「……ギルバートさん……生きていたんですね。よかった……」

そう言って、レグルスが笑った。

「俺が生きていたのを喜んでくれてありがとよ。ただ、それより大事な事があるだろ!

アイリスを放せ!」

「そうですね……。すいません気が動転して」

レグルスがそう言うと、魔法が解けた。動ける!

「どうして………」

「何度でも勝つから、今君を放しても関係ない……。行って来なよ」

温かい、いつもの彼に戻っていた。さっきまでとは別人みたい。

「ありがとう。あなたも行きましょうよ!」

「僕はいいよ!生きていてくれたのは嬉しいけど……今は、君たちの敵だから」

寂しそうにそう言った。

「行きましょうよ!敵でなくなればいいじゃない!」

「そういう訳には行かないよ。僕だって覚悟の上でこんな事をしてるんだ……。

一緒に行けないのは残念だけど……行きなよ……」

これ以上はとても言えない……。話せば話すほど、悲しい思いをさせてしまう。

「アイリス。こっちに来いよ!」

ギルバートの呼ぶ声。レグルスは気になったけど、走らずにはいられない。

彼が生きていた!こんなに嬉しい事が起こるなんて!

「ギルバート!生きてるのよね!?」

彼の胸に飛び込んだ!

受け止めてくれた。実体がある……幽霊なんかじゃない!

「もちろんだ。死んでたまるか!」

良かった……ほんとに良かった!

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