フィソラが空を飛び敵へと迫る。

敵もすぐに気づいた。核が輝き青くなる。

「フィソラ。気をつけて」

アイリスがつぶやく!念話なので、離れたフィソラにも聞こえたはずだ。

あの勢いで水が当たれば、火属性となったフィソラには辛いものがある。

フィソラが敵に向けて火を吐き出した。最初よりも大きい火だ。

敵の体を火が舐める。だが、ダメージらしいダメージはない。だが……これでいい。

次々に火を吐き続ける。そのとき、またもやあの水が迫る

『来ると分かっていて避けられない速さではない、同じ手は通じない!』

屋根が飛び、自由に飛びまわれるようになった。あの程度の攻撃は、なかなか当たらない

予想通り、簡単に避け、火を吐き続ける。ときどき邪魔な水にも火を当て蒸発させる。

十分に、敵に火を当ててくれた。第一段階クリアだ。

「リーリア、合図したら頼むぞ!」

「大丈夫よ!詠唱も短いし、いつでもどうぞ!」

「フィソラー!戻って来ーい!」

大声で叫ぶ。フィソラにも聞こえたらしい。すぐに引き返してきた。

「今だ、リーリア」

空気に混じりし、無数の水よ、冷たく固まり敵を討て “アイス・クルスター”

敵の体の上に、無数の水の塊が出来る。そしてそのまま、敵の上へと落ちていった。

水を吸った敵の体の色が、濃くなる。

「行くぞ!アルタイル!」

「はい、参りましょう!」

俺は剣を構え。敵の背後に回る。アルタイルも敵の脚を狙っている。予定通りだ。

“エクスプローション”

アルタイルのグローブが光り、敵に当たった瞬間。

大爆発とともに、敵の脚を吹き飛ばした。すごい威力だ。

バランスを失った敵が、倒れる。だが、そこにはすでに……

「俺がいる!」

倒れる敵の核に剣を刺し、そのまま頭に向かって走る!あれほど苦労していた体は、簡単に裂けた!

そして刺された核はもちろん停止し、ゴーレムも活動を止める。

「よし、うまくいったか!俺達の…勝ちだー!」

俺が叫ぶ。今回の敵は強かった。やられるかとも思った…。正直なところ、恐怖もあった。

だが、逃げずに戦った。怖いと思っても逃げない…それこそが勇気だ。と思う…。

アイリスたちが走ってきた。あとは、隕石を壊せばすべてが終わる…。

「ねえ、ギルバート。一体どうして、あんな簡単に斬れちゃったの!?」

「……」

そういえば、説明してなかったな…。隕石を壊すのはそのあとだ。

リーリアも、説明しないと許さないといった目で俺を見ている。何も悪い事はしていないが…。

「じゃあ、歩きながら説明しようか」

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