朝飯を、食べたあと外に出た。
戻ってきた時には、考え事をしてて気づかなかったが、フィソラはいない。
たぶんアイリスの飯から逃げたんだろう……やっぱり、いつもまずいんだな……。
「どうしていつもいなくなるのよ。たまには食べてくれてもいいのに……」
残念そうだ。こんな顔見たくないし、俺が作るか我慢して食うしかないな。
「召喚出来る様になったんだし、今呼び出せばいいじゃないか。
離れたところにいるなら好都合だろ?」
「それもそうね。昨日だってケーキを食べてもらうために、召喚してみたの。
これからは、絶対食べてもらうわ!もう逃がさないわよ!」
安心しろフィソラ!明日からは俺が作る!……嫌だけど。
「来て、フィソラ!」
アイリスの指輪が光った。そして俺達の目の前に、光の玉が出現した。
光が消えると、フィソラがいた。
『また成功したか。もう使いこなせているようだな』
「ええ、大丈夫よ!これで遠くからの念話も出来るわよね!」
そんな効果もあったのか。
『私はこの日をずっと待っていた。ようやくだ……。
ようやく……本気でアイリスを守ることが出来る……』
「ありがとうフィソラ。私もよ、……これで村に行ってもあなたと話せるわ!」
アイリスがフィソラに抱きついた。きっと、俺が思う以上に大きな進歩なんだろう。
彼女は、若いがドラゴン使い。これで一人前のはずだ。
これでようやく、この考えを口に出せる。
強くなってからでないと、組織は認めてくれないからな。
「ところでアイリス、大事な話があるんだ」
「なあに?何でも言って。今日はすっごく機嫌がいいの!昼食のリクエストとか……」
「俺は一緒に働くパートナーを探してこの村に迷い込んだ。俺のパートナーになって欲しい!」
一瞬だけ時間が止まった気がした。俺は、アイリスと……一緒に居たい。
この村を出てからも!
もちろん戦力も考えた。彼女なら大丈夫だ!
「ごめんなさい。私は………レグルスを………」
「いや、いいよ。すまない、勝手なこと言って。もし気が代わったら言ってくれ!
俺は、君が来るまでパートナーは作らない。いつまでも待ってる!」
「レグルスは……」
アイリスが何か言いかけた途端。森の中で何かが倒れる音がした。
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