金属製のゴーレムの中で特に強い、金製のゴーレムがいる。

大きなモグラの姿をしている。核の色が他と違って緑色だ。

「おい、めんどそうなやつだぞ、属性ゴーレムだ。緑ってことは、地属性か、堅えな……くそ、もう少しで砂地を抜けられるのに」

「とうとう出ましたか……。出会いたくなかったのですが、仕方ないですね……」

隕石に近づけば近づくほど、強いゴーレムに出会う可能性は高くなるのだ。時間の問題では会ったが、出来れば避けたかった。

「仕方がない……か、総当りで真正面から挑もう、戦力ならこちらが上だ。

どうせ、隠れるところなんてほとんどないんだ、ここに砂の山があったのだって運がいい」

あたりに何もない……。入った時から判っていたが、砂ばかりで不毛な土地だ。

隠れられない以上仕方がない……。

「アイリス、フィソラを変身させといた方がいいんじゃないか?」

「そうしておくわ、フィソラもそれでいいわよね」

『そうだな、そのほうが安心だろう』

「よし行くぞ!フィソラ、アルタイル、俺と一緒に前に出てくれ、アイリスは防御力のアップを頼む。

リーリアさんは、魔法を使ってくれ。でも、あまり大きいのは巻き込まれるかもしれないし、加減してくれ」

あんなの喰らったら洒落にならない。

「残念ね、他の強い魔法を使おうと思ってたのに!」

やっぱりか……。

一応、作戦は組んだ。後は個々の戦闘力が勝負のカギだ。

「フィソラ、気を引き締めていくわよ!」

アイリスが、声と同時に指輪の穴に白雲玉といわれる宝玉を入れる。

フィソラを変身させるアイテムだ。

光の中から風属性のドラゴン、リンドブリムに変身したフィソラが現れる。

体の色は黄色くなり、体は小さく、しかし尾は長くなり、翼は大きくなっていた。

額の水晶も、風を表す部分が黄色く輝く!

これこそ、速さを重視したフィソラの変身形態である。

土は防御力が上がるので、素早く攻撃でき有利な属性の風で、という考えだろう。

用意完了。

フィソラの召喚に気づいた敵も、地中からこちらに迫る。

緊張感が高まり、ギルバートの目が変わる。

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