とある異界の物語


これは、主人公、ギルバート=クロウが、この「魔物と共存する世界」に現れた後3年後の物語である。

ファーブリア山という山の中に、ある優秀な魔術士が住んでいた。

その魔術士の名は、アルマスという。

彼は、かつて魔法で何人もの悩みを解決してきた、優秀な魔術士であった。

だが、今は隠居して、自ら作ったゴーレムに世話をさせつつ暮らしていた。

年を取るごとにさまざまな事ができなくなり、そのたびにゴーレムを作り、自分の代わりをさせた。

こうして多くのゴーレムができ、彼はほとんどのことをゴーレムにさせ、老後を楽しんでいた。

ゴーレムも意思などを持たないので、嫌がることも無く共存していた。

実に平和な時が過ぎていたのだ。

だが事件は起きてしまった。

ファーブリア山の屋敷に隕石が落ち、アルマスは死んでしまい、彼の作ったゴーレムは山のあちこちに散らばっていった。

本来なら、彼が死んだ時点で、ゴーレムは活動を止め捜索隊が彼の遺体を探すはずだった。

だが今回は違っていた、隕石から出る魔力によってゴーレムは活動し続け、制御する者がいなくなった今、山の中で暴れまわる彼らを止める者は誰もいなかった。

このままでは、麓のディニウル村にも暴走するゴーレムが入ってくるかもしれない。

今作の主人公であるギルバート=クロウは、時折起こる魔物との問題を解決する仕事をしている。

今回の任務は、ゴーレムを止めるため、隕石を破壊する事である。


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