「覚悟はいいかい、シリア」

声も出ないらしい……安心しろ、殺す気はない。ただ恐怖と痛みを体に刻み込む。

もう、僕たちに近づけないように………。

ギルバートさんを振り切ってからだいぶかかった!

ようやく崖に追い詰めた。もう少し……もう少しで………僕達の邪魔者が消える。

さっきの彼の言葉は聞いた。その通りだった!

それでも、最近嫌がらせが激しい!もう時間はかけられない。

もうすぐ、アイリスにも危害が及ぶ……あれが…………アイリスに!

もう、この方法でしか………アイリスを幸せに出来ない!!

「やれ!ヴリトラ!」

『ああ、決心はついたな!』

紫色の光り……ヴリトラのブレスがまっすぐにシリアを襲う。これでいい。

「やめろーー!」

ギルバートさんが、シリアを突き飛ばした。飛ばされたシリアは、地面に倒れてブレスの射程から外れた。

でも、その代わりは…………!

「ギルバートさん!」

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