木の実を採ろうと、森に出たけれど、何を作ればいいのか……

「ねえフィソラ。どんな料理がいいと思う?ケーキ以外に思いつかないの」

『………』

「フィソラ?」

黙ったまま、何も答えてくれない……。

『私は、ギルバートを信じきることが出来ない……。彼は悪い人間ではない、そういう意味では信用できる

だが、守ることの大変さが分かっていない。

……心配なのだ。いざという時逃げるような者では、アイリスを任せられない』

静かに、そして重い声でフィソラがつぶやいた。

「それは……実際に起こった時にしか分からないわ。でも、確かに彼は私を守ろうとしてくれてる……。

きっと大丈夫よ!なぜだか信用していい気がするの!」

本当にどうしてかしら……こんなに安心できるなんて……。

『……そうだな。今のところ彼は逃げる気は無いだろう。違うならば村人を敵に回すようなことはしない。

信じてみよう………。

ケーキにはイチゴが定番だ。慣れていないものを作るなら基本に沿った方がいい』

「ありがとう」

ケーキの事だけじゃない…………。

『それから、あまり大きい物は作らない方がいい』

「どうして、たくさん食べた方がいいじゃない?」

『………残ったら困るだろう?』

「明日食べればいいじゃない」

『………』

フィソラがまた黙ってしまった。どうして?

「とにかく、木の実とか果物を探しましょう!

野いちごが向こうにあったわよね?」

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