第1章:仲間との出会い


主人公、ギルバートクロウは、今組織から依頼を受けディニウル村の近くまで来ていた。

「よし今回の任務は、戦闘が多くて俺向きだ。

待ってろよ、暴れゴーレム、今から止めに行ってやる!」

町への道のど真ん中で、景気よく叫んでいるこの男こそ、主人公ギルバート=クロウである。

年のころは20ぐらいだろうか、背は高く、腰まで届く長いマフラー。

左肩には防具をつけ、腰に剣をさしている。

銀髪と、オッドアイ(左右の目の色が違う)という容姿が目を引く。

そのうち、後ろから女の子が追いついてきた。

「遅せえよアイリス、せっかく久しぶりに戦闘がメインのミッションなんだ。

さっさと行こうぜ」

「なによ、置いて行くこと無いじゃない!

この間のミッションだって私が居ないと何も出来なかったじゃないの。

そんなに急がなくても、敵は逃げないわよ!」

「この間のミッションは、ケルベロスの捕獲だろ。

戦闘向きの俺が暴れたら、生け捕りに出来そうに無かったから、仕方なく走り回ったんじゃないか」

「それでケルベロスにどんどん放されたのは何処の誰よ。

私が捕縛魔法を使わなかったら、隣町まで行ってたじゃない」

ギルバートと話しているこの少女の名はアイリス。可憐な花の名前である。ラフレシアとは比べ物にならない。

顔は、すごくかわいい!中でも目は、まつ毛が長くパッチリしていて、かわいい中にも、芯の強さを感じさせる。

肌も透き通るように美しい!足も長く、すらっとしている。もはや非の打ち所が無い!

髪は短く、ピンクに茶色の十字のついた服を着て、薄黄で裾がピンクのスカートを履いている。

その上から白いマントを羽織り、右の中指にドラゴンを模した指輪をつけている。

マントには彼女の一族の伝統的なアクセサリーが留め金として着いている。

ハートからドラゴンが出てくる姿を模した銀細工である。

この銀細工のおかげで、マントは魔力を帯び、丈夫な防具となる。

マントという構造上、防御力は低いが、軽く動きやすいと言う特性があり、力の無い彼女でも装備できる。

18歳にしては、150センチと背は低く、全体的には幼く見えるが、この年にしてドラゴンと共に戦う、竜召喚士である。

本人は攻撃魔法を使えないが、ドラゴンがそれをカバーし、十分強い。

『いい加減にしろ。喧嘩はそこまでだ。

アイリス、私は置いていったギルバートが悪いと思うと伝えてくれ、それで2対1で私たちの勝ちだ』

こいつは、アイリスのドラゴン、フィソラである。

ドラゴンの幼体だが、ギルバート達より長く生きているので、すでに威厳が有る。

会話は、アイリスとの念話で行うので、ギルバートには聞こえない。

(※念話は二重カッコで表記します。)
だから、わざわざ伝えてくれなどと回りくどく言わないといけないのである。

ちなみにいつもは、他の場所に居て、念話で会話するのだが、戦闘中など助けが要る時には、アイリスが召喚し共に戦ってくれる。

しかも属性を変えられるので、その戦闘能力は、計り知れない。

「ギルバート、フィソラは私を置いていったあなたが悪いって」

「くそ、2対1かよ、しゃあねえ、すまなかったよ。

久しぶりに得意分野なんだ、ワクワクしてな!」

「わかってくれればいいのよ」

この二人、喧嘩はいつものことである

まあ、喧嘩するほど仲がいいのだろう。

間違いなく、強く信頼しあっているのだから。
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