よくよく考えてみたらあのときのことです、神戸からの報告



00.8.25  第九回開高健賞の受賞作、「山谷崖っぷち日記」(大山史朗、TBSブリタニカ)
を読んだ。社会からドロップアウトして実際に山谷で暮す労働者が書いたものだが
そのなかのドヤでの様子の部分に感心した。起きて半畳、寝て一畳の空間でも十分
だと著者は言っているのだが、その中に音の描写があった。つまりすぐそばに寝て
いる人の音にも耐え難いものがあり、それが深刻な事態を引き起こすということが
書いてあり、普段の生活では考えられないことだと感心したのだが、よく考えると
仮設住宅ができる前の避難所の生活がそうだったのではないか。このことに気がつ
くまでにこんなに時間がかかってしまったことに、なんだか愕然とした。
へおすすみください。