やばい!相手は疲れを知らないゴーレムだ。

フィソラの変身も解け、もう敵の攻撃を避けるので精一杯……。

敵の動きを止めないと、核にだけ攻撃を当てるなんて出来るはず無い。

「くそ、アイリスがいてくれたら」

アイリスさえいてくれれば、素早さをあげてもらえる。そうすれば対等に戦えるのに。

そう思ったとき、声が聞こえた。

速き動きの象徴よ、その動きの素早きを彼に与えたまへ “クイックウインド”

俺の足を小さな竜巻が進む。待ちに待っていた素早さアップの魔法だ。

「アイリス!リーリアは?無事か?」

アイリスが、ため息をつく。

まさか、死んだ……。そんな………

「無事よ!寝てただけ!急いで助けに行ったのに!!」

明らかにイライラしている。あのため息は、あきれていたからか。

「すいませんでした。私のパートナーが迷惑をかけてしまって……!」

見ると、アルタイルが敵と向かい合っていた。すでに、アイリスにクイックウインドをかけてもらっているようだ。

『アイリス、私にも頼む。奴は素早いが、防御力は低そうだ。

一撃さえ当てれば倒せるだろう!』

「もちろんよ。任せておいて!

速き動きの象徴よ、その動きの素早きを彼女に与えたまへ “クイックウインド”

フィソラの足も竜巻が包む。これで、敵の動きについていける!

ようやくまともに戦える!!

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