<新エンブレムについて>


*はじめに

2004年12月22日、
新しいヴィッセル神戸のエンブレムとロゴマークが発表された日。
この日は、Jリーグの理念が死んだ記念日として、
後世まで永遠に語り継がれることとなろう。

<エンブレム>
 
<ロゴマーク>
ロビンマスク   テコンV

#デザイン:佐藤可士和
#なお、これらは、本来2004年6月に発表される予定だった物が、
#様々な事情(チームの内紛、楽天の野球参入等)で、
#発表が6ヶ月以上も遅れたことを記載しておかなければならない。

*クリムゾンの経営方針

一目見て分かること。
そして、何より重要なこと。

KOBEの文字がない。

チーム名が「VISSEL KOBE」でありながら、
エンブレムもロゴマークも、なぜかKOBEの文字だけが外されている。
残った物は、チーム名の一部分である「VISSEL」だけ。
これが、ジェフ千葉のように、元から何もなかったのであれば話は分かる。
しかし、クリムゾンは、元々あった物わざわざ取り外した。
(現在、エンブレムに地域名が入っていないのは、上記2チームだけである)
どんなに後から体裁を取り繕うと、「外した」という歴史は消えない。
その揺るぎない事実から、彼等の明確な意思が感じ取れる。
つまり、彼等の言う「神戸への地域密着」など名ばかりであるということだ。

勘違いしてはいけない。
たとえ、クリムゾンが10万回、口で「ヴィッセル神戸」と言おうが、
100万回、HP上に「VISSEL KOBE」と書こうが、
このチームの正式名称は「Vヴィッセル」である。
それは、「地域に根差したスポーツクラブ」を達成するために、
チームの呼称を「地域名+愛称」と定めたJリーグの理念に著しく反する行為である。
その違反切符は、いくら選手が神戸の小学校を訪問しようが、
いくら神戸でサッカースクールを開催しようが、決して解消される物ではない。
なぜなら、エンブレムにそう書いてある。
でかでかと大きな文字で、「V VISSEL」と。

V VISSEL

例えば、天下の「ソニー」のロゴマークが「SON」だったら、
その会社の名前は誰がどう見ても「ソン」である。
そもそも、誰もそんな馬鹿げたことはしない。
エンブレム(紋章)とは、それほど重い意味を持つ物なのだ。
事実、エンブレムにKOBEの文字がないため、
選手が身に付けるユニフォームのどこにも、神戸の文字が入っていない。
彼等は何のために戦うのか。
サポーターは何のために彼等を応援するのか。

決して、週末の娯楽のためだけではない。
ましてや、自身の享楽のためだけではない。

*サポーターである前に神戸市民

つまり、サポーターは、個人レベルではなく、
もっと市・街レベルで物を見なければならないということだ。

クリムゾンは、ヴィッセル神戸の地域密着など、全く重要視していない。
もしくは、地域密着の意味を完全に取り違えている。
彼等にとっての神戸とは、あくまで経営の活動拠点にしか過ぎない。
事実、彼等の根本的な経営方針は、ネットを用いて全国の顧客を相手にすることだ。
これは、サポーターとの交流会「ヴィッセル神戸の夢を語ろう」で堂々と発表された。
そもそも、ネットという仮想現実の場をホームグラウンドにしている者が、
地に足を付けた生活などできるはずがなかろう。
その最たる物が、シーズンチケットのネット先行発売であり、
オフィシャルマガジン「ViKING」の廃刊であり、
楽天野球団の仙台入りである。
本当に地域密着を果たしたければ、まずは、楽天本社を神戸に移すべきだ。
(IT企業が東京に本社を構えなければならない理由は何もない)

もし、クリムゾンが事あるごとに言う通り、
本当に神戸をオシャレな街であると認識しているのなら、
なぜ、佐藤可士和などという東京の人間を使い、
神戸出身のデザイナーを起用しなかったのか。
また、なぜ、エンブレムの形は六甲山をモチーフにしているなどという
子供騙しな後付け設定を加えなければならないのか。
ヴィッセルは、その名が示す通り、山ではなく海のクラブである。
ゆえに、旧エンブレムには船のマークがあしらわれていた。
だが、今はもう見る影もない。
そもそも、六甲山は山地であり、山頂は神戸の東端にあることは、
神戸人なら誰でも知っている。

*エンブレムに象徴される物

要するに、今のエンブレムに神戸らしさは微塵もないのである。
ハーバード大学らしさはあるが)

<ヴィッセル神戸フラッグ>
 
<ハーバード大学フラッグ>
ハーバード神戸   ハーバード大学

このデザインから神戸の街をイメージできるだろうか?
いや、できない。
縦じまとVヴィッセルだけでは、
サッカーに興味のない神戸人のアイデンティティを揺さぶることはできない。
全て、神戸のことを何も知らない外国人がデザインを担当したことによる弊害であり、
それを全く疑うことなく採用したクリムゾンの罪である。
彼等は、未だに神戸人に成り得ていない。
さらに、その外国旗を嬉しそうに振っている自称サポーターも、もはや神戸人ではない
この機会に、もう一度、自らの足元を見直すべきだ。
自分のアイデンティティが何なのかを。

なお、なぜ、彼等がわざわざKOBEの文字を外したのか、未だに明白な答えはない。
おそらく、ファッションアイテムとしての総合的なデザインを考慮した結果であろう。
KOBEよりもVISSELの方が、商業的価値があると判断したのだ。
もしくは、KOBEの文字が入っていては、商標登録ができないと考えたのだろう。
所詮、クリムゾンにとって、神戸の存在意義はその程度の物でしかない。

*結論

上記を総合して言うと、クリムゾンは、エンブレムからKOBEの文字を外すことで、
神戸の街をコケにしたのである。
神戸人が、「KOBE」というブランドを
どんな海外ブランドよりも愛していることを、彼等は知らない。
そんな余所者が地域密着などというお題目を掲げていること自体、 馬鹿げている。
繰り返しになるが、この一連の施策は、
「地域に根差したスポーツクラブ」を達成するために、
チームの呼称を「地域名+愛称」と定めたJリーグの理念に対する
重大な背任行為である。

サッカーチームを取るか、それとも神戸の街を取るか、
そう聞かれれば、自分は間違いなく「神戸の街」を取る。
そして、その二者択一を神戸人に突き付けたのは、クリムゾン自身だ。
我々は「Vヴィッセル」を応援したいのではない。
「ヴィッセル神戸」を応援したいのだ。



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