堅き守りの象徴よ、その力で我を守りたまへ ”ディフェントサンド”

アイリスは、みんなに順番に魔法をかけて、最後に自分に魔法をかけた

今みんなの服は、砂のような鉱物がまとわり付き、うっすらと銀色に光っている。

「ありがとよ、アイリス。

次は攻撃を上げといてくれ。あいついかにも固そうだ」

「解ったわ!

強き攻撃の象徴よ、彼に一時力をかしたまへ ”ファイアブースト”

俺の剣が赤く光を放ちだす。

アイリスはすぐに、前に出るフィソラとアルタイルにも呪文を使う。

すると、フィソラは全身が、アルタイルはグローブが赤く輝く。

かけ終ったそのとき、ゴーレムが目の前の地面から飛び出してきた。

思った以上に近くに来ていた。だが、反応できない距離ではない。

一歩踏み込み斬りつける。

が、斬るどころか、敵に傷1つ付かない。

「堅え、さすが守りをつかさどる土属性といったところか」

最も堅い核の付近を狙ったとはいえ、魔法をかけた剣が跳ね返されるとは……。

信じられない気分で剣をみつめた。ふと敵に視線を戻すと……。

さすがモグラだ、土にもぐろうとしていた。

「もぐられると面倒ですね」

と同時に、アルタイルが相手に肉薄し、殴る。

が、傷1つ付かない。こちらも核付近を狙ったが……。

そうこうしている隙に潜られてしまった。

「どうしよう、このままじゃ何処から出るのか……、

みんなで集まった方が……」

そのセリフは最期までいえなかった。

言いかけたアイリスの目の前に、ゴーレムが出現する。 次へ