第2章:属性ゴーレム


ジャンケンはギルバートが勝ち、一行は砂地へ向かう事になった。

「右よーし、左よーし、ゴーレムはいなさそうだぜ。

アイリスの心配も一理あったが、とりあえず大丈夫そうだな」

「そうね、考えすぎでよかったわ」

少し緊張のほぐれた様子でアイリスが言う。

「心配する必要も無いんじゃない。

この辺りはまだ、隕石からかなり遠いのよ、強いのが出るのはまだまだ後に間違いないわよ!」

「そうですが、雑魚でも出てくれば戦いになり危険も増します。やはりいないに越した事はないでしょう」

皆も砂地から行くことで納得しているようである。

とりあえず、今は敵もいないことだし、目的地である山の中心部へ向かう。

回りに注意しつつだが、敵が出る事もなく、話しながら歩く。

そうして1時間ほど経っただろうか

「何かいるぞ!」

緊張感が漂い、警戒しつつ近づいて行く。その良く判らないものは、時折動いているように見える。

近づくとそれがなんなのか分かる。ゴーレムの大群であった!

15体はいるだろう。

「そんな、いまさら引き返せないわよ

私の心配がいまさら当たるなんて、最悪」

「なーにあんなの数に入らないわよ。

私とアルタイルで十分よ。私たちの実力を見ていて頂戴!行くわよアルタイル!」

「ええ、参りましょうか」

そのときであった。ゴーレムがこちらに気づき、走ってくる。

人型の岩石製ゴーレムであった。村で暴れたものよりは弱そうだ。

「では行きます、最後の仕上げは頼みますよ。」

「もちろんよ、任せてちょうだい!お二人さんと1頭、しっかり私たちの力見ていてよね」

アルタイルが、敵に突っ込む。

ゴーレムたちは近くに来たアルタイルにいっせいに攻撃を加える。

だが、彼にとっては、なんでもないようだ。

平然と表情を変えることもなく、敵をよけ、隙ができると、一撃を加える。

”エクスプローション”

突然叫ぶ。何のことかわからなかったが、次の瞬間…

低く重く、花火のように大きな音が鳴り響く。

敵が一体、核のあった部分に穴が開き、停止した。

きっと彼の使う魔法の一種なのだろう。

リーリアはというと、私たちの側からは動いていない。

だが、戦闘が始まってから、ゆっくりと確実に、一言一言に力を込め呪文を唱えていた。

永く宇宙を旅する星の破片よ、火の精霊サラマンダーの力を借りて、その身に秘めし力を解放し焔となりて降り注げ ”メテオインパクト”

アルタイル、離れて!」

その言葉を合図にアルタイルが敵の間を走りぬけこちらに来る。

次の瞬間、空が赤く光る、ゴーレム達も気づき空を見る。

巨大な火の玉が振ってくる。

1つではない3つだ

直径は5メートルほどあるだろう。

着弾する。今までゴーレムのいたところが、焼け焦げる。

砂地ゆえに燃え盛らなかったが、ゴーレムはすべて消えていた。

「見た〜?今のが私の必殺魔法の1つ、メテオインパクトよ。

他の属性もあるけど、これって迫力あるから好きなのよ!」

「私達もなかなかのものでしょう」

「ああ…そうだな。すごい……」

その威力に絶句する。アルタイルはギルバートと同じくらい強い。

リーリアの魔法は時間はかかるが本気になったフィソラ並みだ、竜並みの力を一人で出すなんて。

「スゴーイ。二人ともこんなに強いなんて、頼もしい仲間ね」

そうだな、味方は強い方がいい、間違いない。

「次は、俺達が本気の力を見せますよ」

負けてられない
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