リーリアたちは大丈夫だろう。魔法の威力がでかいなら、発動範囲も広いはずだ!

一撃で、かなりの数をしとめるだろう……。

問題は俺達だ。アイリスの防御魔法があるとはいえ、俺は、離れた場所への攻撃ができない。

フィソラも今のままでは、肉弾戦のみ。ならば……、

「フィソラを変身させるわね!」

アイリスも同じ考えに至ったようだ。やっぱりそれしかないか……。

「そうだな。後がきついけど……仕方ないよな……」

「フィソラもそれでいいわよね!」

『仕方がないだろう。そうするしかないのだからな』

アイリスが、指輪に紅炎玉と呼ばれる宝玉を入れる。

フィソラの姿が光だし、姿が変わる!

体の色は赤黒く。ウロコは鋭利な刃物のように。そして爪が長く。

攻撃に重点を置いた、火属性のフィソラの姿。ファイアドレイクだ!

強き攻撃の象徴よ、彼女に一時力をかしたまへ “ファイアブースト”

フィソラの体が淡く、赤く輝く!

攻撃力を上げるファイアブースト。攻撃重視の姿から、さらに攻撃力を上げる。

数が多く守りきれないなら、到達するまでに全て打ち落とす!そういうことだろう。

となると俺は、打ち損じた、数少ない敵の処理って所か……。

敵はまだ巣穴の中……。だが、いつ出てきてもおかしくない。

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