フーリーの家。さっき見た部屋の、窓を開けた。

フーリーの顔が青ざめる。

「レっレグルス!罠はどうした!?」

「あれぐらい。なんとでもなるよ」

ヴリトラに乗せてもらった。あくまで人間用の穴。ドラゴンなら人間より大きいから平気だ。

「アクア!今ぐらい守れよ!」

『勝手にやってなよ』

パートナーにまで捨てられたか……自業自得だ。悪意がある奴にドラゴンがなつくわけ無いよ。

「親分を襲ったのはおまえか!?」

ようやく気づいたみたいだね。

「そうだよ。僕がやったんだ」

青い顔がさらに青ざめた。それでも、僕らの受けた痛みとは比べ物にならない。

もっと怖がってくれないと、あんな事二度とできないように……。

「来るな化け物!アイリスも一緒か?あの悪魔、顔しかとりえが無いくせに!」

声が上ずっている。

「君にアイリスの魅力は分からないよ。

それと、これは僕が個人的にやってる事なんだ」

「じゃあ、あの家か?悪かった。本当だ!助けてくれ!」

違うよ、家はそんなに気にしてないんだ……。ギルバートさんも同じこといってたな。

アイリスからも、そう見えるのかな……。それは、今の僕にもつらいな………。

「バイバイ。フーリー」

隣に座っていたヴリトラに場所を変わった。

フーリーの顔から、血の気が消える。……いい顔だ。

それぐらい怖がってくれないと、きっとまた同じことを繰り返すよね……。

「てめえ!最初はあの女に助けられていたくせに!」

そういえばそうだったね、思い出したよ。あの夢の続き。

紫色の光が家からあふれた。

きっと白目をむいて気絶している。

「全力で撃ったんだね?殺してない?」

『大丈夫だ。あの者は最後まで悔やまなかった!この程度……当然の報いであろう!』

殺す事も出来るけど、事前にそれだけはやめようと約束していた。

僕もアイリスも、殺されてはいない。

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