『おい起きろって!何かおもしれえ事やってくれんだろ!?』
でかい鳴き声で目が覚めた。目を開けると……。
『起きろっての!』
スカイの長い尾がムチのようにしなり、俺に叩きつけられるところだった!
「うわっ!」
ベッドから落ちて何とか避ける!レグルスの火より危なかった……。
『起きたみてーだな。ったくよー、起こす身にもなってくれよ』
「殺す気か!いきなり死ぬとこだっただろ!」
一瞬本当に死を覚悟した。体が反射的に動いてくれたから良かったものの……
『気にすんな!寸止めする気だったからよー。
それより、嬢ちゃんはとっくに出て行っちまったぜ!』
長い尾が、小屋の出口に向けられた。どうやらアイリスは、もう外に出たらしい。
さっきみたいな強硬手段に出たことを考えると……。
「もしかして、俺を起こすのに手間取ったのか?」
スカイが縦に首を振る。
やばい時間がない!早くしないと、アイリスが……。
アイリスが風呂から上がってしまう!
小屋の戸を開け、急いで外に出た……。
「もう体は良いのかの」
外に出たところで長老に会った。真っ暗な中で祭りを見ていた。
中央には舞台に立ったレグルスの姿……笑っている。アイリスの願いはかなったみたいだな……って!
こんな事してる場合じゃない!
「もう大丈夫です。ありがとうございました」
走りながらそれだけ言った。
俺が、森に入った頃……
「頑丈な男じゃな……、アイリスにはうってつけかも知れん。それより……」
また余計な事をしおって……、倒れたらどうするのじゃ」
『あんだけ走れるってのに、寝てる必要があるってか?』
「それもそうじゃな……」
「長老様、アイリスと一緒にいた……あの人は……」
「ギルバート殿のことじゃな。さっき向こうに……」
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