「その服で行くのか?怪我するぜ?」

「ウチ、肌丈夫なんです。この方が動きやすいですし!」

薄い半袖の服と短めのズボンに着替え、リュックを背負ったナデシコ。

今もギルバートの腕に抱きついている。

ギルバートのことを気に入ったらしく、離れない。

あれから離れたのは、着替えの時だけで、ずっと。

それより……何で私がイライラしなきゃなんないの!

「お前はどうだ?」

「私もいつでもいいわよ!

あなた達二人よりも早く起きて、用意してるんだから!」

つい、怒った声で言い返してしまった。

「なんで怒ってるんだ?」

自分でも分からない。でも、やきもちじゃない!

私はレグルスが好きだし、彼以外に考えられない。信頼と恋は別。

ギルバートとナデシコが気になるのは………そう!

ギルバートもナデシコを気に入ってパートナーにしたら、どうすればいいのよ!

レグルスは女性団員にモテモテで、パートナーを組むのは難しいし、恥ずかしい。

それに女性関係の事を除けば、ギルバートほど信用できる人はめったにいない。

だから、ギルバートは渡せない!

「ナデシコ!ギルバートから離れて!」

理由さえ分かれば。

でも、ナデシコは不服そうな様子で、

「なんでですか!?」

「なんでって……」

こんな恥ずかしい事。信用できるからなんて、目の前で言えるわけ……。

「……悪い、離れてくれナデシコ」

名残惜しそうにゆっくりと、ナデシコが腕から離れた。ギルバート……分かってくれたんだ。

「動きにくいし、ジャングルに入ったら足場も悪くなるだろ?」

あっそう!

「じゃあ、それまではええやんな?」

そう言ってまたギルバートの腕に抱きつくのを見て、やっぱりイライラした。

次へ