第3章:晩御飯の裏で……運命が回りだす……



『レグルス。ギルバート殿に任せてよいのか?』

家に帰る途中の森の中で、ヴリトラがそんな事を言い出した。

「彼が信用できない?彼は僕らのことを助けたじゃないか?

それによってどうなるかは、彼にも分かってたはずだよ」

ギルバートさんは僕とアイリスを助けてくれた。周りがすべて敵に回ると分かっていたはずなのに……

『我が言いたいのはそういうことではない。アイリスを任せてよいのか?

好きなのだろう?』

気づいていたのか、話したことは無かったんだけど

「それは………そうだね。……でも、きっと大丈夫さ。

長老は彼を信じたし、何よりアイリスにはフィソラがついている。彼が悪人だったとしても、フィソラが何とかしてくれるよ。

それに、もしかしたら彼がアイリスを幸せに出来るかもしれないだろう?」

本当は僕自身の手でアイリスを幸せにしたい!でも、アイリスが幸せになってくれればそれでいい。

正々堂々勝負して、もしギルバートさんが彼女を幸せにしたら……おとなしく身を引こう………。

僕が未練がましかったら、二人の幸せを邪魔してしまうから……。

『それで良い訳は無い!何か方法を探せ!』

珍しくヴリトラが声を荒げた。でも、僕はどうなってもいい、彼女さえ幸せになってくれれば。

「もうすぐ村につくよ……。すぐに食事にしようか」

森を抜けた。そこに広がっていたのは、いつもの光景とはだいぶ違っていた。

村から少しでも離れるように、村人がわざわざ近くに来ないように作られた僕の家。

燃えていた……周りには誰も居ない。

言葉にならなかった……

下を見ると、赤い鱗が落ちていた。赤は火を表す色だから……。

炎属性のドラゴンがパートナーで、動機のある奴は……一人しかいない……。

次へ