俺達はフィソラとヴリトラを置いて、家の中に入った。2匹も、何かを話しているようだ。
「二人とも待ってて!お茶でも用意するわね!」
「待って、アイリス!僕がやるから座ってて!」
どうしたのだろうか。レグルスが急いで立ち上がり、ドアに向かうアイリスを呼び止めた。
なんだか、非常にあせっている。
「大丈夫よ。大事なお客さんなんだから座ってて!」
「駄目だよ!僕がやる!君こそ座っててよ!」
どうしてそんなに淹れたがるんだ?俺はむしろ、アイリスが淹れた茶を飲みたいんだが……
「そう?ありがとう。でも、どうして?」
ほんとにどうしてだろうか?
「いやほら、……………久しぶりに村に行って疲れてるよね、だから今日は僕に任せて!」
間は気になったが、見事な心配り!アイリスの頬が少し紅くなる。
レグルスがアイリスを助けに来たときから、うすうす感づいていたが………、もしかして
レグルスが、部屋の外に出た。今ここにいるのは、俺とアイリス二人だけ。
訊くなら今だな!
「レグルスとはどんな関係なんだ?」
「えっ!な、何よ急に!?」
ここまで顔に出るのも珍しい。顔をさらに真っ赤にし、驚いている。
「恋人か?」
「こ、恋人!そんな訳ないじゃない!……片思いよ………」
耳まで真っ赤にして、話してくれた。それだけ分かれば十分だ!付き合ってないなら、俺にもチャンスがある!
美人で、見知らぬ俺を助ける優しさを持った女性。俺にとって、これ以上の女性はいない!
「もういいでしょ!そろそろ戻ってくる頃よ!」
それから1分経たないうちに、レグルスが戻ってきた。
部屋に入るなり、レグルスはお茶を床に置き。あわててアイリスに走りよる!
「どうしたのアイリス!顔が真っ赤だよ!熱無い?」
おでこに手を当てる。顔は自然とアイリスの目の前!
アイリスが気絶してしまった………。
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