「私の立場からだと構わないんだ……けど担当医はどう言うか……。
でもどうしてだい?君の訓練ノルマはすでに終わってるし、急ぐ必要も無いはずだけど?」
ワイスンの奥を見る。俺の隣のベッドのその患者、アイリスはまだ目を覚まさない。
俺が怪我をしなければ何とかなったはずだ。
「……必要ができた。もっと強くならないと約束が守れないんだ。
今回もやばかった」
「聞いてみようか?たぶん駄目だと思うけど……」
そうだろうな。体中が痛むときに、動いていい何て言わない。
だから誤魔化そうとしたんだし……。
「いや、いいや。ありがとう。次に担当者が来た時にでも俺が聞いてみるさ。
とりあえず部署長という立場からはノルマをクリアしてても使って良いんだよな?」
「ああ、それは一向に構わない。
いっぱいだったらまだの人が優先になるけど、滅多にそんな事無いからいつでもいいよ」
それならすぐにでも!アイリスを護るという決意と約束。
それを護るための新たな決意。
俺は強くなる。鍛えれば、俺はまだまだ強くなれる。
今の強さじゃ、姫を護るナイトとしては役不足。
面倒な事に、隣の眠り姫は頑固だ。あの老人と出会ったら、どうせ後先考えずにまた戦うに決まってる。
そのとき、俺があいつを守らないと駄目なんだ!
次へ