いきなり多くのゴーレムが出たのだから、今からは、いつ出てきてもおかしくない。
「アイリス、気を引き締めてかかるぞ。俺達の本気も見せてやろう」
「そうね。フィソラあなたもお願いね」
『かまわんが、変身は使わん方がいいだろう。あれは1にち二回の大技だ』
「もちろん、あれを簡単に使ったりしないわ」
進んでいると、またも同じゴーレムが出た。今度は20体だ。
「今度は私達の番です、しっかり見ていてくださいね!」
「ああ、見せてもらうよ」
アイリスがアルタイルに微笑みかけ、敵に向き直る。
「フィソラお願い」
光とともにフィソラが現れる。
俺も剣を構え用意する。
またもやゴーレムは向かってくる。
「ウリャー!」
剣を振る、簡単に切れた。これなら、攻撃力アップはいらない。
「ギャース」
フィソラも次々と敵を叩き潰す。余裕のようだ。
だが数が多い、いっせいに攻撃される。一方向とはいえ、こんな数、剣では防げない。
「最も強く、最も硬き鉱物の王よ 最も輝き、最も気高き金の王よ。
今一つになりて、敵の攻撃を防ぐ究極の楯とならん 出でよ最強の楯 ”アブソリュートプロテクション”」
アイリスの魔法である。ダイヤの楯が、金の装飾を施して現れる。
敵の攻撃を防ぎきりヒビどころか、傷1つ付いていない。
素早く唱えたので防御力が落ちているにもかかわらずである。
よく見ると敵の腕にひびが入っている。腕が楯に当たった時の衝撃だろう。
「速き動きの象徴よ、その動きの素早きを彼に与えたまへ ”クイックウインド”」
竜巻が足を包む。アイリスの十八番はステータスアップである。動きが速くなるこの呪文なら、この程度の敵余裕だろう。
落ち着いたところでフィソラを見た。
余裕過ぎるようで、一撃で何体倒せるかチャレンジしていた。
『アイリス、力を見せたいとはいえ、この程度の敵…私が来る必要あったのか?』
「そんな事言わないで、どれ位の戦闘力かを、二人に見せておくのは大事な事よ」
『それもそうだな。では、本気でいこうか』
ついに本気を出したようだ。とはいえ変身無しだからまだまだ強くなれるが…。
手だけでなく尻尾も使う。一度に5体の敵を倒した。ああ、俺の獲物まで…。
負けてられないので、別の一団に突っ込む。跳びかかり斬る。こちらも3体を倒す。
結局ものの数分で、決着が付く。敵は全滅した。
「俺らこそどうだ、なかなかだろ」
「私の魔法も良かったでしょ!」
「やるわね」「ええかなり強いようですね」
これで俺らも力を見せた。一撃なら負けるが、総合的には同じくらいだ。
「だいぶ歩いたな。そろそろ強いのが出るかもしれない……よろしく頼む」
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