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原価計算の変遷
原価計算は企業活動における適切な原価概念や利益概念を創造するため、変遷を重ねてきた。
商的工業簿記
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見積原価計算
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実際個別原価計算
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実際総合原価計算
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標準原価計算
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CVP分析・直接原価計算
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差額原価収益分析
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ABC原価計算
NPV・PPM
原価計算を勉強すると、計算手法の多さに驚かされますが、これはこのような歴史的変遷があったためです。
相対的真実原価説
このような状況において、「異なる目的には異なる原価を」という考え方が起こってきた。このような考え方を相対的真実原価説という。具体的には以下のようになる。
個別プロジェクト: NPV・IRR
短期プロジェクト: 差額原価収益分析
短期利益計画: CVP分析
短期利益統制: 直接原価計算
原価管理: 標準原価計算
財務会計: 実際全部原価計算
対外的には財務会計の原価が正とされますが、社内管理上は管理目的に合わせて適切な原価を選択することができます。
原価計算の将来
原価計算は19世紀に起こったが、それ以後このような短期間にこれだけ飛躍的に発展した学問は他にその類を多くはみない。
原価計算は企業活動における適切な原価概念や利益概念を創造し、企業及び経済の発展に貢献してきた。
原価計算は今や企業活動の中枢となる意思決定を行う際に用いられ、企業活動にとってなくてはならないものとなっている。
このような状況は、今後企業間国際競争の激化に伴い、より一層強まっていくことが予想される。
最後にこの言葉を結びとしたい。
「原価計算の将来はバラ色である。」
拙いHPをお読みいただきありがとうございました。原価計算については、今回で一旦完了とさせていただきたいと思います。最後になりましたが、岡本清先生の今後の一層のご活躍をお祈り申し上げます。
参考文献: 原価計算(岡本 清)
(C)大塚淳税理士事務所