なぜかなぜかの毎日です、神戸からの報告

98.2.27
 学校の放送施設が故障。ベルが鳴らない。非常ベルも鳴ら
ない。緊急時のために、職員室には携帯マイクが集められて
いる。管理主任が、震災の影響が今頃出てきていると嘆いて
いる。

98.2.28
 震災でなくなったJTの古い社宅の跡地が、神戸市の公園
になろうとしている。年はじめから工事がはじまり、口径5
メートルほどのタンクがようやく地中に埋まった。タンクは
穴を掘ってから埋まるのではなく、地上に置いて、それから
穴を掘り出し、少しずつ沈めていくのだというのが、毎日、
窓から眺めていて、はじめてわかった。耐震性防火水槽埋設
工事と、看板には書いてあるから、飲料用ではないのだろう。
震災後、この種のタンクがあちこちに埋められている。今度、
震災があったら、遠くまで水をくみに行かなくてすむなあな
どと、ばかなことが思い浮かぶのは、少なくとも私が生きて
いる間は、もうないだろうという思いがどこかにあるからだ。
風呂の水を朝まで残しておくとか、懐中電灯を手元に置いて
おくとか、震災直後にはしていた備えを、どんどんと怠って
いることに改めて、人間というのは懲りない生き物のようだ
と思った。バルブがはじけて、経済がだめになってくると、
もしかしたら、こういうことがどんどん隅へ追いやられてい
て、安全性の問題が取り残されていくのだろう。

98.3.2
  高校の卒業式があった。震災の時、中学三年だった学年で
ある。ひとりの生徒が犠牲になっている。予定されていたス
キー旅行も中止になった。今度高校にあがるのは、震災の時、
六年生だった学年で、最後の学期をほとんど学校へ行けず、
入学試験も延期になった。学年で問題行動があると、だれも
が95年1月17日時点にさかのぼって、その生徒がどうで
あったかを考えるようになっている。震災の影響があるのか
ないのか、見極めは難しい。

98.3.3
 会食があった。改まった席になり、話題がとぎれると、あ
のとき、どうでしたか、ということが話題になる。私と話し
た人は、震災後の火事で家が全焼している。火元が大工さん
で朝が早く、台所からの出火であったとらしい。

 三ヶ月のミドルステイが終わって、脳梗塞で半身不随の父
が帰宅していた。数日、家にいて10日ほどあずかってもら
い、その後、しばらく家にいることになっている。機能の衰
えのため、車椅子への乗り移り、入浴その他、三ヶ月前と比
べものにならない。

98.3.4
 六時過ぎ、ひさしぶりに体感できる地震があった。建物が
揺れ、窓が揺れ、家具が揺れた。

 先日の朝日朝刊に橋本総理の母親が、九年間、国立病院であ
ずかってもらっているのが、普通は三ヶ月で出され、次々に入
院先を探さなければならないのになぜかという記事が出ていた。
本当に、なぜか、だ。首相になって以来、新聞に本日の動静と
かいうのが出ているらしく、それを見続けていた人が発見した
疑問のようだが、厚生族の族長は、老人がどのような扱いを受
けているか知らないらしく、なぜか、なんて思わなかったようだ。

治療のための医者の指示と言うが、ちまたの老人は、体に麻痺が
あり、嚥下障害が出ても、血圧があがっても、膀胱炎やら腎炎
やらが併発しても、たいていは家庭で薬を出してもらうことくら
いしかできないのですぞ。

 政治屋諸君は、将来自分が介護保険の範囲で介護される覚悟
があるのでしょうか。

 大蔵キャリア数人に100万円以上集中接待と新聞に出ている。
百万円くらいでなぜか、と大蔵官僚は思っているかもしれない。

98.3.5
 大蔵キャリアを逮捕とある。課長補佐、38歳?なぜか、もっ
と上がいるだろう。このキャリアは、ノーパンしゃぶしゃはどう
だったのだろう。結局は総会屋かなにかが流したがせねただった
が、ローラン顧客名簿というのがどっかのページに出ていたこと
がある。食欲と性欲が共存するのは、少なくとも私には理解でき
ないが、彼らはその上に物欲も同時に満たそうとしたようだ。

 護送船団に税金投入。最優良行の東京三菱までなぜか。阪神大
震災直後、同じ規模の金額を、全壊、全焼の被災者に同額の資金
をばらまいてくれたら、ある種の公共投資になって、経済も動い
ただろうと、素人は思う。今更、全国民に数万円のばらまき減税
をやっても、景気は浮揚しない。2兆円を千億ずつ銀行にばらま
くよりも、1億を2万人(計算はあってるやろか)の「個人」の
被災者にばらまいた方が、談合もなく、あちこちに均等に経済効
果を生むのではないのかと思う。これは震災直後にも考えたこと
で、ひとりに5千万くばる。3千万使って、2千万ため込むのも
よし、10人集まって、5億のビルを建てるのもよし、100人
で50億の事業をはじめるのもよし、この方が、よほど健全な気
がする。

大蔵官僚は「余震」がおさまるのを待っているのだろう。「本震」
はまだのはずだと思っているのが、一般大衆だ。部署をどんどん
変わって行くから、職務権限の認定が難しいというが、おえらい
人たちは、官僚であること自体が、大きな権限であると思うのや
けど。

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