出かけるなら、受付のマリアンヌに話してから、だったな。無断外出になったらまずい。

「仲間探しに行ってくる!3ヶ月は戻らないぜ」

「ワイスンさんからお聞きしています。気をつけてくださいね」

さすがワイスン。仕事が早いな。電話で伝えてくれたのだろう、一言ですんだ。

「この辺で秘境って言うと、歩いて4日のところのデンジャーマウンテンだな。

よし……行くか!」

そこから4日間かけて、デンジャーマウンテンに向かった。そして、

「着いたな……ここから先は未開の地!山を越えれば、強いやつが多いよな。

まずパートナーにするなら強いやつじゃないと……。さてと、とりあえず登っちまうか!」

睡眠もとりながら歩いていたし、大して疲れは感じなかったのでそのまま登る事にした。

20分ほど登っただろうか、何とか風にも耐えていた。だが、足元が急に崩れた。

いつもなら、崩れる岩を飛び移り、崖を渡るなんて簡単に出来る。

それぐらい出来ないとあの組織には入れない。

だが、4日間の歩きと山登りの疲労でとっさに動けなかった。

そして最初の状態だ……

しかもろくな装備が無い……これをバカといわず何と言おう。休めば済む話だった……。

剣が刺さったのも運だ、小さな亀裂が有ったから良かったものの……。

「どうしよ……」

つぶやいても答えてくれる人はいない……。難しい任務にパートナーをつけるのは、こういう時助け合うためだ。

「とりあえず、捕まる所は、と…………お、ラッキー!」

離れたところに、掴まるどころか立てそうな足場がある。剣が抜ける前に飛び移らないと……。

体に反動をつけ飛び移ろうとする。

「このまま、飛び移れば……。何とかなりそうだな」

十分に勢いがつき、剣から手を離そうとした。その瞬間……

ズル

小さな音と共に剣が抜ける。飛び移る前に抜けた……。

剣も俺の手を離れ落ちてゆく……もう……崖に剣を刺すのも無理だ。

……俺は、そのまま落ちていった………。

崖の下の……未開の森へと………………

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