最も強く、最も硬き鉱物の王よ、最も輝き、最も気高き金の王よ。

今一つになりて、敵の攻撃を防ぐ究極の楯とならん 出でよ最強の楯 “アブソリュートプロテクション”


私の使える最強の楯。目の前に金の装飾をされたダイヤの楯が出現する。

大きさは、わざと小さく50センチぐらい。本来大きいけど、魔力のコントロールでこれぐらいは出来る

「それでどうやって防ぐんだい?霧は楯じゃ防げないよ」

確かにそう。気体だから少しでも隙間があったら漏れてくる。でも、

「これならどう!」

目の前に出現した楯を掴み、思いっきり振る。

団扇として使うなら、このサイズで大きな風が起きる。

突風で、霧が吹き飛んだ。

「……随分と型破りな戦い方だね……そんな戦い方じゃ僕には勝てないよ」

「仕方ないじゃない!私はもともとフィソラを援護する魔法しか使えないのよ!

風の攻撃魔法なんて1つも知らないわ!」

その場しのぎなのは解ってる。でも、フィソラがヴリトラを倒すまで耐えるしかないのよ。

「ねえ、まだかかりそう?」

『すまないが、レグルスは任せるしかないようだ』

嘘!強くなってるはずなのに!

フィソラのほうを見た。そんなはずない!勝ってるはず。

フィソラの体は、ヴリトラの攻撃で傷1つついていない。でも、ヴリトラはすべての攻撃を避けていた!

変身中はまず負けない。でもそれが終わったら……。すぐに……

『さすがだヴリトラ。攻撃をすべて見切られるとはな……』

『当たり前であろう。初めて吐くブレスなど、使いこなせるはずがあるまい。

集中さえすれば、避けられぬはずがないではないか』

『そういう訳だ。すまないがそちらは頼む。ヴリトラを抑えるので精一杯だ。』

「……解ったわ!」

仕方ないけど……どうしよう……。

レグルスは一人でも戦える魔法を覚えているみたいだし、攻撃魔法の無い私が勝つ方法……

1つだけ有った!

最も強く、最も硬き鉱物の王よ、最も輝き、最も気高き金の王よ。

今一つになりて、敵の攻撃を防ぐ究極の楯とならん 出でよ最強の楯 “アブソリュートプロテクション”


目の前にもう1つの楯が出現する。両手に同じサイズのダイヤの楯。

この楯で、彼を叩いて気絶させる。………無茶な計画だけど……、でもこれしかないわよ!

強き攻撃の象徴よ、我に一時力をかしたまへ “ファイアブースト”

武器の威力を高める、私の得意な魔法。これが成功しないと彼にこんな戦法通用しない。

両手に持った楯が赤く光る!やってみたけどまさか成功するなんて!これもともと楯なのに!

「またそんな方法で……。僕をなめてかからないほうがいいよ、怪我はさせたくないんだ」

「仕方ないじゃない!これしかないのよ!」

やり方にこだわっていられない。とにかく彼を止めないといけない!

そのためには、なんだってする。怪我だって仕方ないわよ!

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