入り口にたどり着き中を覗くと、オレンジ色のライトで意外に明るい。 二車線トンネルの一車線が歩道になっており、十分な幅。 祭日なのに自動車も少なく、息苦しさもない。
いらん心配をしていたと、思っていたら、やってきました自動車が。 トンネルの中なので、すごい音。 思わず、両手で耳をふさいで、やりすごす。
 やはり、ゆっくりは歩いていられないと、急ぎ足で歩くが、延長796mはけっこう長い。 ようやくトンネルを抜けると、太陽の陽射しがまぶしいく、慌ててサングラスをつける。 後は、この坂を下りおりるとゴールの永原駅。 午後2時40分に無事ゴールに到着。

永原駅発15:04   山科駅着16:29  山科駅発16:34    野洲駅着16:53