「話は済んだみたいですね……。いきますよ」

レグルスの雰囲気が変わった……。

「レグルス、アイリスも、おまえを止めたんじゃないのか?」

「ええそうです。でも僕は止まる気はありません」

氷のように冷たい声だ……。

「俺がもう一度言っても、止まらないよな……」

「当たり前です。僕は、これが正しいと思ってやってますから」

そうか、分かっていたが、力ずくで止めるしかないな!

剣を抜いた……が!

「駄目よギルバート!大怪我しちゃうわ!」

フィソラの後ろで、魔法を唱えていたアイリスが叫ぶ。

どうしろってんだ!優しいにも程があるぞ!

これしか武器が無いだろ!

「素手で戦えってのか!」

「駄目よ!お願いだから、使わないで!」

それだけ言って、また呪文を唱えだした。譲る気は無さそうだ……、一気に取り押さえるのが難しくなった。

とりあえず鞘に戻し、被せたまま戦う事にした。……重い!

「ギルバートさん。気にせず真剣を使ってください。それでも僕が勝ちますから」

何言ってる、勝つのは俺だ!

「これぐらいで、不利になる俺じゃない!このままやってやる!」

言ってやった。

俺は戦いなれている。これぐらいのハンデは十分有りのはずだ!

「……分かりました。死なないでくださいよ。アイリスが哀しみますから……」

待て!そこまで強力なの持ってんのか!?

今更、抜くのは……プライドが……なぁ。

このままやってやる!まあ、なんとかなるだろ……。

「我に従え地獄の業火 その力 今こそ示せ 我が眼前の者を消し去れ ヘルブレイズ」

白い炎!極めて高い温度の火球が、俺へと迫る。それもかなりでかい!

火球に触れた洞窟の岩が溶けている。

何でこんな魔法使えるんだ!?戦いは初心者のはずだろ?

「マジで殺す気か!こんな威力の高いやつ使いやがって!

すまないアイリス!怪我がどうのこうの言ってられない!」

剣を抜いた。

大見得切った後でプライドが傷つくが、そんな事言ってられない威力だ!

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