長老の言うとおり、体の調子は最悪だった。話は聞いたし、休みたい。

例の部屋を見ると、スカイが戸を開けてくれていた。

「スカイ……余計な気を回しおって」

笑いながら長老がそう言った。

『何のことだかな?俺っちがそんなめんどくさい事するかっての』

「ありがとう、スカイ」

何の事だアイリス?何でこいつに礼を言うんだ?

「なんかやったのか?」

目の前のスカイに尋ねるが、答えが返ってくるはずもない。

そもそも声が聞こえないんだからな。

『まったく!肝心の本人に気づかれないたあな……。

親切ってのは、礼言われる瞬間が気持ちいいってのによ!』

スカイが鳴いたが、気にせずベッドに倒れこんだ。

くたくただ。明日の朝早くにはこの村を出る。

今日はもう一日寝て過ごす。随分と暇だな……、他にする事はないか?

「この後どうしよう。とりあえず家に着替えて……お風呂にも入らなきゃ!」
隣の部屋から、アイリスの声が聞こえた。

風呂!この村の風呂ってのはあの露天風呂か!

そうか、人が居なけりゃこんな時間でも入れるんだ……。この後の俺の行動も、決定だな!

確か荷物の中に、双眼鏡があったはず……

「スカイ、悪いけどアイリスが出てしばらくしたら起こしてくれ。やる事がある!」

『何やるんだか知らねえが、その眼はなんか騒ぎを起こす気か!

任せときな!ちっせえ騒ぎなら大歓迎ってもんだ!相棒にも内緒にしといてやるぜ!』

スカイが俺を見つめる……なんかノリノリに見える……いいって事か?

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