教育費を削る神戸に空港が、神戸からの報告

99.3.4
 神戸空港に反対する署名をもとめるビラを、朝夕、闇に紛
れ(別に悪いことをしているわけではないが、犬の散歩をし
ながら)近所に配り歩いている。今朝など、あわやでっかい
イノシシとぶつかりそうになってしまった。学校に行くとき
も、道を変えて歩きながら、郵便受けに放り込んでいる。住
民投票を求める署名の時は、市民の有志が活発に動いて、
30万以上の署名を集めたが、今度の動きはきわめて鈍い。

 本当か嘘か知らないが、署名数が10万を超えれば、運輸
省が埋め立ての認可を取り消す可能性があるそうだが、その
わずか10万をなかなか越えることができないでいる。

 空港問題に積極的だった市民運動のグループの一部が、統
一地方選挙目指して、政治に目覚めてしまったということも
一因だと、うわさには聞いている。空港反対派の市会議員を
自前で数人作り出すことは可能かもしれないが、過半数を超
えることは不可能だ。議会で過半数を超えないかぎり、推進
派は選挙で信任を得たと言い張る材料を提供してやることに
なるだけだ。神戸市くらいの規模の自治体になると、有権者
がひとつの公共事業だけを争点にして投票をすることなど考
えられない。それよりも、愚直に初志を貫いて、運輸省をし
り込みさせるだけの署名を集めた方が、空港建設という愚行
をやめさせる可能性があるのではないか。

 つい先日、学校五日制を視野に入れた新しい高校のカリキ
ュラムが発表されたばかりだが、今日の夕刊には神戸市が財
政難から、外国人英語講師をリストラすると書いてある。市
立中高、高専、計95校に現在72人の講師がいて、新年度
は47人に大幅削減するという。そしてそれにより浮く経費
は1億5千万円也。

「不登校などの緊急性の高い問題が多く、教育事業全体の見
直しの中でやむをえない。日本人教師のレベルも向上してお
り、従来通り英語教育は重視したい」

 嘘こけ、ってんだ。空港埋め立て事業などのため、教育事
業の見直しをせまられている、というのが本当のところだろ
う。財政難に陥っている関東のある県の公立高校では、点灯
する電気の数まで減らすように言われ、授業中は廊下の電気
を消すように指示が出ているということを、あるメーリング
リストで聞いた。

 財政破綻寸前の神戸市は、公共事業という自転車のペダル
を漕ぎ続けることで、財政破綻から目をそらせようとしてい
るのだ。 へおすすみください。
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