「あっ!そうそう。アイリスちゃん!」
何かに気づき、リーリアがアイリスに声をかけた。
「え!あっ、はい。なんですか?」
ずっと固まっていたアイリスが、急に呼ばれあわてて返事をする。
今度はまるで小動物のようだ。そのピクッとした動きが可愛いくて、ギルバートはつい見つめてしまった。
「今度の任務で、私の弟子がお世話になるから宜しくね!」
「はい、こちらこそ宜しくお願いします」
笑顔で返す。リーリアの弟子なのに、心配は無いのだろうか……。
「で、そのミッションにはもう出れるのか?」
ギルバートがアイリスに声をかける。
「うん。でもちょっとだけ待ってて!」
アイリスが小走りで部屋に入る。
数分で部屋から出てきた。服の上から白いローブを着ている。
体全体を覆うデザインではなく、マントのように前が開く物。魔法使いのローブだ。
鎧のような効果はないが、破れにくく魔法への耐性もある。
留め金にはドラゴンの姿をあしらったブローチが使われ、それ自体にも防具を強める効果がある。
「お待たせ!」
元気で明るい声、それを聞いたギルバートは満足そうに、
「オッケーだな」
そう言ったあと気づく。
「そういや、その弟子はどこにいるんだ?」
ギルバートがリーリアに尋ねた。
「初任務に備えていろいろ教えときたいわね。後から合流させるから先行ってて!
集合場所は私たちと同じように村の宿屋ね。たぶん2時には着くから」
嫌な予感がして……
「変な事は教えるなよ?」
気づいたら口に出していた。
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