何も起こらず、30分が経つ。俺の考えすぎだったのか……?

疲れているのだろうか…。心配なんて、俺には似合わない。

そう考え、自分がバカらしくなる。

「ちょっと何あれ!」

リーリアである。何かを指差し声を出す。その指の先には。

ぬえの巣!白い、何かの一部が姿を現す!ほとんどすべての巣穴から……!

「リーリアさん。ぬえは居ないんじゃなかったんですか?」

アイリスはかなりあわてている。得体の知れないものがいるのだ。当然である。

「あれは、違うわよ!白いぬえは見たこと無いわ!」

「じゃあ、あれは何なんだ?」

「分かるわけないでしょ!」

「皆さん落ち着いて下さい。正体がわからない以上、目を離さず、すぐに行動できるように準備を!」

アルタイルの言うとおりだ。あれが何かよりも、それに対する対策だ。

剣を構える。

「フィソラ!」

光と共にフィソラが現れる!もし戦闘になれば、フィソラの戦力は必ず必要だ。

そのとき、1つの穴から何かが飛び出し、こちらへと飛んでくる。

素早く、正体は見えない。だが、斬れる!

先頭に立ち、剣を振る。その何かは地面に落ちる。

斬れたのは雲。そして核!

間違いなく、雲製の鳥形ゴーレムであった!

「アルタイル、リーリア!そっちを頼む。アイリス、フィソラ。俺達はこっちだ!」

数え切れない数の敵が潜んでいた…。

俺達は背中合わせになり戦闘に備える。逃げ場も無い。隠れる場所も無い。

戦うしかない…!

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